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裁判官に求められる人物像とは?向いている人や性格や適性を解説!

更新日:2024-02-26

裁判官に求められる人物像とは?向いている人や性格や適性を解説!

裁判官は被告(被告人)と被害者のどちらの味方もしないよう、憲法と法律、そして自身の良心に従って事件に向き合い判決を下して問題を解決します。

几帳面で真面目、成績優秀なイメージの強い裁判官ですが、それだけでは務まらない仕事でもあります。

そんな裁判官になる為に求められる人物像や向いている人、性格や適性とはどういったものがあるのかをご紹介していきます。


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裁判官として求められる人物像

首相官邸のホームページに裁判官に求められる資質や能力について検討会を行った際に作られた文書があり、国民が求める裁判官の人物像について現裁判官・元裁判官や検察官、大学教授や大手企業の役員たちの意見を議事録として公開しています。

下記に資料の冒頭に書かれた、議事録のまとめを引用させていただいたので、ご覧いただければと思います。納得させてもらえる会議が行われていたのだと感じられるでしょう。

国民が信頼して裁判を行ってもらえる裁判官として求められる人物像とは、一体どんなものかを例として3つ挙げさせていただきました。

人間的な温かさを持っている

民事でも刑事でも大切な事は、なぜ罪を犯す事になったのかを正しく判断する事が裁判官に求められる人物像の一つです。

もちろん憲法や法律に沿って判決を下していかないといけないのですが、情状酌量の余地の有無を人間として判断する事も裁判官として必要になります。

人の心に寄り添い、時に厳しく時に優しく判決を下して行く事が求められる裁判官としての人物像なのです。

公正な立場で物事を適正に判断できる

事件の当事者や代理人・証人はもちろん弁護人や検察官の供述や主張を聴き、公平に適正な判断をし判決を下す事が裁判官に求められる人物像です。

当事者の将来・人生を左右する判断に迫られる事もある裁判官ですから、その判決の責任は重く冷静でなければなりません。

先入観を持たず事実の認識を行い、事案に応じた正しい法の解釈が出来る事が裁判官に求められる人物像であると言えます。

法律家として識見や能力が高い

裁判官として求められる人物像としては法律家としての高い識見や能力を持っている事です。必須条件と言っても過言では無いでしょう。

憲法や法律をそれぞれの裁判ごとに正しく解釈し応用して、各事案の事実認定を正しく行って行かなくてはいけません。

原告・被告人(被告)に向けた人間性の洞察力や幅広い教養や社会事象等への理解力や視野の広さも裁判官に求められる人物像には含まれています。

裁判官に求められる資質・能力について記載された文献等

「司法制度改革審議会中間報告-国民が求める裁判官像(その資質と能力)」
このようにして当審議会は,まず,国民が求める裁判官像(その資質と能力)について、虚心に立ち返って議論を重ねた。その結果、「人間味あふれる、思いやりのある,心の温かい裁判官」「法廷で上から人を見下ろすのではなく、訴訟の当事者の話に熱心に耳を傾け、その心情を一生懸命理解しようと努力するような裁判官」「 何が事案の真相であるかを見抜く洞察力や、事実を的確に認識し、把握し、分析する力を持った裁判官」「人の意見をよく聴き,広い視野と人権感覚を持って当事者の言い分をよく理解し、なおかつ、予断を持たずに公正な立場で間違いのない判断をしようと努力するような裁判官」など様々な意見が出された結果、少なくとも、裁判官は,その一人ひとりが、法律家としてふさわしい多様で豊かな知識、経験と人間性を備えていることが望ましいとの共通認識を得るに至った。

