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司法試験と予備試験の試験内容まとめ!選択科目や科目免除の詳細も

更新日:2022-05-10

弁護士、検察官、裁判官を法曹三者と呼びますが、その実務に就くために受験しなければならないのが司法試験です。

2011年の司法試験制度改革により実施されるようになった司法試験予備試験も含めて、受験時に問われる試験科目は多岐に渡ります

当記事では広範な試験範囲を理解して効率的に司法試験に対応するために、試験科目科目免除の有無司法試験と予備試験の試験科目の違いについてご紹介します。

また2022年度から変更された予備試験の試験科目についてもご紹介していますので、受験を検討されている方や司法試験について興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

司法試験の試験制度

司法試験_試験制度

司法試験の試験科目を知る前に、まずは「試験とは何なのか」について簡単にご説明します。

司法試験の受験資格や試験形式を知ることで、下記でご説明している予備試験との試験科目の違いや試験形式の違いがわかりやすくなるでしょう

また良く比較される司法試験と予備試験との違いについてもご説明しています。

司法試験の受験資格

現在の司法試験では2つの受験資格が設けられています。

  • 法科大学院を修了する
  • 司法試験予備試験に合格する

司法試験は受験資格を満たさなければ受験することができないため、受験を検討している方はまず上記のどちらかの受験資格を満たす必要があります。

司法試験と予備試験の違い

受験資格の1つである司法試験予備試験は、様々な理由で法科大学院に通えない人にも司法試験受験の門戸を開けようと実施されるようになった試験制度です。

司法試験と予備試験の大きな違いは予備試験には受験に関する資格の規定はなく、誰でも受験することができるところです

予備試験の存在があることで誰に対しても平等に法曹になれるチャンスが用意されています。

そのほか試験科目や試験形式が異なるといった違いについては下記で詳しくご説明しています。

短答式試験と論文式試験は4日間かけて実施される

司法試験の短答式試験と論文式試験は4日間かけて実施され、最初の3日間は論文式試験、最後の1日で短答式試験が行われます

司法試験は論文式試験から行われますが、採点に関しては短答式試験から先に行われるという特徴があります

短答式試験が不合格になってしまうと論文式試験は採点すらしてもらえない足切り制度を採用しているため、短答式試験が行われる最後の1日まで集中力を切らさずに試験に挑むことが大切です。

司法試験の試験形式である短答式試験と論文式試験について、もう少し詳しく解説していきます。

短答式試験

司法試験の短答式試験は択一式で行われ、「憲法」「民法」「刑法」の3科目が出題されます。

短答式試験は175点満点で、例年の合格基準点は100点前後を推移しているため、合格には6割程度の得点率が求められます

上記でお伝えした通り、司法試験の短答式試験は不合格になると以降の論文式試験を採点してもらえない足切り制度があるため、確実に6割以上得点できようにしっかり対策する必要があるでしょう。

論文式試験

司法試験には短答式試験の他に論文式試験があり、こちらがメインとなる最難関試験です。

論文式試験は、法律基本7科目と呼ばれている「憲法」「行政法」「民法」「商法」「民事訴訟法」「刑法」「刑事訴訟法」から出題されます。

それに加えて「倒産法」「租税法」「経済法」「知的財産法」「労働法」「環境法」「国際関係法」の中から1科目を選んで解答する選択科目があるなど、短答式試験に比べて試験範囲がかなり広いところが特徴です

論文式試験では全ての科目で六法全書が貸与され、六法を参照しながら2時間の試験時間内に最大8枚の解答用紙に答案を書き上げます。

提示された選択肢を選ぶ短答式試験と比べて、勉強した各法律の知識や過去判例をしっかり理解・応用して実際に論証が立てられるかを問う実践的な試験といえます。

司法試験の短答式試験科目

司法試験_短答式試験科目

司法試験の短答式試験は足切り制度がある試験ですが、各科目の内容や勉強のポイントはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、短答式試験の試験科目である「憲法」「民法」「刑法」の3つにわけて、それぞれの内容や勉強でのポイントを詳しくご説明していきます。

