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裁判で判決を下す以外の仕事とは?1日流れやスケジュールを紹介!

更新日:2024-02-26

裁判で判決を下す以外の仕事とは?1日流れやスケジュールを紹介!

裁判官の仕事は裁判の終わりに判決を下すだけではありません。

判決を決める前に裁判に向けた資料や証拠について読み調べたり、新しい起訴状について調べたり、終わった裁判資料を整理したりと仕事が満載なんです。

裁判所の種類によっても異なりますが、ある裁判官が朝起きてから夜寝るまで、どんなサイクルで1日のスケジュールを組むのか、1日の流れをご紹介していきます。


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裁判官の1日の流れ

6種類ある裁判所の全てに該当するわけではありませんが、裁判官の1日の流れとして基本的に裁判所の一般職員が出勤した後で裁判官が出勤します。

裁判官に渡さなくてはならない資料の用意や裁判官の部屋の掃除等で、裁判官が居ない時にしておかなくてはいけない事があり、それを邪魔しないようにとの判断から出勤時間に決まりのない裁判官は少し遅めに出勤します。

そして資料に目を通し、当日に裁判が無ければ後日の裁判に向けた準備の為、資料を読み調べ、弁護士や検事とのやり取りをし、判決文を作成していくというようなスケジュールを組むことが多いです。

裁判所の大きさや裁判官の人数にもよりますが、忙しい裁判所だと一人の裁判官が抱える件数は年間で250~300件となり、毎日新しく事件が割り振られる為、最低でも1日20件以上の判決を作成しなくてはなりません。

裁判官にも担当がある

一言で裁判官といっても、その仕事内容は多岐に渡るのでそれぞれに担当の業務があります。

高等裁判所や地方裁判所では民事裁判官なら訴訟事件・執行事件・保全事件や破産事件等、刑事裁判官なら訴訟事件や令状事件等、家庭裁判所では、少年事件や家事事件といった事件ごとの担当分けをしています。

その他には裁判所の管理事務を行う裁判所所長、民事局・刑事局、家庭局といった局ごとの管理職に就く裁判官もいます。

民事事件担当の裁判官

民事事件を担当する裁判官は、訴えた人が加害者に向けて訴えた理由が正当かどうかの判断をします。

そして民事裁判では有罪か無罪かの他に「和解」という第3の解決方法を取ることが少なくありません。和解した方がお互いの為になる裁判がそれだけ多いと言う事なのでしょう。

民事裁判の特徴としては裁判になる前に訴えられた側の話を聞くことが無いので、裁判になって初めて相手の言い分を理解する事が多くあります。

近年民事事件が増えてきて1件1件が長引くことも多いので、民事事件を担当する裁判官はスケジュールを立てる事がとても難しくなっています。

刑事裁判担当の裁判官

刑事事件を担当する裁判官は、警察や検事が集めた証拠が刑事訴訟の証拠になるかどうかの判断もします。

そして裁判中には有罪であると訴える検事と、有罪ではない若しくは有罪であっても量刑が軽くなるようにとする弁護人に、どちらに発言させ、どう進めていくのかという司会のようなことをするのです。

その他には犯罪を犯した人が心の病で訴えられない時に強制的に治療させるかどうかの判断をするのも刑事裁判担当者の仕事です。

裁判官の勤務形態

裁判官は基本的には勤務時間に決まりはなく、法廷が開かれない土日祝日は休みとされていますが、忙しい裁判所に任官されていると土日祝日関係なく自宅や裁判所に出向いて仕事をします。

下級裁判所の裁判官の評価は高等裁判所長官が地方・家庭裁判所所長により作成された評価書を基にして決定して、人事異動を決めていくのです。

判事補から判事、判事の中から裁判長や各裁判所所長を決めて、さらに全国への転勤が決まっていきます。

裁判官は数年で転勤する!

裁判官は3年ごとに転勤する事が決められています。全国各地にある裁判所を転々とする事もありますが、一応毎年8月に希望地の調査票を提出します。

その希望地が通ることは少なく、親の介護や子どもの学校等の理由で転勤を拒否する方もいます。

しかし、拒否した場合は同期より出世が遅れたり裁判所の裁判長になれない等の弊害が起こる可能性や、次の任地が条件が低いところになる事があるのです。

裁判官には夜勤がある?

