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国際公務員になるには?採用試験の難易度や倍率・仕事内容・年収について解説

更新日:2024-04-10

国際公務員になるには?採用試験の難易度や倍率・仕事内容・年収について解説

国際公務員とは、国連などの国際機関で働く公務員を指します。

公務員は一般的にその国や自治体に貢献することを目指しますが、国際公務員の場合は国よりも大きな国際地域、または世界全体に貢献することを目的とした業務をおこないます。

所属先として挙げられる代表的な団体は、例えば以下があります。

  • 国連事務局
  • 国連貿易開発会議
  • 国連地域開発センター
  • 国連児童基金
  • アジア開発銀行
  • 国際機関人事センター
  • 国際連合広報センター

この記事では、国際公務員になるにはどうすれば良いのか、国際公務員はどのような仕事をおこなっているのかについて解説していきます。

国際公務員の仕事内容

国際公務員とは、国際機関で働く人のことを指します。

国際機関には、大きく分けて「国際連合」「国連総会により設立された国連の下部機関」「専門機関」「その他の国際機関」の4つがあり、所属先の機関によって仕事内容は異なります。

共通理念と目的としては、国という概念を超えて国際社会の利益と共存のために仕事をする職業になります。

国際公務員には専門職と一般職があり、専門職は、各機関に貢献できる専門的な知識や技術を活かした仕事をします。

業務内容の分類としては、各機関の開発・経済援助、環境保護などのプログラムの遂行に直接携わる業務と、裏方としてそれをサポートする会計、人事、広報などの総務的な業務に分けられます。

一般職は、各機関の本部や各地の事務所において、専門職のサポートとして一般事務を担当し、ジェネラル・スタッフという名称が一般的です。

国際公務員に求められるスキル

国際公務員になるには、修士号以上の学位を持っている必要があります。

一般職の場合は学歴を問わなかったり、学士号でも応募できる職種もありますが、専門職を目指すのであれば、経済・会計・法律・政治・行政・農業・広報・開発・ロジステクス・ITといった国際機関で求められる分野の学位、とくに博士号まで求められます。

また、国際公務員の多くの業種・職種で、英語またはフランス語の語学力が求められます。

必要な資格は特に定められていませんが、高い専門性を証明するために、大学院在学中に専門分野の論文を発表したりするのも有効的です。

国際公務員の試験内容・難易度

国際公務員の試験内容

国際公務員の採用試験は、民間企業と同様で欠員などのタイミングでそれぞれの事業との適性や求めるスキルに合わせた内容で実施されます。

国際公務員のポジションは下記のようになっていますが、職員の退職、転任、転出、あるいはポストの新設によってPレベルもしくはDレベルのポストに欠員が生じた場合に国際的に公募されます。

  • 専門職(P-1~P-5)
  • 管理職(D-1~D-2)
  • 事務次長補(ASG)
  • 事務次長(USG)
  • 副事務総長(DSG)
  • 事務総長(SG)

ポストの職務内容と応募者の資格要件を具体的に表示した空席公告は、各国際機関のホームページ「employment」、「recruitment」の項目に掲載されています。

応募したい空席ポストがあり、資格要件を満たしている場合には、所定の応募用紙を各国際機関のホームページから入手し、記入の上、各国際機関に直接応募します。

応募後、書面審査が行われ、応募者の専門性・勤務経験が、空席ポストに合っているか否かが審査されるので、空席公告の職務内容を十分に踏まえて応募用紙を作成する必要があります。

国際公務員資格の難易度

国際公務員になるには、 高度な語学力と能力が求められるので、相当難易度は高いです。

参考として、2020年の実施された試験では、応募者325人に対して合格者はわずか54人、合格率は16.6%と低いことが分かります。

国際公務員の年収・給与相場

国連の場合は以下の3つの数字を合計して給与が算出され、人では500万円~1100万円程度が支給されているようです。

一般的な水準から見ればそれなりに高収入にも思えますが、国連で働けるくらいの人ならば企業からも引く手あまたで、おそらく自国の中ではエリートに入る人が多いと思われます。

国際公務員に向いている人

国際公務員に向いているのは、国際社会に貢献しようという強い意志と高い理想を持ち、それを実現できる知力と体力が必要です。

開発途上国を含めたさまざまな国で仕事をする可能性があるため、文化的な違いや生活環境の違いを苦にせず、ダイナミックに行動できる大胆さがあることも重要です。

国際公務員には終身雇用制度がなく、基本的には2~3年ごとに空きのあるポストに応募し、採用されれば国際公務員として働き続けられるという雇用形態です。

そのため、安定した職業や決まった居住地を望む人には向いていない職業といえます。

フットワークが軽く、常に向上心を持って新しい環境にまい進していけることが、国際公務員として一番大切な態度です。

国際公務員の現状と将来性

国際機関は世界中に支部を配置していて、異動となった場合は世界規模で「転勤」することになります。

雇用期間が短期に設定されている契約も少なくないので、一つの仕事が終わればまた別の仕事に応募するなどして、働きながら世界各国を転々とすることもあります。

高収入で将来性も高いがリスクも大きい

日本人の有能な高学歴の若手は安定志向が強く、不安定な雇用形態の中で常に競争が求められる国際公務員という職種は、敬遠されがちです。

人権・貧困・紛争などの国際問題の解決のための国際機関というのは、各種の問題があり続ける限り存在していきます。

国際社会が高度にIT化していく中で、専門分野にプラスしてITリテラシーの高い人材への需要が増加することが予想されます。世界中の優秀な国際公務員の中で競争力を高めるためには、こうしたIT分野への目配りが有効だといえます。

国際公務員になるには自分の専門性を極めるのが重要

国際公務員採用試験は一般的な公務員と比較して、大学での専攻分野や、学術的に極めた分野が重要になります。

国際的に活躍をするには、そのために何を大学で学ぶかを考えて進学することも大切です。