予備試験合格者は、司法試験でも高い合格率を示しています。2025年の司法試験では、予備試験合格資格による受験者472人のうち428人が合格し、合格率は90.68%でした。
一方、司法試験全体の合格率は41.20%です。数字には大きな違いがありますが、予備試験の合格者は、すでに短答式・論文式・口述試験を通過した人たちです。
「予備試験に合格すれば司法試験も必ず合格できる」「予備試験ルートを選べば誰でも有利になる」という意味ではありません。
この記事では、司法試験全体と予備試験合格資格による受験者の合格率、法科大学院別の結果、予備試験自体の合格実績を、最新の公表資料に基づいて解説します。
出典:法務省作成・文部科学省公開「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
※2026年9月24日時点の公表情報を使用しています。司法試験・予備試験ともに、最終合格率まで確定している最新の結果は2025年分です。2026年分は、公表済みの受験者数・短答式試験の結果と、最終合格発表の予定を分けて掲載しています。
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参考:アガルートアカデミー「2028・2029年合格目標 予備試験最短合格カリキュラム」の公式案内。
司法試験の合格率を見る前に
合格率を比較する際は、何の試験について、誰を対象に計算した割合なのかを確認する必要があります。
この記事では、司法試験の合格率を「その年の最終合格者数÷その年の受験者数×100」で示しています。受験者数には、公式資料の集計に従って途中欠席者も含めています。
予備試験自体の合格率は、短答式試験の受験者数に対する、口述試験まで通過した最終合格者数の割合です。
また、司法試験は「受験者の上位何%を必ず合格させる」という固定割合の試験ではありません。短答式試験で合格に必要な成績を得た上で、論文式の最低ラインや、短答式・論文式を合わせた総合評価の基準を満たす必要があります。
2025年は、論文式の各科目で最低ライン以上の成績を得た人のうち、総合点770点以上の1,581人が合格しました。
合格率は試験結果を集計した割合であり、個人の合格可能性や、翌年の合格基準をそのまま示すものではありません。
出典:法務省「令和7年司法試験の採点結果」、「司法試験の方式・内容等について」
司法試験の受験者数・合格者数・合格率の推移
最終結果が確定している直近5年、2021~2025年の司法試験の受験者数・合格者数・合格率は、次の通りです。
| 実施年 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 3,837人 | 1,581人 | 41.20% |
| 2024年 | 3,779人 | 1,592人 | 42.13% |
| 2023年 | 3,928人 | 1,781人 | 45.34% |
| 2022年 | 3,082人 | 1,403人 | 45.52% |
| 2021年 | 3,424人 | 1,421人 | 41.50% |
※合格率は受験者数を分母とし、小数第3位を四捨五入して小数第2位まで表示しています。
出典:文部科学省「司法試験の結果について(平成23年~令和5年)」、「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等」、「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
合格率は毎年上昇しているわけではない
2021~2025年の合格率は、41.20~45.52%の範囲で推移しています。
2022年の45.52%から、2023年は45.34%、2024年は42.13%、2025年は41.20%となっており、直近の結果を「合格率が年々上昇している」と説明することはできません。
受験者数も、2022年から2023年に増え、2024年に減った後、2025年には再び増えています。毎年一方向に減少しているわけではありません。
合格率の変化を見る際は、受験者数と合格者数の両方を確認しましょう。
2023年以降は在学中受験資格の導入にも注意
2023年の司法試験から、法科大学院在学中でも、所定の単位修得や修了見込みなどの要件を満たし、学長の認定を受けた人が受験できるようになりました。
2023年には、この在学中受験資格による受験者が1,070人含まれています。2025年は1,352人でした。
このように制度の変更によって受験者の構成も変わるため、異なる年の合格率を比較する際は、受験資格ごとの人数も確認することが大切です。
合格率の上昇・低下だけで、問題が簡単になった、難しくなったと判断することはできません。
出典:法務省「在学中受験資格に関するQ&A」、文部科学省「司法試験予備試験合格者等に関するデータ一覧」、「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
2026年の最新公表データは短答式まで
2026年9月24日時点で、2026年司法試験の最終合格者は発表されていません。
公表済みの受験状況と短答式試験の結果は、次の通りです。
| 項目 | 2026年の公表内容 |
|---|---|
| 司法試験の受験者数 | 3,871人 |
| 短答式で合格に必要な成績を得た者 | 3,068人 |
| 受験者数に対する短答式通過者の割合 | 79.26% |
| 最終合格発表 | 2026年11月11日予定 |
| 最終合格率 | 未確定 |
予備試験合格資格による2026年司法試験の受験者は476人で、このうち短答式で合格に必要な成績を得た人は470人です。
割合は98.74%ですが、これは短答式の通過率であり、司法試験の最終合格率ではありません。
出典:法務省「令和8年司法試験受験状況」、「令和8年司法試験(短答式試験)の結果」、「令和8年司法試験実施予定表」
予備試験合格者の司法試験合格率は高い?
