公務員は景気に左右されにくく、将来的に安定しており福利厚生も手厚いことから、人気の高い職業の代表格といえます。
国や地域社会に貢献するために、公務員になりたいと考えている方も多く、民間から転職する方も多く存在します。
しかし、公務員になるにはどうすればよいか、具体的な方法を知らない方も少なくないでしょう。
公務員になるには公務員試験を合格する必要があり、徹底的な対策が欠かせません。
この記事では、公務員になるにはどうすればよいか、学歴別で公務員になるための方法、公務員試験の詳細について詳しく解説します。
今後公務員を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 公務員になるにはどうすればよいか
- 公務員試験の内容
- 公務員試験の難易度
- 公務員試験を合格するための対策
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公務員試験の難易度
公務員試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。
一口に公務員と言っても、区分や職種が幅広く分かれています。
まずは公務員試験の合格率や概要を職種ごとにチェックしましょう。
公務員試験の合格率は13%〜68%
総務省のデータをもとに、令和4年度の地方公務員採用状況をまとめました。
区分 | 倍率 |
---|---|
地方公務員(都道府県) | 6.3倍 |
地方公務員(市区) | 8.3倍 |
地方公務員(町村) | 5.6倍 |
令和5年度の国家公務員採用一般職と総合職の試験実施状況は、以下の通りです。
区分 | 合格率 |
---|---|
国家総合職 | 13.30% |
国家一般職(行政職) | 39.60% |
国家一般職(行政職以外) | 68.20% |
参考:
2023年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況
公務員と一口にいっても、以上のように職種ごとの倍率に大きな幅があります。
自分が希望する公務員の職種とその倍率を、勉強前にきちんと見極めてください。
公務員試験の合格に必要な勉強時間は800時間程度
地方公務員中級を例にすると、試験の合格までに約800時間程度の勉強が必要と考えましょう。
スタートから5カ月~10カ月かけて、1日4時間程度の勉強が求められる計算です。
ただし、地方公務員初級の勉強であれば300時間程度で合格する人もいます。
町や村などの地方公共団体に就職を希望する場合なら、最短3ヶ月ほどで試験勉強が完了する場合もあるでしょう。
公務員試験の概要
公務員試験は職種によって概要や実施日が異なるので注意しましょう。
興味がある職種の試験概要は、なるべく早い段階でチェックしてください。
一般的な公務員試験は、第1次試験と第2次試験に分かれています。
第2次試験以降は面接(人物試験)を受けなくてはなりません。
自治体によっては、基礎能力検査(SPI)やグループワークなどが実施されます。
2024年(令和6年度)の公務員試験日程
2024年(令和6年度)の公務員試験の日程は、なるべく早い時期に確認しましょう。
県庁や自治体の公式サイトを確認し、概要の取りこぼしがないようにしてください。
全国各地の県庁・自治体で、毎月のように受験申込の受付が開始されています。
自分が働きたい地域の自治体の情報は、こまめなチェックがおすすめです。
公務員の受験資格
公務員になるには、基本的に高卒以上の学歴は必要です。
公務員試験区分
17歳~20歳 「地方初級」「国家一般職高卒程度」などの『高卒程度区分』
21歳~29歳 「地方上級」「国家一般職大卒程度」などの『大卒程度区分』
30代以降で職務経験年数を5年程度持っている 『社会人経験者採用枠』
以上のものがあります。
公務員試験が難しいと言われる理由
公務員試験が難しいと言われる理由には、大きく分けて以下があります。
- 公務員試験は出題範囲が広い
- 採用人数に制限がある
- 面接の対策が難しい
- 筆記試験のボリュームが多い
公務員は、どの自治体でも決まっている以上に採用できる人員ではありません。
職種や区分によっては、試験の倍率が高いことに注意しましょう。
社会人の公務員試験対策におすすめ予備校・通信講座ランキング!人気15社の費用・評判を比較
