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裁判官に求められる能力とは?判断力が無ければ裁判官は務まらない?

更新日:2024-02-19

裁判官に求められる能力とは?判断力が無ければ裁判官は務まらない?

裁判官と言う仕事は裁判だけでは無いので、色んな事柄に対する能力が必要になります。

日本国憲法第76条にある通り「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」のですが、その職権を行う事に判断力が関係してきます。

常に公平中立で1件1件の裁判や罪に向き合う事が求められる裁判官の能力は、判断力以外にどんなものがあるのかを解説していきます。


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裁判官に求められる必須能力

裁判官と言う仕事は膨大な法律に基づき、幅広い内容の事件に対して当てはまる法律の意味を解釈し、有罪か無罪かの判断をしていきます。

時代に応じて変わり増えていく法律を学び続ける必要があり、最新情報を把握している事も大切になるので情報収集や勉強が続いていくのです。

能力とは、物事を成し遂げる力や自身が経験した事から形成された後天的な力の事を言います。

裁判官という仕事をする上で必須になる能力には以下のようなものがあります。

状況や事案に対する的確な判断力

たくさんの座学の中で憲法や法律の解釈や判決までの流れを学ぶのですが、実際に現場に入れば学んだことだけでは答えを出す事が出来ないものが出てきます。

担当の事件に相当する、これまでにあった資料や証拠から一つの解決策を見抜くことはかなり困難な事で、先輩裁判官と共に同じ事件を担当しながら判断力を身につけていくのです。

判断力を身につける為にも様々な能力や技術が要素になっていきます。

憲法や法律を解釈する読解力・分析力

判断力を身につける上で、起訴状や資料の内容を読み解く「読解力」憲法や法律をどう解釈するのかの「分析力」が必要になります。

この2つの能力があるからこそ裁判官に任官されたのですが、ここで胡坐をかかずに能力を伸ばす努力をしましょう。

そうすれば判断力も後述するマルチタスク能力も上がり、裁判官としてもレベルアップしていきます。

当事者や周囲に対するコミュニケーション能力

原告・被告(被告人)、証人や代理人、弁護士・検察官はもちろん書記官や事務官等、裁判官が仕事として関わる人達とのコミュニケーション能力で、資料や証拠以外に判決に有益な情報を入手する事も出来ます。

コミュニケーション能力の中には人の話を聴く傾聴力や質問力、理解力等があり、そのすべてをひっくるめてコミュニケーション能力と言い、日常でも必要ですが法廷では一際必要とされる能力なのです。

裁判官は3年ごとに転勤があり新たな土地で生活していくので、コミュニケーション能力を高めていく必要があると言えます。

当事者のこれまでの人生についての想像力

間違って法律に触れてしまった人、どうしようもなくて罪を犯した人等、裁判所には様々な理由で被告・被告人として裁判を受ける人がいます。

そういった方は幼少期から貧しかったり虐待されていたり、悲しい思いをしてきたことが多いと言われています。

裁判官には幼いころから恵まれた家庭に育ち、成績も優秀でまっすぐ育ってきた方が多いとも言われているので、正反対ともいえる人生を送ってきた方同士が裁き裁かれるのです。

裁判官には経験していなくても罪を犯した彼らの人生を想像し、バックグラウンドとして罪を判断する事が求められるのです。

裁判をスムーズに進行させるリーダーシップ能力

法廷において裁判官は証人が出廷する時刻の管理や弁護士と検察官の水掛け論に対しストップをかける事、進行をスムーズに行う役目も持ち合わせています。

事件の解決という一つの目標に向かっていくために、進行役として意見を聞き、出た意見をまとめ、整理して結果を判決として下すよう務めていく必要があるのです。

そしてリーダーシップ能力には責任感が伴います。裁判官の特性ともいえる「最終責任を取る」判決を下す事に繋がるので、裁判官の能力として必要な能力だと言えるでしょう。

人間力を高く持つことが必要

能力の中には定義がとても曖昧な「人間力」というものがあります。突出した何かを持つのではなく、その人自身が他の人と何か違うと感じさせるようなものです。

その「何か」とは何なのか、感じ方は人により違いますが、「度胸・包容力・自律心」の3つが秀でていて、頭脳的ではない心理的な知性の高さを感じさせてくれる人だと定義されると言われています。

歴史上の人物や企業経営者、有名アスリートにも思い浮かべられるような方がいると思いませんか?