予備試験合格資格で司法試験を受験した人の合格率は、直近5年では90%台で推移しています。
ただし、ここでいう「予備試験合格者」は、その年の司法試験を予備試験合格資格で受験した人という区分です。その年に予備試験に合格した人全員を指しているわけではありません。
予備試験合格資格による司法試験合格率の推移
2021~2025年の結果は、次の通りです。
| 司法試験の実施年 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 472人 | 428人 | 90.68% |
| 2024年 | 475人 | 441人 | 92.84% |
| 2023年 | 353人 | 327人 | 92.63% |
| 2022年 | 405人 | 395人 | 97.53% |
| 2021年 | 400人 | 374人 | 93.50% |
出典:文部科学省「司法試験予備試験合格者等に関するデータ一覧」、「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
2025年も90%を超えていますが、472人全員が合格したわけではなく、最終合格に至らなかった受験者も44人います。
高い合格率は確認できますが、「予備試験合格=司法試験合格」とは言い切れません。予備試験合格後も、司法試験の出題形式や選択科目に合わせた対策が必要です。
2025年の受験資格別の結果を比較
2025年司法試験を受験資格別に分けると、次のようになります。
| 受験資格 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 予備試験合格資格 | 472人 | 428人 | 90.68% |
| 法科大学院在学中受験資格 | 1,352人 | 712人 | 52.66% |
| 法科大学院課程修了資格 | 2,013人 | 441人 | 21.91% |
| 全体 | 3,837人 | 1,581人 | 41.20% |
法科大学院在学中受験資格と課程修了資格を合わせると、受験者は3,365人、合格者は1,153人、合格率は34.26%です。
合格率では予備試験合格資格の区分が高い一方、合格者数は法科大学院の二つの受験資格による合計の方が多くなっています。
出典:法務省作成・文部科学省公開「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」
合格率だけで学習ルートの優劣を決めない
予備試験合格資格による司法試験受験者の合格率は、予備試験を突破した人を対象に計算されています。
予備試験の学習を始めた人全体の合格率ではないため、この数字をそのまま「予備試験ルートを選んだ人の約9割が司法試験に合格する」と読み替えることはできません。
また、予備試験合格資格による司法試験合格者には、法科大学院の在学者・修了者も含まれています。2025年の最終学歴別資料でも、このことが確認できます。
受験資格による分類と、実際にどこで学んだかという分類は同じではありません。
進路を考える際は、合格率に加え、受験資格を得るまでの学習、必要な費用、指導を受けられる環境、仕事や生活との両立も比較しましょう。
参考:法務省作成・文部科学省公開「令和7年司法試験最終学歴(出願時)別合格者一覧(予備合格者)」
司法試験の難易度を考える際のポイント
司法試験の合格率を見るだけでは、受験に必要な準備の全体像は分かりません。
受験資格を取得する方法と、現在の自分に必要な学習を分けて確認しましょう。
必要な勉強時間は一律ではない
司法試験に向けて必要となる学習時間は、学習開始時点の知識、法科大学院での学習経験、確保できる時間、答案作成力などによって異なります。
「何時間勉強すれば合格する」と一律に決めるのではなく、過去問や答案演習を通じて、自分に不足している知識や解答上の課題を把握することが大切です。
平日・休日に継続して確保できる時間を整理し、講義の受講だけでなく、復習や答案作成、見直しの時間も計画に含めましょう。
受験資格の取得には複数の方法がある
司法試験を受験する主なルートには、法科大学院ルートと予備試験ルートがあります。
法科大学院ルートでは、課程の修了による受験資格に加え、一定の要件を満たした在学中の受験も認められています。予備試験ルートでは、短答式・論文式・口述試験を通過し、最終合格する必要があります。
予備試験には学歴や年齢による受験資格の制限はありませんが、その後の司法試験とは別の試験です。
自分がどのように受験資格を取得するかを確認し、受験資格取得までと、司法試験合格までを分けて準備しましょう。
参考:法務省「在学中受験資格に関するQ&A」、「司法試験予備試験に関するQ&A」
司法試験の法科大学院別合格率ランキング