理由①公務員試験は出題範囲が広い
公務員試験の問題は、幅広い分野を対象に出題しています。
出題範囲が広いことで、試験の勉強が間に合わなくなる人も少なくありません。
あらかじめ試験の出題要項をよく読み、対策を立てておきましょう。
試験の出題範囲は、各自治体のホームページで公開されます。
自分だけで勉強することが不安な人には、公務員試験対策講座の受講もおすすめです。
理由②採用人数に制限がある
公務員は、採用予定人数に制限がある仕事です。
採用人数は自治体や国によってあらかじめ決められているため、変更はされません。
求人倍率が高いことも、公務員試験が高い難易度になっている理由です。
地方では人口減少により、職員の採用人数が減っている自治体もあります。
希望する職種の採用人数は、事前に試験要項で確認しておきましょう。
理由③面接の対策が難しい
公務員試験の面接(人物試験)では、徹底した対策が必要です。
筆記試験通過後は、人物重視で合格・不合格の判断がされます。
マナーや言葉使い、態度や身だしなみにも気を付けてください。
公務員試験の面接対策は独学では難しいことに注意しましょう。
より良い受け答えや対策を身につけるためには、公務員試験講座の受講がおすすめです。
公務員から公務員に転職するのは可能?不利になる?給料や退職金の引継ぎ方法・おすすめ職種の紹介
理由④筆記試験のボリュームが多い
筆記試験のボリュームが多く、覚える範囲が広いことは、公務員試験の特徴です。
基礎である筆記試験対策をしっかりしなければ、合格が遠のいてしまいます。
公務員試験には、以下の範囲が含まれていることが多いです。
- 教養択一問題
- 専門択一問題
- 共用記述問題
- 専門記述問題
以上の4パターンは、対応できるようにしておきましょう。
公務員試験の出題傾向をつかむことも重要です。
公務員試験の難易度をランキングで比較
公務員試験の区分ごとの難易度をランキングでまとめました。
難易度が高い国家公務員とは、行政府・司法府・立法府それぞれの機関に勤務する公務員のことです。
区分 | 合格率 |
---|---|
国家公務員の総合職 | 7.1倍 |
東京都庁・大都市圏県庁・政令都市・東京特別区職員(大卒)など | 3.6倍 |
国家公務員一般職(大卒)・国立国会図書館一般職・裁判所事務官一般職など | 3.4倍 |
国家公務員の専門職・地方上級(都道府県)など | 概ね3倍~8倍程度 |
市役所職員・消防官・警察官など | 年度や試験区分によって変動が大きい |
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公務員試験の試験科目
一般的な公務員試験の試験内容を確認しましょう。
公務員の筆記試験は、「教養科目」と「専門科目」の2つがあります。
ただし、職種ごとに出題形式や問題が異なるので注意してください。
公務員試験の科目一覧│教養科目・専門科目の内容と優先順位からおすすめの対策まで解説
教養科目
教養科目は以下に分けられます。
- 一般知能数的処理や文章理解
- 一般知識社会科学や人文科など
現代文から判断推理、物理まで幅広い範囲が出題の対象です。
教養科目は6割程度正解すれば合格できるでしょう。
ただし、自治体によっては一般知識の出題がない場合があります。
専門科目
専門科目は、大卒程度の国家公務員及び都道府県、政令指定都市の公務員試験の多くで必須科目となっています。
公務員試験の専門科目は以下です。
- 行政
- 法律
- 経済
- 社会学や経営学など
ただし、公務員試験の専門科目は、受験する区分によって出題科目が異なります。
政治学からマクロ経済学まで、行政や経済をまんべんなく勉強しましょう。
専門科目は、全体の7割の得点がノルマです。
論文
論文では、テーマに沿って60〜80分程度の時間で800〜1200文字程度の論述をおこないます。
正しい文法だけでなく、自分の意見や考えを簡潔に書く必要があります。
対策する際は、テーマを自身で決め、第三者に添削してもらいましょう。
面接
面接は、筆記試験の合格後におこなわれ、主に人柄を確認されます。
聞かれる内容として、自己紹介や学生生活で取り組んだことなどが挙げられます。
質問された内容にきちんと答えるためにも、何度もシミュレーションをおこなうのが重要です。
難易度の高い公務員試験に合格するポイント
- 過去問を繰り返す
