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税理士試験を独学で合格するには?勉強時間とテキスト対策など解説!

更新日:2019-10-15

税理士試験を独学で合格するには?勉強時間とテキスト対策など解説!

税理士は、国家資格の中でも難易度の高い資格として知られています。

税理士資格を取得することで、企業や個人のあらゆるビジネスシーンにおいて活用することができます。

そこで今回は、税理士試験を独立合格するには、「必要となる勉強時間」や「どのようなテキストを選べばいいのか」について解説していきます!

税理士とは

税理士試験の独学合格と勉強時間

税理士とは、企業や個人など納税代理や税務相談・コンサルティングなどを行う税や会計に関する専門家です。

日本は、申告納税制度を採用しているため、納税者の代わりに確定申告や税務調査を行う「税務代理」、確定申告書などの書類作成を行う「税務書類の作成」、そのほか税金に関する相談を受ける「税務相談」など企業や個人をサポートすることが役割です。

このように税理士は、税や会計のプロとして、企業や個人の納税を助けることや企業の経営にアドバイスしたりサポートすることが主な業務となります。

現在、税理士登録を行っている人は、およそ77,300人に及び、企業や個人のコンサルティングサポートを行うことが求められる傾向が強くなってきています。

税理士になるための条件

税理士になるには、税理士国家試験に合格する方法が一般的です。

その税理士試験には、受験資格があり試験を受けるにはいくつかの条件を満たす必要があります。

ここでは、税理士になるための3つ条件を紹介していきます。

税理試験に合格する

税理士試験を合格した後、すぐに税理士資格が得られるわけではありません。

合格後、税理士事務所などで2年以上の実務経験を積むことで税理士資格を得ることができます。

また、税理士試験を受けるには、受験資格の下記条件をいずれか1つ満たす必要があります。

【受験資格】
・大学・短大・専門学校で経済学や法律学を1科目以上履修していること
・大学3年以上で経済学や法律学を1科目以上62単位以上を取得していること
・日商簿記検定1級、または全経簿記検定上級を取得していること
・経理事務の実務経験、または金融機関で資金の貸付・運用に関する業務を2年以上経験していること
・司法試験、公認会計士試験を合格者であること

弁護士・公認会計士の資格を取得する

弁護士・または公認会計士の資格を持っていれば、税理士試験を受けなくても、税理士会に登録するだけで資格を取得することができます。

司法試験や公認会計士試験では、法律や会計に関する知識が問われるため、この2つの資格を取得すれば、同時に税理士になることも可能になります。

税務署で勤務する

税務署に勤務して、23年以上在籍すれば試験を受ける必要はなく、税理士資格を得ることができます。

一定の年数を税務署に勤務すれば、税務に関する知識と実務スキルが取得可能とされているため、独立して開業する方も多いです。

実際、税務署を退職した後に、税務に関するノウハウを活かして税理士として活動する方が多くいます。

独学受験に向いているタイプ

税理士試験の独学合格と勉強時間

独学で税理士を目指す方は、そもそも自分に適性があるのか気になる方も多いでしょう。

独学受験に向いているタイプは、楽観的で自らをコントロールでき計画的に物事を進められる方です。

以下の項目に1つでも当てはまる方は独学に向いています。

【独学に向くタイプ】
・自分に合う効率を常に模索する
・しなければならない事をピックアップできる
・試験日から逆算してスケジュールを立てられる
・目標に向かってポジティブに努力できる

独学受験のメリット

独学のメリットとして、費用が安いことや資格学校に通う時間の短縮などが挙げられます。

税理士試験の独学受験のメリットを下記にまとめました。

【独学受験のメリット】
・費用が安い
・自分のペースで勉強できる
・仕事と勉強を両立できる
・得意・苦手な科目の時間配分を決められる
・周りに流されにくい

独学受験のデメリット

独学受験のデメリットとして、わからない問題や勉強に行き詰ったとき、先生や仲間がいないと孤独になりがちです。

独学受験のデメリットを下記にまとめました。

【独学受験のデメリット】
・わからない問題の対処が難しい
・孤独感を感じる
・読解に時間がかかる
・横のつながりがなく情報が入ってこない
・自分の実力を相対的に把握できない


税理士試験の難易度

税理士試験の各科目の合格率15%前後と難易度が高く、全11種類の中から5科目合格する必要があります。

会計学の2科目は必須ですが、全ての科目に合格する必要はなく、税法科目は9科目の中から3科目を選択して受験することができます。

税法科目のなかでも法人税法または所得税法は必須となり、消費税法と酒税法はどちらか1つ、住民税と事業税はどちらか1つの選択になっています。

税理士試験の難易度は、非常に高いため1科目ずつ根気よくコツコツと勉強することが合格への近道となります。

税理士試験の合格率

税理士試験の合格基準は、5科目それぞれ60%以上の得点を取ることが必要になります。

ただし、5科目を同時に合格する必要はないため、1度合格した科目は有効期限なく合格を保持することができます。

試験自体は、難易度が高いですが、長期的に勉強計画を立てて勉強すれば、十分に合格は可能です。

国税庁が発表した平成30年度の税理士試験のそれぞれ科目の合格率になります。

【合格率】
簿記論 14.8%、財務諸表 13.4%、所得税法 12.3%、法人税法 11.6%、相続税法 11.8%、消費税法 10.6%、酒税法 12.8%、国税徴収税 10.7%、住民税 13.5%、事業税 11.0%、固定資産税 14.9%