法科大学院別の結果について、最終合格率が高い順に、2025年・2024年・2023年の上位10校を紹介します。
以下の表は、各校の法科大学院課程修了資格と在学中受験資格を合わせた結果です。予備試験合格資格による受験者は、学校別ランキングには含めていません。
合格率は、その年の受験者数に対する最終合格者数の割合です。入学者全員の合格率や、卒業後数年間を通じた累計合格率ではありません。
受験者数が少ない学校では、合格者1人の増減で合格率が大きく変わるため、人数と割合を合わせて確認してください。
【2025年】司法試験の法科大学院別合格率ランキング
| 順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 京都大学 | 219人 | 128人 | 58.45% |
| 2 | 愛知大学 | 9人 | 5人 | 55.56% |
| 3 | 慶應義塾大学 | 236人 | 118人 | 50.00% |
| 3 | 東京大学 | 232人 | 116人 | 50.00% |
| 5 | 一橋大学 | 128人 | 61人 | 47.66% |
| 6 | 早稲田大学 | 325人 | 150人 | 46.15% |
| 7 | 東北大学 | 113人 | 49人 | 43.36% |
| 8 | 神戸大学 | 136人 | 56人 | 41.18% |
| 9 | 中央大学 | 190人 | 77人 | 40.53% |
| 10 | 関西学院大学 | 48人 | 17人 | 35.42% |
※同率は同順位とし、その次の順位を繰り下げています。
2025年は、合格率では京都大学が58.45%で最も高く、合格者数では早稲田大学が150人で最多でした。
このように、合格率の順位と合格者数の順位は異なります。進学先を比較する際には、在学中受験者と修了者の内訳なども確認しましょう。
出典:法務省作成・文部科学省公開「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」。公表値に基づき、合格率順に整理。
【2024年】司法試験の法科大学院別合格率ランキング
| 順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 慶應義塾大学 | 246人 | 146人 | 59.35% |
| 2 | 愛知大学 | 9人 | 5人 | 55.56% |
| 3 | 京都大学 | 217人 | 107人 | 49.31% |
| 4 | 一橋大学 | 123人 | 60人 | 48.78% |
| 5 | 東京大学 | 255人 | 121人 | 47.45% |
| 6 | 中央大学 | 181人 | 83人 | 45.86% |
| 7 | 早稲田大学 | 330人 | 139人 | 42.12% |
| 8 | 大阪大学 | 177人 | 72人 | 40.68% |
| 9 | 神戸大学 | 136人 | 51人 | 37.50% |
| 10 | 同志社大学 | 111人 | 41人 | 36.94% |
2024年は、慶應義塾大学の合格率が59.35%でした。同年の予備試験合格資格による受験者の合格率は92.84%ですが、学校別の結果とは集計対象が異なります。
出典:法務省作成・文部科学省公開「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等(合格率順)」
【2023年】司法試験の法科大学院別合格率ランキング
| 順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 京都大学 | 275人 | 188人 | 68.36% |
| 2 | 一橋大学 | 180人 | 121人 | 67.22% |
| 3 | 慶應義塾大学 | 310人 | 186人 | 60.00% |
| 4 | 東京大学 | 315人 | 186人 | 59.05% |
| 5 | 神戸大学 | 146人 | 71人 | 48.63% |
| 6 | 名古屋大学 | 89人 | 42人 | 47.19% |
| 7 | 早稲田大学 | 389人 | 174人 | 44.73% |
| 8 | 大阪大学 | 182人 | 78人 | 42.86% |
| 9 | 中央大学 | 229人 | 90人 | 39.30% |
| 10 | 北海道大学 | 74人 | 28人 | 37.84% |
2023年は、法科大学院在学中の受験が始まった年です。在学中受験者を含む結果であることを踏まえ、2022年以前との比較では受験者の構成にも注意しましょう。
出典:法務省作成・文部科学省公開「令和5年司法試験法科大学院等別合格者数等(合格率順)」
予備試験自体の合格率・合格者数は?