- 出題の多い科目から勉強する
- 試験勉強のスケジュールを立てておく
- 時間配分に気をつける
- 1日に必要な勉強時間を確保する
公務員試験は難易度が高いと考えましょう。
勉強方法にもこだわって合格を目指すことが重要です。
自分にあった効率が良い勉強法なら知識が身につきやすいです。
ポイント①過去問を繰り返す
過去問を繰り返し解くことで出題傾向がつかめます。
テストの文章や、問題形式に慣れることも可能でしょう。
過去の問題を用意して、これまでどのような試験が出題されたのかチェックしてください。
難しい問題や奇抜な問題なども分かりやすくなるのでおすすめです。
ポイント②出題の多い科目から勉強する
出題の多い科目から勉強することで、より高い点数が狙えます。
点数配分は、多い科目にボリュームがあるでしょう。
公務員試験の点数配分は、公式なデータが各自治体で公開されています。
実際の採用試験情報をチェックして、試験勉強に臨みましょう。
ポイント③試験勉強のスケジュールを立てておく
試験勉強のスケジュールは、なるべく早めに立てましょう。
公務員試験は、出題範囲がとても広いです。
油断して構えていると、全ての範囲が網羅できない可能性もあります。
公務員試験の受験日から逆算し、余裕を持ったスケジュールを立ててください。
社会人の受験者は、勉強できる時間や期間に気をつけることも重要です。
ポイント④時間配分に気をつける
試験対策は時間配分に気をつけて行いましょう。
1問当たりどれくらい時間が使えるのか、時計を見ながら解いてみてください。
実際の試験時間に合わせて、時間を計りながら問題にチャレンジしましょう。
論文などは思っているよりも時間がかかる場合があります。
「どれぐらいの時間ならこの問題に使えるのか」といった優先度を、判断する力も重要です。
ポイント⑤1日に必要な勉強時間を確保する
働きながら公務員を目指す人は、1日に必要な勉強時間を確保しましょう。
基本的なことですが、毎日ある程度の勉強時間を確保することが大切です。
勉強できなかった日は、翌日から足りない時間をカバ―するといった姿勢を持ってください。
モチベーションの維持も、公務員試験合格に大切なポイントです。
公務員試験の独学合格が難しい理由
公務員試験の独学合格が難しい理由には以下があります。
- 勉強を習慣づけられない
- 面接や論文の評価や添削が受けられない
- 講師に質問できない
加えて、自分で勉強のペースやモチベーションを保てない人は、独学には向いていないでしょう。
しかし、コツをつかめば公務員試験の合格自体は非常に難しいものではありません。
職種にもよりますが、効率よく対策をすることが重要です。
地方上級公務員とは?仕事内容や職種・試験の難易度・倍率について解説
独学が難しい理由①勉強を習慣づけられない
勉強を習慣づけられないひとは、公務員試験の対策に時間がかかることが多いです。
とくに社会人として働いている人は、決まった時間の確保が難しいのではないでしょうか。
仕事が終わった後に自主的に勉強する行為は、エネルギーを使いますよね。
毎日の勉強が難しいと感じたら、試験の対策講座や通信テキストの活用などを考えましょう。
独学が難しい理由②面接や論文の評価や添削が受けられない
独学では、公務員試験の面接の評価や論文の添削が受けられません。
自分では対策できているつもりでも、不十分ということも考えられます。
特に公務員試験の面接は、人物重視で行われるので気を付けましょう。
公務員試験について、しっかりと対策するためにはプロの力を借りることも重要です。
独学が難しい理由③講師に質問できない
質問できない状況は、効率的に勉強できる環境とはいえません。
試験対策を教えてくれる講師がいないと、問題の理解にも時間がかかるおそれがあります。
公務員の筆記試験は、問題の優先度についてもきちんと判断することが大切です。
自分に合った勉強法を見つけるためにも、講師から教えてもらえる体制を整えましょう。
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公務員とは
ここからは公務員の仕事について、くわしい情報をまとめました。
公務員は、国や地方自治体に所属し、その土地や住民の生活を支える仕事です。
営利目的ではなく、社会のために働いています。
公務員になるには学歴が必要?主な合格者の出身大学・学部・学科はどこ?
