行政書士の平均収入はどの程度なのでしょうか。
「国家資格だから高い収入では?」「弁護士よりは安いが高い収入を得ているのでは?」など様々な考えがあるでしょう。
この記事では行政書士の年収と収入を上げるコツを解説します。
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行政書士の平均年収

行政書士の年収は大体400万円~700万円と言われており、中央値は550万円です。
日本行政書士連合会出版「月刊日本行政2018年10月号」に掲載されている「平成30年行政書士実態調査集計結果について」を見ると、以下のような調査結果が出ています。
年間売上高 | 割合 |
---|---|
500万円未満 | 78.7% |
1,000万円未満 | 11.3% |
2,000万円未満 | 5.3% |
3,000万円未満 | 1.8% |
4,000万円未満 | 0.8% |
5,000万円未満 | 0.5% |
1億円未満 | 0.8% |
1億円以上 | 0.3% |
この統計によると行政書士の約80%弱が年商500万円以下です。
ただし働き方によって収入は異なります。
行政書士の働き方には以下の2つがあります。
- 雇われ(事務所に所属)
- 独立
それぞれの働き方でどの程度の収入を得ているのか見ていきましょう。
雇われ行政書士の収入
事務所に所属し雇われている行政書士はいわゆるサラリーマンと一緒で事務所の規模によって収入が変わってきますが、雇われのためそれほど高い収入は期待できません。
2022年1月現在Indeedの行政書士求人情報を見ると以下のようになっています。
【給与】月給18万円~25万円
【給与】月給18.9万円~25万円
【給与】月給25万円~45万円
【給与】月給17万円~30万円
【給与】年収308万円~
これらの情報から平均すると月収20~30万円・年収250万円~となります。
働き始めの新人雇われ行政書士の場合には月収20万円・年収250万円程度ですが実績と経験を重ねていくと徐々に収入は上がります。
しかしやはり雇われの場合数千万円以上の高額収入を得ることはどれだけ年数を重ねても難しいでしょう。
独立した行政書士の収入
独立した行政書士の場合、事務所勤務の雇われ行政書士と比べて高収入を得やすいです。
事務所開業1年目は顧客も少ないためそれほど多くの収入は得られないかもしれませんが、経験と実績によって多くの仕事が舞い込んで来るようになると仕事量に比例して収入は上がります。
また記事冒頭に記載した表を見ると何千万円もの収入を得ている人もいることが分かります。
2,000万円~3,000万円以上の高収入を得るのも夢ではないでしょう。
行政書士の収入にはバラつきがある

行政書士の収入にはバラつきがありますが、その要因は何なのでしょうか。
行政書士の収入にバラつきがあることについては以下2つの理由があります。
- 受ける業務によって報酬が違う
- 活動する土地によって収入が違う(都心部の方が高く、田舎の方が安い)
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
受ける業務によって報酬が違う
行政書士の業務は非常に幅広いです。
日本行政書士会連合会が実施した平成27年度報酬額統計調査から分かる行政書士の報酬の相場は以下の通りです。
建設業許可申請 | 118,204円 |
---|---|
経営状況分析申請 | 32,485円 |
経営規模等評価申請及び総合評定値請求申請 | 56,983円 |
建設業変更届出 | 42,170円 |
建設工事紛争処理申請 | 59,960円 |
農地法第3条許可申請 | 50,236円 |
農地法第4条許可申請 | 80,114円 |
農地法第5条許可申請 | 103,623円 |
農用地除外申出 | 94,967円 |
開発行為許可申請 | 434,437円 |
河川関係許可申請 | 151,784円 |
宅地建物取引業者免許申請 | 107,195円 |
宅地建物取引士資格登録申請 | 22,709円 |
資力確保措置の状況についての届出 | 22,114円 |
建築士事務所登録申請 | 62,398円 |
測量業者登録申請 | 87,579円 |
道路位置指定申請 | 297,380円 |
特定旅客自動車運送事業認可申請 | 102,143円 |
旅行業登録申請 | 150,435円 |
風俗営業許可申請 | 158,484円 |
上記の中でも特に高収入が望める業務は以下の4つです。
- 建設業関係の業務
- 開発許可関係の業務
- 風俗営業関係の業務
- 相続関係の業務
それぞれの業務について詳しく見ていきましょう。
建設業関係の業務
建設業関係の業務では許可を申請する業務が多くあり、その数なんと40万件以上!
5年ごとの更新業務などもあり、顧問契約を結んでいる行政書士も多くいます。
顧問契約を結べばコンスタントに仕事が得られるのでメリットが大きいです。
開発許可関係の業務
建設物や特定工作物を建設する際に欠かすことができないのが開発許可です。
開発をする者は原則行政の許可を受ける必要があります。
開発許可には様々な書類の申請が必要で、それらの申請を行政書士が代わりに行います。
風俗営業関係の業務
風俗営業をする際には営業許可が必要です。
その営業許可では図面作成や出店可能かどうかの周辺調査なども必要になります。
書類の作成は複雑なためこの業務を行政書士が代わりに行います。
一度信頼関係が結ばれると関連の風俗営業店などを紹介してもらえるため、多くの業務が舞い込んでくる可能性が高いです。
相続関係の業務
相続関係の業務は遺産の金額に応じた報酬設定ができるため、高収入が得られやすいというメリットがあります。
単発の仕事ですが割の良い仕事のためこの業務を狙っている行政書士は多いです。
活動する土地によって収入が違う
行政書士は国家資格を持っていれば全国どこへ行っても業務ができますが、活動する土地によって収入が違います。
主な都道府県ごとの平均年収は次のようになっています。
都道府県 | 平均年収 |
---|---|
北海道 | 343万円 |
福島県 | 393万円 |
宮城県 | 400万円 |
栃木県 | 350万円 |
群馬県 | 337万円 |
茨城県 | 357万円 |
東京都 | 474万円 |
埼玉県 | 400万円 |
神奈川県 | 385万円 |
千葉県 | 379万円 |
長野県 | 449万円 |
静岡県 | 374万円 |
愛知県 | 384万円 |
岐阜県 | 360万円 |
福井県 | 355万円 |
新潟県 | 322万円 |
京都府 | 419万円 |
兵庫県 | 400万円 |
大阪府 | 399万円 |
和歌山県 | 339万円 |
広島県 | 425万円 |
岡山県 | 424万円 |
福岡県 | 345万円 |
熊本県 | 342万円 |
鹿児島県 | 315万円 |
沖縄県 | 284万円 |
上記の表を見ても分かるように地域によって収入は異なり、都心部の方が高く田舎の方が安いです。
行政書士の収入を上げるには?