予備試験合格者の司法試験合格率が高いことと、予備試験に合格しやすいことは別です。
ここでは、司法試験の受験資格を得るための予備試験自体の結果を確認します。
予備試験の受験者数・最終合格者数の推移
2021~2025年の予備試験の結果は、次の通りです。
| 予備試験の年 | 短答式受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 12,432人 | 452人 | 3.64% |
| 2024年 | 12,569人 | 449人 | 3.57% |
| 2023年 | 13,372人 | 479人 | 3.58% |
| 2022年 | 13,004人 | 472人 | 3.63% |
| 2021年 | 11,717人 | 467人 | 3.99% |
※最終合格率は、口述試験まで通過した最終合格者数を、その年の短答式受験者数で割って算出しています。口述試験の受験者だけを分母にした合格率とは異なります。
出典:文部科学省「司法試験予備試験合格者等に関するデータ一覧」、法務省「令和7年司法試験予備試験・参考情報」
2025年の予備試験は、短答式受験者12,432人に対し、最終合格者は452人でした。最終合格発表は2026年2月5日に行われています。
したがって、2025年予備試験の合格者452人と、2025年司法試験で予備試験合格資格により受験した472人は、同じ集団ではありません。
予備試験の結果と司法試験の結果を比較する場合は、試験名と実施年、受験資格の区分をそろえて確認する必要があります。
2026年予備試験の最新公表状況
2026年の予備試験では、短答式試験の結果が公表されています。
| 項目 | 2026年の公表内容 |
|---|---|
| 短答式試験の受験者数 | 12,453人 |
| 短答式試験の合格者数 | 2,668人 |
| 短答式試験の合格率 | 21.42% |
| 論文式試験の合格発表 | 2026年12月17日予定 |
| 口述試験 | 2027年1月23日・24日予定 |
| 最終合格発表 | 2027年2月4日予定 |
| 最終合格率 | 未確定 |
※短答式試験の合格率は、短答式合格者数2,668人÷短答式受験者数12,453人×100で算出しています。
2026年の21.42%は短答式だけの合格率です。2025年の最終合格率3.64%と、そのまま同じ指標として比較しないようにしてください。
出典:法務省「令和8年司法試験予備試験短答式試験の結果」、「令和8年司法試験予備試験の実施日程等について」
予備試験合格後も司法試験対策を続ける
予備試験合格資格による司法試験の合格率は高いものの、司法試験では、その出題形式や問題量に合わせた準備が必要です。
合格率の数字だけで安心せず、司法試験の過去問に取り組み、選択科目も含めて答案を作成・見直しする学習を続けましょう。
予備試験で身につけた知識を、司法試験の事例分析や論述に活かせるようにすることが大切です。
予備試験合格者の職業は?
予備試験には学歴や年齢による受験資格の制限がなく、学生だけでなく、会社員や公務員なども受験しています。
2025年予備試験の最終合格者452人について、出願時の職種別内訳を確認すると、次のようになります。
| 出願時の職種 | 最終合格者数 |
|---|---|
| 大学生 | 264人 |
| 会社員 | 59人 |
| 無職 | 55人 |
| 公務員 | 36人 |
| 法科大学院生 | 10人 |
| その他 | 10人 |
| 自営業 | 7人 |
| 教職員 | 4人 |
| 法律事務所事務員 | 4人 |
| 法科大学院以外の大学院生 | 2人 |
| 塾教師 | 1人 |
| 合計 | 452人 |
※法務省の「職種別」集計に基づき、人数の多い順に整理しています。出願者の自己申告による出願時点の情報であり、合格発表時点の職業や「最終学歴別」の区分とは異なります。
2025年は大学生が264人で最も多く、次いで会社員59人、無職55人、公務員36人となっています。
会社員や公務員などの合格者もいますが、この人数だけで、仕事と学習の両立が容易であるとは判断できません。自分が確保できる学習時間や、必要な指導、生活費なども踏まえて計画を立てましょう。
なお、この表は予備試験に合格した人の職種です。「予備試験合格資格で司法試験に合格した人の職種」を集計したものではありません。
予備試験合格者の司法試験合格率|まとめ
2025年司法試験では、予備試験合格資格による受験者472人のうち428人が合格し、合格率は90.68%でした。司法試験全体の41.20%と比べて、高い割合を示しています。
一方、予備試験自体の2025年の最終合格率は、短答式受験者数を分母にすると3.64%です。予備試験の学習を始めた人全体と、予備試験を突破して司法試験を受けた人は、分けて考える必要があります。
2026年については、司法試験・予備試験ともに最終合格率はまだ確定していません。公表済みの短答式結果と、最終合格の結果を混同しないようにしましょう。
合格率を参考にする際は、試験名、対象年、分母となる受験者、受験資格の区分を確認することが大切です。
予備試験ルートと法科大学院ルートを比較する際も、合格率だけでなく、必要な学習、費用、指導を受けられる環境、仕事や生活との両立まで含めて検討してください。