地方裁判所では裁判官が宿直する事があります。これは刑事事件で令状が必要になった時に地方裁判所で発付するために、24時間365日刑事裁判官が泊まり込みで夜間・休日に当番制で夜勤や休日出勤しているんです。

裁判官が少ない地域では民事裁判担当の裁判官が請け負う事もあり、受付は裁判所職員がするので裁判官は裁判所もしくは近くの家か宿泊施設で待機しています。

令状が必要な時以外には刑事事件での身柄拘束に対し、不服申し立てがあった際に違法かどうかの判断を裁判所にしてもらう手続きがあり、これは裁判官3名での判断が必要なため、夜中でも休日でも裁判官は呼び出されて審議します。

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地方裁判所判事補の1日

大抵の地方裁判所職員が朝8時半には出勤し、裁判所自体が8時45分に開館します。裁判官は出勤時間を決められていませんが、大体が9時頃に出勤する事が多いです。

もちろん裁判があるときはその時間までに出勤しておく必要がありますが、勤務時間に規定が無いので裁判所に居なくても事件の処理さえ適切に行っていれば自宅や図書館で仕事をすることも出来ます。

1日に数件の法廷と証人尋問をする事もあるので、資料整理や判決文作成もこなしていく量を考えてスケジュールを決めていかなくてはなりません。

実際の裁判官がどのようなスケジュールで1日の流れを作っているのか、とある地方裁判所刑事部判事補を例にしてみました。

裁判のない1日

午前9時~ 出勤すると決裁書の入ったケースから資料を取り出し、新しい起訴状や継続中の事件の資料を読み込みます。そして1日のスケジュールを組み、それに沿って仕事をこなしていきます。

その後昼休憩までを資料読みや書記官が作成した調書に目を通したり、事件の打ち合わせをしていきます。

午後12時~ 昼休憩の時間も決められていない為、自由にお弁当や外に出てお店で食べたり、家が近い方であれば自宅で食べる方もいるそうです。

午後1時~ 朝にチェックした決裁書のケースに書類が増えている為、また資料を取り出して目を通していきます。

書記官が作成した以前の公判の記録や次の裁判の資料のチェックをし、資料化へ必要な資料を借りに行く事も。

翌日に裁判と証人尋問があるので事件の記録に目を通し、裁判の準備をして、判決文の作成をするところまで進めておいて、夕方6時ごろに帰宅します。

業務が滞っている時には家に仕事を持ち帰り、夜寝る前や朝早く起きて出勤前に作業する事もあります。

裁判がある1日

午前9時~ 裁判が10時からあるので、それまでに決裁書の入ったケースの中の資料をチェックします。そして1日のスケジュールを組み、それに沿って仕事をこなしていきます。

午前10時~ 本日1件目の裁判。先輩裁判官と共に3人で公判にあたります。起訴状朗読から始まって、検事の論告・求刑、弁護人の弁論したところで判決期日を定めて1時間足らずで修了。

午前11時~ 2件目の裁判も先輩裁判官と共に3人で公判へ。起訴状朗読をし、論告・求刑、弁論の後に判決期日を指定して40分ほどで修了。

午後12時~ お昼休憩は近くのお店で食事をして、裁判官室へ戻って書記官が作成した公判調書や次の裁判に向けた資料に目を通します。

午後1時~ 証人尋問があるので、午後1時過ぎから書記官と共に尋問にあたります。

午後4時半~ 以前にした証人尋問の調書の確認や判決文の作成。検事と事件の打ち合わせ、書記官からの相談に応えたりします。

午後6時~ 翌日の準備をして帰宅します。業務が滞っている時は自宅や、そのまま裁判所で事務作業や起案作成等の仕事をする事もあります。

裁判官の仕事は判決を下すだけじゃない?1日の流れやスケジュールは?まとめ

裁判官の1日の流れやスケジュールは裁判の有無でも変わってきますが、毎日忙しく資料や証拠調査等をこなしている事が分かっていただけたでしょうか。

公判で判決を下す為の準備には時間がかかり、その為のスケジュールを組む事がかなり大切なのです。

休日やプライベートの時間も裁判準備や判決文の作成に使っている裁判官は全国にたくさんいて、持ち帰りの仕事をこなすだけで休日が終わるなんて方もいるのです。

日本の裁判官は人数も少なく、1日のスケジュールに余裕が少ない程忙しい裁判所もたくさんあります。