公務員の仕事内容
公務員の仕事内容は、区分や職種によって違います。
業務が多岐にわたることも、公務員の特徴ですね。
公務員の職種には以下があります。
- 各省庁の職員
- 裁判官や自衛官
- 自治体職員
- 教員
- 消防士
- 警察官 など
公務員の平均年収
公務員の平均給与額をチェックしましょう。
国家公務員の平均年収は600万から800万円前後です。
ただしこの金額は、あくまで国家公務員全体から割り出した平均の数値と考えてください
公務員として働く人の年齢や職種、働いている地域などは参考にしていません。
総務省 令和3年度地方公務員給与実態調査結果によると、地方公務員一般行政職の年収はボーナスを除外して431万円です。
ただ、地方公務員が活躍している地域や土地の人口数によって、給料は変わります。
区分 | 平均給料月額 |
---|---|
地方公共団体平均 | 402,948円 |
都道府県 | 414,254円 |
政令都市 | 435,265円 |
特別区 | 325,827円 |
市 | 395,615円 |
町・村 | 353,492円 |
人口数が多い自治体の公務員ほど、業務が幅広く対応数も増えるため高収入となります。
公務員の将来性
公務員の勤務先は倒産やリストラに踏み切るおそれがありません。
一般企業の社員とは異なる、公務員ならではのメリットでしょう。
不況の影響がほぼないことで、安定した働き方が期待できます。
AIやロボットが代わりにできる仕事も少ないため、業務自体が無くなる危険性もないですね。
ただし、人々が支払う税金の減少が起きた場合に人件費が減ってしまう可能性があるでしょう。
採用者を減らす自治体では、公務員一人当たりの仕事数が増えることで激務が予想されます。
自衛隊の仕事内容ってどんなもの?業務の種類や主な活動・1日の勤務の流れをわかりやすく紹介
公務員に向いている人の3つの特徴
公務員に向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
・規則やルールが守れる
・国や地域のために働ける
・円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力がある
それぞれの特徴がなぜ必要なのか、詳しく解説していきます。
公務員試験に独学で合格するのは無理?勉強法・面接対策法を徹底解説
規則やルールが守れる
規則やルールが守れる人は、公務員として適正でしょう。
なぜならば、公務員は規則やルールを守らなければならないと定められているからです。
公務員の義務として定められている法律は、以下の通りとなります。
職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
規則やルールを守るのは当たり前ですが、業務を全うするためには必要な要素です
国や地域のために働ける
公務員は、国や地域のために働ける人でなければなりません。
社会や地域貢献など公共のためにおこなうのが、公務員の仕事です。
一方で、民間は会社や個人が利益を出すために働きます。
また、利益が出ると給料や賞与にも影響が出るのが民間ですが、公務員は影響を受けません。
円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力がある
公務員には、円滑に仕事を進めるためのコミニケーション能力も求められます。
公務員は部署内だけでなく、外部の人と協力して仕事を進めなければなりません。
内部外部問わず、仕事内容を理解し、相手に伝える能力が必要になるのです。
そのため、公務員試験では人柄を重視する自治体が多くあります。
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公務員試験対策は講義の受講がおすすめ
公務員になるためには、公務員試験に合格しなければなりません。
公務員試験の内容は、公務員の種類や学力レベルによって異なります。
また、受験したい自治体によって、試験日程も異なるため、計画を立てて試験対策をおこなわなければなりません。
教養科目や専門科目の知能試験はもちろん、面接対策も重要です。
試験に合格するためにも、知識を身に着け、論文や面接対策も怠らないようにしましょう。