難関資格として知られている社労士は、合格率が5~8%程度とかなり低いです。
出題される問題のレベルが高いのはもちろんですが、他にも足切り基準など合格率を下げている要因は多くあります。
社労士試験の合格を目指す場合は、合格率が低い理由を把握した上で適切な対応と勉強法を実践することが大切です。
こちらの記事では、社労士試験の合格率が低い理由やおすすめの勉強法などを解説していきます。
社労士試験の合格を目指している方に役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください!
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社労士試験の合格率を確認

社労士試験の合格率は低いと言われていますが、実際どれくらいの数字になっているのでしょうか?
まずは直近10年の社労士試験の合格率を見ていきましょう。
年度 | 合格率 |
---|---|
R4年度 | 5.3% |
R3年度 | 7.9% |
R2年度 | 6.4% |
R1年度 | 6.6% |
H30年度 | 6.3% |
H29年度 | 6.8% |
H28年度 | 4.4% |
H27年度 | 2.6% |
H26年度 | 9.3% |
H25年度 | 5.4% |
冒頭で述べましたが、上記の表からも社労士試験は合格率が概ね5~8%の試験ということが分かります。
なお、他の人気国家資格試験の合格率は下記のようになっています。
- FP2級:25~30%
- 宅建士:15~20%
- 行政書士:10~15%
上記の国家試験と比較すると、社会保険労務士は合格率が低いことが分かります。
また、社労士試験は十分な勉強時間を確保することに加えて質の高い勉強を継続する必要があると言えます。
社労士試験の合格率が低いのはなぜ?

上記の表からも分かるように社労士試験の合格率は5~8%程度と非常に低いですが、これにはいくつか理由があります。
ここでは、社労士試験の合格率が低い理由について解説します。
科目ごとに足切り基準が存在する
社労士試験では科目ごとに「足切り基準」が存在し、1科目でも足切りに引っかかってしまうと不合格が確定します。
具体的に選択式試験は「各科目5点中3点以上」、択一式試験は「各科目10点中4点以上」という基準があります。
つまり、1つでも苦手科目があって足切り基準に引っかかってしまうと他の科目が満点だったとしても不合格になってしまうのです。
社労士試験で問われる内容は非常に難し1点を取るのに苦労するため、多くの受験生が足切りで涙を呑んでいます。
科目数も多い
社労士試験では下記のように多くの科目を学ぶ必要があります。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
科目数が多く勉強範囲が広いことから、テキストを網羅的に勉強しても理解が不十分になってしまいがちなのです。
特に社会人のように限られた時間の中で勉強をしている方は、全科目を満遍なく勉強するのが難しいでしょう。
このように、科目数の多さ・出題範囲の広さも社労士試験の合格率を低くしている大きな理由です。
科目合格制ではない
足切りの項目でも述べたように、社労士試験は科目合格制ではなく1度の受検で全科目の合格基準をクリアしなければなりません。
他の国家試験を見てみると、例えば税理士試験の場合は科目合格制となっているため1年ごとに各科目の合格を目指すことが可能です。
一方社労士試験の場合は、1度不合格になったらすべての科目を受験し直す必要があります。
たとえ今年度足切りに引っかからなかった科目でも、次年度同様に足切りに引っかからないという保証はありません。
このように、全科目一発勝負である点も合格率が低い大きな理由と言えるでしょう。
そもそも問題の難易度が高い
社労士は社会保険や労務管理のプロフェッショナル資格のため、試験で問われる問題の難易度は高いです。
もちろん中には基本的な難易度の問題もありますが、多くは発展的な内容・応用的な内容の理解が問われます。
そのためテキストの太字部分を覚えるだけでは本試験問題に太刀打ちできず、法令や仕組みを理解することが欠かせません。
特に健康保険法や年金分野は複雑で、理解するのも一苦労です。
「社会保険のプロなら理解して当然」とはいえ、問題の難易度が非常に高い点は押さえておきましょう。
高度な法令理解が求められる
社労士では多くの法令の勉強をすることになりますが、いずれの法令でも高度な理解が求められます。
問題を解くためには「なぜ制定されたのか」「誰を対象にしているのか」「例外はあるのか」など、大枠だけでなく内容の理解が必須です。
ただでさえ出題範囲が広い上に高度な法令理解をしなければならないため、勉強の負担も非常に重くなります。
暗記に頼った勉強では安定して得点できないことから、合格率も低くなりがちと言えるでしょう。
紛らわしい選択肢が多い
社労士試験は五肢択一式問題と選択式問題がありますが、いずれも紛らわしい選択肢が多いです。
「五択を二択にまで絞り込めたけど正解を絞り込めない!」というケースが非常に多く、理解が曖昧だと失点してしまいます。
前述したように社労士試験で問われる内容は難易度が高いため、正確に理解していないと確実に得点できません。
このように、受験生を悩ませる問題が多く出題される点も合格率が低い大きな理由と言えるでしょう。
試験時間が不足しがち
社労士試験は午前の10:30~11:50(80分間)に選択式試験が行われ、午後の13:20~16:50(210分間)に択一式試験が行われます。
一見すると十分な試験時間がありますが、実際に問題を解いてみると「時間が全然足りなかった」という人は少なくありません。
社労士の問題は難易度が高い上に紛らわしい選択肢が多いため、1つの問題を解くのに時間がかかりがちです。
試験時間の終わりが近づくと、まだ手を付けていない問題に関しては満足に取り組めずに終わります。
その結果、得点が伸びずに合格率も低くなってしまうのです。
社労士試験の効率的な勉強法は?