司法試験・短答式試験の憲法

短答式試験の憲法は、分野別にすると「総論」「人権」「統治」の分野から出題されます。

憲法は非常に高い知識レベルが求められる問題が多く出題されるため、苦手とする受験生が多い試験範囲です

とはいえ憲法は日本という国の法律の基礎となるため、これから法曹として働いていく上で避けては通れない大変重要な試験範囲です

あまり馴染みのない条文が多いため、すぐに過去問に取り掛かるのではなくしっかり六法や参考書を使ってインプットをしてから問題集に移行する勉強がおすすめです

司法試験・短答式試験の民法

短答式試験の民法は総則分野から相続分野まで幅広く出題され、3つの試験科目の中でも特に試験範囲が広いです

また民法では抵当権や相続分の計算問題が出題されるなど、単純に記憶をしただけの知識では対応できない問題も出題されます

そのため短答式試験の民法では、選択肢がある程度絞り込めるくらいの知識をインプットしてから問題演習でさらに知識をブラッシュアップする実戦で覚えていく勉強がおすすめです。

民法は試験範囲がかなり広いため、どこから手を付けて良いかわからないという方は論文式試験と試験範囲が被っている範囲から勉強を進めていくことも効果的です

司法試験・短答式試験の刑法

短答式試験の刑法は対象の条文から満遍なく出題されるため、試験範囲は民法同様広いです。

しかし刑法は比較的ひっかけのないシンプルな問題が多く、しっかり対策すれば重要な得点源にもなり得る試験範囲です

また短答式試験の刑法の試験範囲は多くの部分が論文式試験と重複しているため、両方の試験範囲を共通して勉強することができます。

刑法は「判例がどのような立場に立ったものであるか」を意識して解いていく問題が多いため、インプットや問題演習の時間で「判例の立場」を良く整理してから解いていく勉強がおすすめです

判例集を使って様々な判例に触れることも効果的です。

司法試験の論文式試験科目

司法試験_論文式試験科目

司法試験の論文式試験は司法試験の中でも1番の山場と言われるほど多くの受験生が苦手としている試験です。

そのためしっかり得点することができれば、受験生の中で大きな差別化を図ることができます

論文式試験には「公法系」・「民事系」・「刑事系」といった系統別に分かれた必須科目と8科目から1科目を選んで解答する「選択科目」の全4科目から出題されます。

ここではそれらの試験の内容を科目別に詳しくご説明します。

司法試験の論文式試験・公法系

司法試験の論文試験では、憲法と行政法の2科目が「公法系」に該当します。

公民系の論文試験では、「弁護士が弁護依頼当事者の利益を実現する立場で案件を理解して起案すること」が問題として出題されます。

具体的には、受験生は問題文中の当事者の意見が「違憲」を主張することであれば、それを立証して起案する答案を執筆していくことが必要です。

つまり、問題文中の当事者(弁護依頼者など)が何を求めているかを理解し、それを法的な知識と観点で起案する力が問われます

司法試験の論文式試験・民事系

司法試験の論文試験では、民法・商法・民事訴訟法の3科目が「民事系」に該当します。

民事系の問題の最大の特徴は事案が複雑であるところです

一件に訴訟が複数提起されているような問題もあれば、当事者や関係者が多数登場する事例が問題になることもあります

民事系の問題に取り組む場合は、問題文を焦らずにしっかり理解して当事者の関係図を書きながら頭の中を整理するなどの工夫が必須です。

そのため民事系の論文式試験で高得点の答案を作成するためには、問題文中の事実事項を整理した上で問題に当てはまる正確な法律に則して論じていく力が必要になってきます。

司法試験の論文式試験・刑事系

司法試験の論文試験では、刑事法と刑事訴訟法の2科目が「刑事系」に該当します。

刑事系の論文式試験では問われている法律的な論点は基本的なものが多く、過去の判例によって規範が確立しているものがほとんどであるため、多くの受験生が正確に論証を書き出してくることが予想されます。

そのため司法試験でよく言われる「あてはめ」の部分の説得力や精度が最も論証の評価に差が出やすい科目です

問題となっている要件の事実を的確に書き出す「事実の摘示」と、その事実がなぜ要件を満たすのかを論じる「事実の評価」をわかりやすく書き分けるのが高評価をもらえる答案の書き方です。

司法試験の論文式試験・選択科目

司法試験の論文式試験には選択科目があり、受験生は計8科目の中から1科目を選択して解答します。

  • 倒産法
  • 租税法
  • 経済法
  • 知的財産法
  • 労働法
  • 環境法
  • 国際関係法(公法)
  • 国際関係法(私法)