行政書士の収入を上げる方法は次の3つです。
- 独立/開業
- 高収入な業務を専業
- ダブルライセンスを取得
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
独立・開業して収入を上げる
雇われ行政書士の場合独立・開業すれば収入は上がります。
ただし開業をすればどんな行政書士でも収入が上がるというわけではなく、開業後1年足らずで廃業してしまう人も多いです。
事務所開業だけで仕事は増えません。雇われ行政書士の時に培った経験・実績・人脈を活用し顧客を獲得できれば徐々に収入を上げていけるでしょう。
高収入な業務を専業にする
行政書士は前述したように業務によって収入が異なります。
そのため高収入な業務を専業にすると収入を上げていけるでしょう。
創業融資支援・帰化許可申請・NPO法人設立認証・遺産分割協議書の作成などは単価が高い業務です。
行政書士の仕事は幅が広いため様々なことを手掛けるのは大変です。
分野を絞って業務を行った方が顧客側も依頼しやすいでしょう。自分が得意な分野を見つけると良いかもしれません。
「この分野では他の行政書士に負けない」というほどその道のスペシャリストになれば信頼度がかなり上がるため、業務も増え高収入が期待できるようになります。
そのため自分が稼げる分野を探しスキルを磨いていきましょう。
ダブルライセンスを取得して収入を上げる
行政書士の資格にプラスして他のライセンスを取得する、いわゆるダブルライセンスを取得して収入を上げることもできます。
例えば行政書士の業務に書類作成がありますが、この業務には行政書士だけではなくほかの資格の業務が関わってくることがあります。
このように行政書士がプラスして他の資格を持っていると仕事の幅が広がり同時に収入アップも期待できるのです。
行政書士と相性の良い資格は以下の3つです。
- 司法書士
- 社会保険労務士
- 宅地建物取引士
これらの資格を持っていれば、1つのクライアントからの仕事を行政書士が受け持つ範囲だけではなく他の範囲の仕事も引き受けられるため、他の行政書士事務所との差別化が図れます。
行政書士の収入まとめ
この記事では行政書士の収入について解説してきました。
行政書士は官公庁向けの書類作成を代行したり書類作成の相談に乗ったりする職業です。
また働き方には「雇われ」「開業」の2つがあります。
事務所に雇われている働き方と事務所を自分で開業している働き方では、収入も異なります。
雇われの場合平均年収は400万円~700万円、中央値は550万円です。あまり収入が高くないと思うかもしれませんが、努力次第で上げることができます。
収入を上げるには「独立・開業」「高収入な業務を専業」「ダブルライセンスを取得」の3つの方法があります。
独立・開業のほか、高収入な業務を専業できるようにその分野のスペシャリストとなれるようにスキルを磨くこと、ダブルライセンスを取得し業務の幅を広げることが収入アップに繋がります。
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