税理士試験の勉強時間

税理士試験は、難易度が高い試験となっているため、最低3~5年以上は勉強が必要といわれています。

そのため、初めから数年間で合格することを視野に入れて、勉強計画を立てる人が多いです。

合格するまでの一般的な勉強時間は、3,000~6,000時間といわれており、それぞれ科目別に目安となる勉強時間をまとめました。

【勉強時間】
簿記論 400時間、財務諸表 450時間、所得税法 600時間、法人税法 600時間、相続税法 450時間、消費税法 300時間、酒税法 150時間、国税徴収税 150時間、住民税 200時間、事業税 200時間、固定資産税 250時間

科目選択がポイントになる

独学で受験するときにポイントとなるのが、受験者が多い科目を選ぶことです。

なぜなら、税理士試験は、各科目60%以上の得点目安があるものの相対評価の部分があるからです。

受験者が少ない科目を選ぶとライバルのレベルが高くなり、合格しにくくなります。

そのため、法人税法・所得税法・消費税法は、初学者が多く受験者数が増えるため全体レベルが下がる傾向があります。

法人税法と所得税法の2つを勉強すると、勉強時間が多くなりますが独学勉強する方にはおススメです。

逆に、相続税法は何年もかけてチャレンジしている方が多い科目になるため、独学では避けた方がいい科目でしょう。

税理士試験のテキスト・問題集

税理試験に向けて独学勉強するときに、大切になるテキストや問題集ですが、できるだけ時間をかけずにとっつきやすいものを選ぶことがポイントになります。

そこで、科目別に厳選したテキスト・問題集を紹介していきます。

簿記・財務諸表論のテキスト・問題集

基本となる教材は、初心者にもわかりやすい構成のネットスクール出版の「税理士試験必修教科書 簿記論・財務諸表論I」という教材が独学の方におススメです。

このテキストだけでは不安という声もありますが、この1冊で十分合格ラインを目指すことが可能でしょう。

税理士試験必修教科書 簿記論・財務諸表論I

テキストの詳細はこちら

ただ、初心者や独学者にとって、ネックとなるのが「理論部分」です。

そこで、TAC出版の「税理士 財務諸表論 理論答案の書き方 第4版」をひたすら解いて、答案作成の考え方やどのような解答を求められているのか理解していきましょう。

税理士 財務諸表論 理論答案の書き方 第4版

テキストの詳細はこちら

法人税のテキスト・問題集

法人税法は、所得税法とどちらかを選択しなければいけません。

税理士試験で、最も難しく勉強時間を要する科目の1つですが、攻略すれば合格がぐっと近づくのも事実です。

基礎のテキストとして、重要事項を要約されて重点的に学ぶことができる「税理士試験 法人税法の要点整理」という教材がおススメです。

税理士試験 法人税法の要点整理

テキストの詳細はこちら

法人税の基本をマスターした後に、応用の理論学習をTAC出版の「税理士 34 法人税法 理論マスター」で対策をしましょう。

税理士 34 法人税法 理論マスター

テキストの詳細はこちら

所得税法のテキスト・問題集

所得税法は、深い内容を問われるわけでなく、ミスをなくすことを意識して全体を広く理解するようにしましょう。

基礎の知識を定着させる問題集としてTAC出版の「税理士 15 所得税法 個別計算問題集」という教材がおススメです。

税理士 15 所得税法 個別計算問題集

テキストの詳細はこちら

さらに、知識を深めたい方には「税理士のための所得税重要ポイントハンドブック」がおススメです。

税理士のための所得税重要ポイントハンドブック

テキストの詳細はこちら

消費税のテキスト・問題集

消費税法は、ボリュームが大きくないため比較的取り組みやすく勉強しやすい科目です。

基礎のテキストとして、TAC出版の「税理士 25 消費税法 個別計算問題集」をマスターすれば合格レベルに達することが可能です。

税理士 消費税法 個別計算問題集

テキストの詳細はこちら

さらに、完璧を目指すのであれば、資格の大原出版の「税理士試験受験対策シリーズ 消費税法 総合計算問題集 応用編」で最終調整すれば完璧でしょう。

税理士試験受験対策シリーズ 消費税法 総合計算問題集 応用編

テキストの詳細はこちら

税理士試験を独学合格するために大切なこと

税理士試験は、数ある資格試験のなかでも難易度が高く合格率が低い難関資格です。

そのため、なにより大切にすべきことは長期的にモチベーションを保ち続けることです。

自分に厳しくコントロールできる人でも一度気持ちが崩れれば立ち直ることはなかなか難しいです。

また、合格するまでの期限を明確に決め、息抜きの時間を必ず取るようにしましょう。

自分を信じて前向きに取り組むことが合格への一番の近道となります。

税理士試験を独学合格するには?勉強時間・テキスト対策など|まとめ

いかがでしたでしょうか。

税理士試験を独立合格するには、「必要となる勉強時間」や「どのようなテキストを選べばいいのか」などについて解説させていただきました。

あくまでも独学受験は1つの選択肢であって、途中で軌道修正したとしてもそれはそれで問題ありません。

ただ、独学受験で合格される方は数多くいるのも事実で、人から教わるのではなく、自分で勉強する姿勢や経験というものはたくさんの魅力が詰まっています。

自分に合った取り組み方を見つけ、独学合格を目指して一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。