掲載依頼・お問い合わせ/リンク集          

[PR]

弁理士は独立開業できる?開業費用や年収と失敗してしまう原因を調査

更新日:2024-03-05

弁理士は独立開業できる?開業費用や年収と失敗してしまう原因を調査

弁理士の資格を取得したあとは特許事務所や一般企業の知財部門に勤めるといった働き方がありますが、独立開業を目指せる士業でもあります。

弁理士は難関資格だけあって専門性が高いので、将来は自分の事務所を開業したいといった方もいると思います。

この記事では弁理士は独立開業することができるのか、独立する場合は費用や想定年収、失敗する原因などについて解説していきます。

弁理士の独立開業は可能?成功できる?

将来自分の事務所を開業したくて弁理士の資格を取得したけど、実際に独立できるのかイメージが湧かないという方も多いと思います。

弁理士は実際に独立開業が可能なのか、また独立した後に成功できるのかについて解説していきます。

弁理士は独立可能なのか

弁理士が独立可能か否かという疑問に対して結論としては「独立可能だが簡単ではない」です。

日本弁理士会の会員のうち、特許事務所を経営している方の割合は2022年時点で約2割です。

決して割合は多くはないですが、弁理士として特許事務所や企業に勤めるだけではなく独立を実現されている方もいることが分かります。

弁理士は、数ある士業の中でも司法書士や税理士などと並んで独立開業を目指しやすい職業となっています。

失敗する可能性も高い

弁理士の独立開業が可能とはいえ、しかし独立するとなるとまずはクライアント獲得のために営業をかけたり、事務所を借りたりと様々な準備が必要となります。

営業力や経営力が必要となるため、弁理士の専門知識だけでは独立を成功させるのは難しいです。

特に独立して間もないころはクライアントがいない状態なので、しばらくは収入がなくても生活していけるだけの蓄えも必要となってきます。

資金の準備・営業などをしっかりと行えば成功する可能性は十分にありますが、失敗して廃業する方が多いのが現状です。

弁理士の独立開業はどれくらいの費用が必要?

弁理士として独立開業するには事務所を設立したり、備品を揃えたりとお金をかける必要があります。

目安としてどのくらいの費用が必要となるのかあらかじめ把握して、独立した後に資金が枯渇することがないように注意しましょう。

弁理士の独立開業に必要な費用

弁理士の開業には200万円〜300万円ほどの費用が必要となります。

事務所の家賃の支払い、印刷機・名刺など一通り揃え、しばらく安定した収入がない中でも生活していくことを考えれば最低でも200万円以上は準備しておきたいところです。

独立開業を考えている方は、会社や特許事務所に勤めている間にしっかりと資金を蓄えて準備しておきましょう。

弁理士の開業に必要な費用の内訳

弁理士の開業に最低限必要な費用の詳細は下記の通りです。

日本弁理士会会費 月額 15,000円
事務所賃料 月額 数万円〜数十万円
プリンター 数万円〜1,000,000万円以上

大きな費用は上記の通りですが、このほかに印鑑代や名刺代・光熱費などもかかることを頭に入れておきましょう。

弁理士の資格を維持するには日本弁理士会に月額15,000円を払い続ける必要があり、年間で18万円のお金が必要になることを覚えておく必要があります。

事務仕事なのでハード面では比較的初期投資は少ないですが、安定して収入が得られるようになるまでは資金には余裕を持っておきましょう。

弁理士の独立開業費用を節約する方法はある?

独立開業後は安定した収入を得られない可能性もあるので、できる限り初期費用は抑えたいところだと思います。

開業費用をできる限り抑えるにはどうすれば良いか解説していきます。

弁理士の独立開業費用を節約する方法

自宅開業する

独立費用で特に大きな割合を占めるのが事務所の賃料です。

都会のオフィスでは月に数十万かかることもあり、収入が安定するまでは賃料が大きな負担になってしまいます。

そのため、自宅を事務所として開業する方法がおすすめです。

賃料がかからず、事務所までの通勤時間・交通費も削減することができ、大きな節約効果があります。

デメリットとしては自宅だと事務所らしくないため、クライアントが訪問しづらいことが挙げられます。

事務所の入り口と生活スペースの入り口を分けるなど工夫が必要になるかもしれません。

他にも自宅が仕事場だとメリハリがつかず、仕事に身が入らないという方もいるかもしれませんので、自分に合ったスタイルで開業するようにしましょう。

備品は中古品を購入する

業務用のプリンターなど備品類を新品で購入すると想定以上の出費になることもしばしばあります。

収入が安定するまでは備品を中古品で揃え、初期費用をなるべく抑えるという方法があります。

仕事が軌道に乗り、安定した収入が入ってから新しい備品に買い換えた方がリスクが低いです。

SNSを活用して営業する

独立開業後、宣伝費にお金をかけようと考えている方もいるかと思います。

広告などを出すことで知名度を上げ、初期の集客を成功させることも戦略の一つです。

しかし広告を出すには費用がかかるため、開業当初の資金を考えると辛いところだと思います。

費用をかけずに営業・宣伝するにはSNSを活用する方法があります。

弁理士としてSNSで発信し、自分の事務所の認知度を上げることによって大きな宣伝効果になります。

決して簡単な方法ではありませんが、うまくいけば宣伝費を一切かけずに営業することができます。

独立開業した弁理士の年収は?