論文式試験の選択科目では、自分が得意な科目や一般的に合格率が高いと言われている科目を選び、試験勉強の時点で戦略を練っていくことが大切です

ここからは各法律科目の特徴についてご説明していきます。

倒産法

倒産法とは​​破産法、(会社法による)特別精算、民事再生法、会社更生法の総称で、倒産法という法律はありません。
司法試験では上記のうち破産法と民事再生法が試験範囲となり、各1問ずつ出題されます。

倒産法は民事系科目と関連している法律のため、民事系科目が得意な受験生から人気があります

また破産法と民事再生法は共通点が多いため、勉強では破産法を中心に民事再生法との違いも意識しながら過去問演習をしていくことが効果的と言えるでしょう

租税法

租税法は、所得税法を主軸として法人税法と国税通則法から出題されます。

租税法は受験生から人気があまりない科目ですが、試験範囲が比較的狭いというメリットもあるため、使い方次第では試験を有利に進める存在となります。

租税法では所得税法の中でも所得分類が良く出題されるため、基本的には所得税法を勉強していきましょう。

法人税法との違いや判例を使った勉強も効果的です

経済法

経済法は、主に独占禁止法に関する問題が出題されます。

人の生命や身体、財産などを保護する他の法律と違い、市場の競争機能という抽象的な概念を扱う法律であることが最大の特徴です

経済法では、どのような事業活動が独占禁止法の対象となるかどうかを「条文に該当するか」「市場に悪影響を及ぼすか」の2つの視点から勉強することが重要になってきます

知的財産法

知的財産法は特許法・実用新案法・意匠法・著作権法・商標法などの総称を指しており、司法試験では特許法と著作権法が試験範囲となります

知的財産法は「特許権に基づいて差止請求ができるか」「特許侵害による損害賠償請求が認められるか」という視点から問題が出題されることが多いため、様々な判例を使って勉強していくことが重要です

労働法

労働法は民法の特別法ということもあり、民法的な発想や債権法的な発想が要求される試験範囲です。

また労働法は選択科目の中で1番人気がある科目であり、特に教材が充実しているところも特徴です。

しかし労働法は試験範囲が広いため、「みんな選んでいるから」という理由で選択するのは少し危険です

労働法では予備校などが出している論証集などを暗記し、あてはめによる「考慮要素」と「相場感」に磨きをかけるという勉強方が効果的です

環境法

環境法は環境基本法をはじめとする環境10法が試験範囲となり、選択する受験生が少ないところが特徴です

しかし、環境法は環境10法の知識を問う問題というよりは適切な条文を環境10法の中から牽引できるかどうかを問う問題が多いため、インプットはそこまで大変ではありません。

そのため環境法では環境10法の基本構造を理解するとともに、過去問を使って問題が「どこの法律の条文を指しているか」をしっかり理解して適切な条文を牽引する勉強が効果的です

国際関係法(公法)

 

国際関係法(公法)は国際法・国際経済法・国際人権法の3法から出題され、国家間で起こる紛争や国家規模の問題に対する解決策が問われます。

国際関係法(公法)はインプットが多い範囲ですが、過去問から似たような出題が多い範囲でもあるため、国際法に関する基本知識をしっかり理解しながら過去問演習を何周も繰り返す勉強法が効果的です

国際関係法(公法)は基本知識さえしっかり押さえておけば、過去問を解くことで合格レベルの答案は作れる穴場科目と言えるでしょう

国際関係法(私法)

国際関係法(私法)は個人間における国際紛争の解決に利用される法律であり、司法試験では準拠法選択の問題や国際民事手続法が試験範囲として出題されます

国際関係法(私法)は受験生から根強い人気がある選択科目で、教材や予備校の講義は比較的充実しています。

国際関係法(私法)では条文の趣旨がしっかり答案に反映されているかという点が重要視されるため、各条文の趣旨までしっかり勉強することが求められます

司法試験に試験科目免除はある?