続いて、社労士試験に合格するための効率的な勉強法を紹介していきます。
難関資格に合格するためには効率的な勉強が欠かせないため、以下で解説する勉強法を意識しながら得点力を伸ばすことが大切です。
全科目を満遍なく勉強する
繰り返しになりますが社労士試験には足切りがあるため、苦手科目があると致命的です。
そのため、全科目を満遍なく勉強し苦手科目を作らないことが合格の近道となります。
勉強のスケジュールを立てる際には「全科目をバランスよく勉強する」ことを意識してみてください。
なおもし得意科目がある場合はその科目を勉強する時間を減らして苦手科目を勉強する時間を増やすなど、適宜調整して構いません。
大事なのは「苦手を作らないこと」「足切りに引っかかってしまうリスクを小さくすること」であるため、全科目を満遍なく勉強する意識を持ちましょう。
法律の目的をまずは理解する
社労士試験の対策では多くの法律を勉強することになりますが、漫然と勉強してもスムーズに理解できません。
そのため、まずは法律が制定された目的を理解し「誰を対象として、何を目的としているのか」押さえると良いでしょう。
基本的に条文の第一条において法律が定められた目的が述べられています。
例えば健康保険法の第一条は「この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」です。
つまりこの法律は「業務外のケガや病気、死亡や出産の際に、国民の負担が重くならないようにする」ことを目的としているのだということが読み取れます。
このように全ての法律の第一条を読み、法律の目的や制定された背景を整理してみてください。
早く正確に解けるようにする
社労士試験は時間との戦いでもあります。
すべての問題に十分な時間をかけて取り組むためにも「早く正確に解く」ことは必須です。
特に、基本的な問題に関しては1分程度で解き、その他の問題にじっくり取り組めるようにしましょう。
早く正確に解くため効果的な勉強法は、十分なインプットと数多くのアウトプットをこなすことです。
また、問題集や過去問を解く際にも時間を気にして回答する意識を持つのも大切です。
過去問演習を重点的にこなす
過去問は、本試験に対応できるレベルの学力を効率よく習得できる優れた学習ツールです。
そのため、社労士対策の勉強を進める上では過去問演習を重点的にこなすことをおすすめします。
なお過去問は1度解いて終わりにするのではなく、最低でも3回は繰り返し解きましょう。
2回目以降に間違えた問題は「苦手」「理解が不十分」ということになるため、重点的に対策するべきポイントと判断できます。
このように過去問は良質なアウトプットができるだけでなく苦手分野の把握にも役立つため、ぜひ有効活用してみてください。
寸暇を惜しんで勉強する
寸暇を惜しんで勉強する姿勢も非常に重要です。
社労士試験の勉強で学ぶ内容は難易度が高い上に出題範囲も広いため、寸暇を惜しんで勉強しなければ範囲を網羅できない可能性があります。
また、たとえ短時間でもコツコツと勉強することで勉強のモチベーションが保てるメリットも期待できます。
「学んだ内容を脳に定着させる」「隙間時間を有効活用する習慣を身に付ける」「モチベーションを保つ」という意味でも、ちょっとした時間を活用して勉強することを意識してみてください。
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合格率はそこまで気にする必要はない

社労士試験の合格率は5~8%と低く難しい試験であるのは確かです。
しかし、合格率の低さを気にしすぎる必要はありません。
合格率に意識を向けすぎると「どうせ自分は合格できない」というネガティブな思考になってしまいます。
そもそも受験者の中には明らかに勉強時間が足りておらず「お試し」で受験している人もいるため、「受験者全員が万全の状態で挑んでいる」わけではありません。
そのため、合格率を意識しすぎるのではなく自分が合格できるように「やるべきことをやる」ことに集中することをおすすめします。
合格率に思いを馳せても学力は向上しないため、上記でも述べた通り寸暇を惜しんで勉強する方が有意義です。
自分にできることをしっかりと行い試験に挑めるようにしましょう。
社労士の合格率が低い理由まとめ
この記事では、社労士試験の合格率が低い理由を中心に解説してきました。
科目ごとの足切り基準・科目数の多さ・出題レベルの高さなどが大きな要因となっているため、時間をかけて入念に勉強することが大切です。
苦手分野を無くし過去問演習を行うことが効果的な社労士試験対策となるため、合格を目指している方は実践してみると良いでしょう。
合格率が低く難易度が高い資格は相対的に価値も高いため、ぜひ難関資格である社労士試験の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
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