弁理士は高い専門性を有することから、一般の会社員と比べて平均年収が高い傾向にあります。

では独立開業した弁理士の年収は勤務弁理士と比べてどのくらい差があるのでしょうか?独立後に想定される年収について解説していきます。

独立した弁理士と勤務弁理士の年収比較

現在、弁理士全体の平均年収は971.4万円となっています。

職業情報提供サイト jobtag
独立した弁理士と勤務弁理士との年収にどのくらい違いがあるのか目安として表にまとめてみました。

特許事務所勤務 700万円〜1,000万円
民間企業勤務 500万円〜700万円
独立弁理士 2,000万円〜3,000万円

民間企業では会社の規模や業績によって年収の差がありますが、他の職種と比べると年収は高くなる傾向にあります。

特許事務所に勤務する弁理士の平均年収は700万円ほどと言われていますので、独立すると1,000万円以上は稼げると言われています。

特に特許出願は報酬の目安が1件当たり25万円〜30万円と高額で、特許出願業務の多い事務所ほど収入は大きくなる傾向にあります。

そうした高額案件はクライアントの獲得競争も激しくなるため、受けるには高いスキルと営業力が必要となります。

大きく稼ぐにはハードルがありますが、事務所を軌道に乗せれば年収2,000万円、3,000万円と勤務弁理士では到達が難しい年収を得られる可能性があります。

他の開業士業との年収比較

開業弁理士は他の開業士業と比べて年収にどのくらい差があるのか表にまとめました。

司法書士 約400万円~600万円
税理士 約2,500万円〜3000万円
弁理士 約2,000万円〜3,000万円

開業司法書士に比べると開業弁理士の年収の方が非常に高くなっており、税理士とは同等くらいの年収です。

弁理士は専門性が高いことから案件によっては単価が高額で、年収が高くなりやすい傾向にあります。

開業弁理士が年収を上げるにはどうすればよいか

開業弁理士が事務所を軌道に乗せ、年収を上げていくために高単価の案件を多くこなしていく必要があります。

そのためには海外への特許出願に対応できるように英語力を付ける、スタッフをマネジメントして業務のレベルを上げるといったことが求められます。

国内の案件だけ対応していてはこの先、人口減少に伴い市場が縮小していき他の特許事務所に仕事を取られてしまう可能性があります。

海外の特許案件といった高単価の仕事を獲得していくことで売上を伸ばし、年収アップに繋がることが期待できます。

また事務所の規模が大きくなると自分一人の力では仕事をこなせなくなるので、スタッフを雇いマネジメントしていく必要があります。

スタッフのレベルを上げることでより高度な案件に対応できるようになるため、売上の増加と年収アップに繋がります。

弁理士の独立開業で失敗してしまう原因は?

弁理士の独立開業で失敗してしまう原因

弁理士として独立したあとに事務所を軌道に乗せるのは簡単ではありません。

開業弁理士が経営に失敗して廃業してしまう原因を学び、自分の事務所を立ち上げる際の参考にしましょう。

営業力不足

弁理士として豊富な経験を持ち、高い専門性を持つ方でも営業力がなければ仕事を獲得することはできません。

勤務弁理士のときは、自分で仕事を取ってくるという経験をしたことがないという方も多いと思います。

市場が何を求めているのか分析し、自分の強みを顧客にアピールして案件を獲得していきましょう。

数ある特許事務所の中で自分の事務所ならではの強みを活かし、差別化をしていくことが生き残るために必要となります。

人脈が乏しい

独立して間もないころは自分の事務所とクライアントとのつながりが全くない状態なので、勤務弁理士として働いていたころの人脈を活用して仕事を取る必要があります。

勤務弁理士時代にクライアントとの人脈をしっかりと構築してこなかった方は案件獲得に苦戦し、廃業に追い込まれてしまう可能性があります。

しかし今の時代はSNSなどネット上で様々な方と繋がることができるので、今から人脈を広げて仕事をもらえるように関係を築いていきましょう。

努力不足

弁理士という職業は国家資格であり、専門性の高いスキルであることから民間企業や特許事務所からの需要は非常に高いです。

そのため、いざとなれば勤務弁理士に戻り、安定した収入を得られることから独立後に必死さが足りず努力不足により廃業する可能性があります。

独立して自分の力で稼いでいくには最初のうちは休日返上で努力していく姿勢も重要になります。

独立すれば簡単に稼げるようになるといった甘い想定は避ける方が無難でしょう。

弁理士は独立開業できる?まとめ

この記事では弁理士は独立開業することができるのかについて解説していきました。

今回の記事の内容をまとめると下記の通りとなります。

  • 弁理士は独立して成功することが可能だが、失敗して廃業している方も多くいる
  • 開業費用は約200万円〜300万円ほど必要となる
  • 自宅開業する、備品を中古品で揃えるなどの方法で開業費用を抑えることができる
  • 開業弁理士の年収は成功すれば2,000~3,000万円と高収入が期待できる
  • 成功のためには営業力や人脈、相当の努力が必要

決して簡単ではない弁理士の独立開業ですが、成功すれば大きな収入が期待できます。

弁理士という難関資格を取得された方は目標に向かってしっかりと努力できる方だと思います。

独立開業を目指される方は是非この記事を参考にして、目標に向かって頑張ってください。