司法試験_免除制度

司法試験に特定の条件下で試験科目が免除になるような措置はあるのでしょうか

司法試験の受験生はできるだけ勉強範囲を絞りたいですし、免除制度は気になるところですよね

ここでは受験生が気になる司法試験の免除制度について詳しく見ていきます。

司法試験に試験科目免除はない

結論から言って、司法試験に試験科目免除制度はありません

そのため受験生は上記でご紹介した試験範囲を漏れなく勉強していく必要があります

しかし司法試験は、2016年に1度だけ以下の条件で一部科目の免除が検討されたことがあります。

  • 法科大学院の修了者
  • 司法試験予備試験の合格者
  • 裁判所事務官等の職務経歴が10年以上ある

現状ではこの件に関しての試験制度改正の進展はないため、近々試験科目の免除が実施される可能性は低いでしょう

予備試験と司法試験の科目に違いはある?

司法試験_予備試験_違い

上記でもお伝えした通り、司法試験の受験資格は「法科大学院の修了」もしくは「司法試験予備試験の合格」で得ることができます。

司法試験の前段階で行われる予備試験ですが、それぞれの試験科目に違いがあるのでしょうか。

ここでは司法試験と予備試験の試験科目や試験形式の違いについてご紹介していきます

司法試験予備試験には実務基礎科目がある

前提として、司法試験と予備試験は多くの部分で試験科目出題範囲が重複しています。

ただし、予備試験では論文式試験の科目に法律実務基礎科目が追加されます

法律実務基礎科目はより実践を想定した試験科目となっており、民事系と刑事系の2科目があります。

民事系では主に要件事実・準備書面問題・法曹倫理が問われることに対し、刑事系では、刑事手続・事実認定・法曹倫理を問う問題が出題されます。

司法試験予備試験には一般教養科目がある

予備試験では、法律以外の一般教養を問う一般教養科目があります

一般教養科目は文系・理系問わず広い範囲から出題され、かなり難易度が高いといわれています。

そのため高得点を取る勉強ではなく、平均点(例年24〜30点)を狙う対策にとどめ、より多くの時間と力を法律科目で獲得できるような対策が重要です。

司法試験予備試験には口述試験がある

予備試験には、前述した法律実務基礎科目を口述形式で問う口述試験があります

口述試験は予備試験独自の試験で、試験官の質問に口頭で即座に答える試験形式になっています。

口述試験の合格率は約95%と非常に高く、短答式試験と論文式試験に合格してきた受験生からするとそこまで難易度は高くない試験と言えるでしょう。

2022年度から予備試験では選択科目が追加

予備試験_選択科目追加

司法試験制度の改革に伴い、2022年から司法試験予備試験に選択科目が導入されます

予備試験に選択科目が導入されたことにより一般教養科目が廃止となり、より法律知識に特化した試験になりました。

ここでは選択科目導入の背景や選択科目の詳細について見ていきます。

選択科目導入の背景

上記でもお伝えした通り一般教養科目は、文系・理系問わずかなり広い分野から出題されるなど、受験生にとっても高得点を取るのが非常に難しい科目となっていました。

そのため、一般教養科目の対策に使う時間を法律科目の知識向上の時間として使えるようにすることで、その後の司法試験対策としても時間を有効活用できるようになったといえます

司法試験予備試験の選択科目

司法試験選択科目は司法試験の選択科目と同様です。

  • 労働法
  • 環境法
  • 租税法
  • 経済法
  • 知的財産法
  • 倒産法
  • 国際関係法(公法・私法)

司法試験の選択科目と同様に、教材や講義の充実度、試験範囲を吟味した上で得意科目を選択しましょう
弁護士を目指す場合は、選択科目が依頼獲得に繋がるかなどを考慮して受験科目を選択することも大切です

司法試験の試験科目まとめ

ここまで司法試験の試験科目や予備試験との違いについて解説してきました。

重要なポイントをもう1度おさらいします。

  • 司法試験は短答式試験と論文式試験がある
  • 司法試験に試験科目の免除制度はない
  • 予備試験は実務基礎科目や口述試験がある
  • 2022年度から予備試験の一般教養科目が廃止された

司法試験は膨大な試験範囲から高レベルの問題が出題され、短い試験時間の間に答案を作成しなければなりません。

しかし上記でお伝えした試験科目をしっかり理解することで、勉強しなければならない科目や合格までの道筋が見えてくるため、受験を検討している方はこの記事を司法試験合格の対策として役立てていただければ幸いです。

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