出典:首相官邸

裁判官に向いている人・必要な適性

人の人生を左右する事もある裁判官に必要な適性さは沢山あります。数多ある裁判の一つ一つを的確に迅速に処理していく中でも必要になる適性をいくつも求められます。

裁判官に向いている人は適性をいくつも持っている人という事になるのです。

裁判官に向いている人や必要な適性にはどんなものがあるのかを例として4つ挙げてみました。

粘り強さがある

裁判官に向いている人・適性の1つ目は真相解明や争い事の解決に向けて力を尽くす粘り強さを持っている事です。

起訴状をよく読み、原告・被告(被告人)、弁護士や検察官等の意見をしっかり聴き、大量の資料や証拠を検討するという緻密で繊細な作業を日々繰り返しています。

その為、粘り強い精神力を保てることが裁判官に向いている人であり、適性という事になるのです。

起案が得意である

裁判官に向いている人・適性の2つ目は起案が得意である事、起案に対して苦手意識が無い事です。

裁判官は任官1年目から判決文の作成(起案)をするので、起案に必要な大量の資料や記録を読み、判決を作成していく作業が苦痛にならない方が向いています。

司法試験や司法修習の間にも沢山の起案を作成する事がありますが、起案が悪いと任官すら認めてもらえない事もあるくらいです。

コミュニケーション能力が高い

裁判官に向いている人・適性の3つ目は、コミュニケーション能力が高い事です。

裁判官は個人で全てやっている訳では無く、弁護士や検察官、法廷で争う当事者はもちろん、書記官や事務官、他の裁判官達とも連携を取り仕事をしています。

民事事件で当事者に和解を勧める際や合議で他2人の裁判官と話し合う際など、コミュニケーションが必要になる場面は沢山あります。

的確で素早い決断が出来る

裁判官に向いている人・適性の4つ目は、的確で素早い決断が出来る事です。

裁判官は1件1件の裁判において、時間のかからない物であれば1時間未満、難しい事案では数カ月にも及ぶ日数をかけて判決を決定しています。

現状年間で250~300件の事件を抱え、月に20~30件以上の起案を作成している中でも事件処理でスピードを重視しすぎて雑な事件処理になることがないよう、裁判官は常に神経を払っています。

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裁判官に向いている性格

一般的に裁判官に持つイメージの性格にはどんなものがあると思いますか?真面目で几帳面、権力を持っているから自信家なのでは…など、色々あるでしょう。

裁判官の行う仕事に向いている人や性格にはどんなものがあり、イメージと同じなのかどうかを解説していきます。

精神的に強く責任感が強い

人の人生や人命に係わる判断を迫られる裁判官は精神的に強くなければなりませんし、責任感が強くなければその職を全うする事が出来ないでしょう。

精神的に強いという事は忍耐強い事にも繋がり、複雑に絡まった事件にも向かい合える性格であると言えます。

重罪を問う裁判の中には極刑を言い渡さなくてはいけない時もあり、感情に流されず公平な立場で妥当な判決を下す時にも精神力の高さや責任感の強さという性格が求められるのです。

高潔で良心的である

裁判官であるがゆえに厳格な生活を強いられることもあります。自身を律し、裁判官という職の品位を下げるような振舞いをしないよう、常に高潔であることを求められるのです。

だからと言って驕り高ぶらずに庶民感覚を身につける事も大切で、良心的に地域の安全安心の為に努めなくてはいけません。

高潔で良心的でありながらも人間味溢れる人でなくてはならないというのは後から身につけられるものでは無いので、元々の性格が大切だと言う事です。

謙虚で思いやりがある

裁判において最も大事な事は当事者の話や意見をしっかり聴く事です。頭ごなしに否定する事や見下した態度などもっての外ですし、感情的になることや追い込むような性格では裁判官としてあってはなりません。

両者の心に寄り添える思いやりと謙虚に人の話を聞ける性格でなければ裁判官という職を全うする事は出来ないでしょう。

謙虚で思いやりがある性格であれば、当事者を納得させる事も出来、和解で収める事も出来ますし有罪であれ無罪であれ公平に裁いてくれたと信頼してもらえるようになるのです。

裁判官に向いている人とは?求められる人物像や性格・適性の解説!まとめ

裁判官という職は頭脳明晰なだけでは務まらず、責任感や精神力といった性格や公平さや粘り強さというような適性も必要であり大切なのです。

人としての温かさや人を見下さずに当事者の心情を理解しようとする人物像に現れるように、公正な立場で一つ一つの事件にしっかりと向き合い、間違いのない判断をする事が裁判官に向いている人といえます。

どんな仕事にも向き不向きがあるものですが、司法を取りまとめる裁判官が向き不向きで間違った判断をしてしまう事は許される事では無いので、裁判官を任官する立場の教官の責任もかなり重いものであるのです。

私たちが持つ裁判官の性格のイメージとは少し違う面もありましたが、これから裁判官を目指す方はしっかりと自己分析を行う事が大切になります。