能力と人間力とは

高い能力を持っていても人間力が低い方が世の中にはたくさんいます。法律に触れる事をしてしまう官僚や公務員、利益にこだわるばかりに従業員に厳しすぎる経営者、愚痴や悪口しか話題が無い…あなたの周りにもいるかもしれません。

能力があるからこそ出世したり、地位のある職に就くことが出来たのに、なんだか惜しいと思わざるを得ないのですが、人間力が無いばかりに周囲から支持されることも無く滞ってしまうのです。

能力があるだけでは自身の能力に胡坐をかいてしまう事もあるので、裁判官として人間力を高めて法律と良心に沿った判断が出来るようにならなくてはいけません。

人間力の磨き方

人間力は誰でも努力して磨く事の出来る能力の一つです。

度胸も包容力も自律心も元々の素質より後天的に身につく能力ですので、積極的に人間力を鍛えるように自身の行動や言動をする事が有効です。

高く幅広い知識を身につける為に本を読む事、外部の人とコミュニケーションを取り思いやる心を育てる事、自身を律する為に瞑想やヨガをして自分を見つめなおす事、人間力が高いと感じた人を見本にし吸収する事でも人間力は磨いていけます。

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裁判官に求められる能力を磨く

裁判官に求められる能力とは? 能力を磨くには

より良い法曹になる為に能力を磨こうと前向きに志したなら、その能力を磨く方法を間違えないようにしましょう。

ただ思っているだけ、関連する本を読んだだけでは能力が身につく事はありません。学習する事を習慣にする事と気付く力を強化する事が大切です。

裁判官にとって最も大切な判断力・コミュニケーション能力・リーダーシップ能力を磨くコツをご紹介します。

判断力を磨く

判断力を磨くには、ちょっとした事柄に対して一瞬で判断していくことが大切です。簡単な事で言えばお昼ごはんに何を食べるか、乗る電車を5分後にするのか7分後にするのか等でいいんです。

二択が慣れてきたら、情報を増やして選択肢を増やして即時判断する癖をつけます。情報を増やす為には周囲に情報を欲している事を広め、自分でも行動範囲を広げていく事が大切です。

そしてネガティブな意見に対して正反対の事をしたり、現状維持と真逆の事を選択するようにしたり、推測している事を実行に移して経験する事で判断力が鍛えられていきます。

コミュニケーション能力を磨く

ビジネスでもプライベートでも役立つコミュニケーション能力を磨くには良い印象を与える事と会話力を鍛える事が大切です。

挨拶は必ず笑顔で行う、はきはきとした受け答えが出来る、相手の話を聴ける、話の内容と結論をはっきりさせる等がありますが、重視するのは相手を思いやった言動・行動を取る事と相手との会話のバランスがとれている事・マナーを守る事です。

相手を思いやるという事は周囲に気遣いが出来ているという事であり、お互いが同じだけ会話が出来ていれば会話のキャッチボールが出来ていると言う事ですし、TPOに応じたマナーが出来ていれば好印象を抱かれやすいのです。

リーダーシップ能力を磨く

リーダーシップ能力を磨くには、自分の仕事に対する完成度を高める事と弁護士や検察官、書記官と言った周囲の仕事をしている方々とのコミュニケーションが大切です。

自分の仕事に有無を言わせず、あなたが裁判官を務める法廷で先輩裁判官や弁護士・検察官に「気が抜けない」と思わせる力や、周囲の人が困っていたら気遣いが出来る事等、役職で決まらないリーダーとしての素質を育てていきましょう。

その為には周囲の声をしっかり聴く癖をつけ、事実を捉えて正しく認識する事・法廷や自分の置かれている裁判所という組織の目標とするところへの方向性を正し、突き進む力を持つ事・突き進む中で見落としている所が無いか、自分の良い癖・悪い癖を認識し見直す事を常に意識しながら生活する癖をつけていくことでリーダーシップ能力を磨く事が出来ます。

裁判官に求められるのは判断力?必要な能力には何がある?まとめ

裁判官には様々な能力が必要で、その能力を最大限引き出せるように努力する事が大切です。

断罪する為には憲法や法律を曲解せずに解釈する読解力や、公平適正に有罪無罪を判断する判断力、当事者や周囲に対するコミュニケーション能力、法廷をスムーズに進めるリーダーシップ能力など、たくさんの能力が必要とされますが、どの能力もこれから身につけていけるものです。

孔子やヨハネ福音書にあるように、罪を憎んで人を憎まずの精神を持ち、正しく事件を解決出来る裁判官であることが大切だと言えるでしょう。