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臨床心理士に将来性はある?現状の需要や仕事内容とやりがいを解説!

更新日:2023-12-15

臨床心理士に将来性はある?現状の需要や仕事内容とやりがいを解説!

これから臨床心理士の仕事を目指したいと思っても、『将来にわたり「仕事」として続けられるのか』と将来性に対して不安を持つ方も多いでしょう。

また、臨床心理士がどのような仕事かはっきりとは分からない方もいると思います。

そこでこちらの記事では、臨床心理士の仕事内容をはじめ、仕事のやりがいや将来性、主な活躍の場について解説します。

臨床心理士になるために必要なことも解説していますので、これから臨床心理士を目指される方の参考になれば幸いです。

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臨床心理士の仕事は将来性がある

手を寄り添う

臨床心理士は臨床心理学に基づく知識と技術を用いて「こころの問題」を解決に導く専門家です。

過去においては主に医療や産業分野などで活躍していましたが、現在は学校や福祉、司法といった分野などにも活躍の場を広げています。

以前であれば他の職種の人でも「こころの問題」への対応ができていたものの、近年ではより専門的な知識を持つ人材が必要とされ始めています。

必要とされる臨床心理士

現代の社会が抱えている問題の1つが、「こころの問題を抱えている人」が年々増加していることです。

ストレス社会ともいわれる現代では、不安や悩みを抱える人が増えており、それも複数の悩みを同時に抱え込んでしまうケースが多くなっています。

このような状態に陥ると、自分一人で解決することは難しく、専門的な知識を持つ人が解決に向けた道筋を示し手助けする必要が出てきます。

人のこころの悩みが尽きることはないため、メンタルケアを行える臨床心理士の仕事はなくなることがなく、将来性がある職業といえるでしょう。

臨床心理士の仕事内容とやりがい

笑い合う二人

臨床心理士といえばカウンセリングルームなどで面談し、問題の解決に向けたアドバイスをする人というイメージがあるかもしれませんが、実際の仕事内容は少し異なります。

ここからは臨床心理士の仕事内容や、やりがいについて詳しく解説していきます。

臨床心理士の主な仕事内容

  1. 臨床心理査定
  2. カウンセリング
  3. 心理療法
  4. 臨床心理学的地域援助
  5. 調査研究活動

臨床心理士の仕事①臨床心理査定(心理アセスメント)

臨床心理査定とは、さまざまな心理テストや観察・面接などを通じ、相談依頼者(クライエント)がどのような個性を持ち、問題点がどこにあるのかを評価していく仕事です。

臨床心理士はクライエントの特徴を診断するのではなく、評価することに主眼をおきます。

このようにクライエントを評価することを臨床心理士の界隈では、診断ではなく評価や査定を意味する「アセスメント」と表記します。

臨床心理士の仕事②カウンセリング

カウンセリングとはただクライエントの話を聞くだけではなく、話しをしながらクライエント自身の考えやこころの動きを整理させたり、気づきを与えたりするものです。

クライエントが自分に向き合えるようサポートするために、まずは信頼関係を築き、本音を話しても問題がないと感じてもらえるような人間関係の構築を目指します。

言語でのコミュニケーションが難しい場合には、別の方法でコミュニケーションを図る必要がでてきます。

臨床心理士の仕事③心理療法

心理療法にはさまざまな手法があるため、クライエントの個性に合ったものを選びこころの支援を実施していきます。

心理療法の理論や手法は200を超え、その中からクライエントに合ったものを選ばなければなりません。

臨床医心理士の仕事の中で最も専門性が問われるものであり、中心的な仕事といえます。

臨床心理士の仕事④臨床心理学的地域援助

クライエントに対してカウンセリングや心理療法で問題の解決を図るだけでは、根本的な解決とならない場合があります。

これはクライエントが抱えている問題が本人だけではなく周囲の協力を必要とするケースがあるためです。

このようなケースでは本人だけではなく家庭や職場、学校などクライエントの周囲の人々にも働きかける必要が出てきます。

そのため、臨床心理士は周囲に対しても援助を求めたり、生活環境を整えたりするよう提案をする場合もあります。

臨床心理士の仕事⑤調査研究活動

こころの問題の解決方法は様々あり、どのような手法を用い解決を目指せばよいのか考えるときに、過去のさまざまな事例が参考となります。

過去多くの先達が臨床心理的研究や調査を実施し遺してくれたからこそ判断できるのです。

後進に臨床心理の技術や知識を伝える役割と共に、自分自身の知識やスキルを固めるためにも、調査研究活動は重要な仕事の1つです。

臨床心理士のやりがい

臨床心理士は、直接人とやり取りをする仕事のため、やりがいも強く感じられる職業と言えます。

自分の技術や知識を基にしたカウンセリングや心理療法により、クライエントが抱えていた悩みや不安が和らぐといった結果がでれば、多くのクライエントが感謝の気持ちを持ってくれるでしょう。

このような感謝の気持ちを向けられたとき、臨床心理士はやりがいを感じ、達成感も得られます

また、情報として提供した内容が役立ったといわれたときにも、認められたという気持ちが持てます。

このように、クライエントが元気になっていく姿を見ることが、臨床心理士のやりがいになっていきます。

臨床心理士の今後の需要と将来性

将来を見据える女性

臨床心理士は社会貢献度が高く、人を元気にすることで自分自身もやりがいを得られる仕事です。

結論から先にお伝えすると、臨床心理士の需要はこれからも高まり、将来性は安定していると考えられます

将来性があると言われている臨床心理士ですが、実際なぜ将来性・需要があると言われているのでしょうか?

ここからは臨床心理士に将来性があり需要が高まる理由を大きく3つに分けて解説していきます。

臨床心理士に将来性と需要がある理由3つ

  1. こころの問題を抱える人は増加傾向
  2. AIがとって代わることは難しい
  3. マンパワーが必要な仕事

①こころの問題を抱える人は増加傾向

厚生労働省では毎年、労働安全衛生調査(実態調査)を実施しており、「メンタルヘルス不調によって1カ月以上連続して休業した労働者や退職した労働者の状況」について調査した結果では、2020年度調査の回答者の内9.2%に該当者がいましたが、2021年度調査では10.1%と増加していました。

またOECD(経済協力開発機構)の報告では、2013年には7.9%だった国内のうつ病有病率が、2020年時点では17.3%まで増加したといわれてます。

臨床心理士の手助けを必要とするこころの問題を抱える人は年々増加傾向にあることがこれらの調査や報告から明らかといえます。

出典元:厚生労働省 令和3年「安全衛生調査(実態調査)」の概況
出典元:東洋経済ONLINE「国内の「うつ」は17.3%コロナ禍で割合増の深刻」

②AIがとって代わることは難しい

近年では、単純な仕事は人に代わり人工知能(AI)に任せようとする風潮があります。

臨床心理士の仕事がもし人の話に耳を傾けることだけであれば、AIがとって代わるという未来があったかもしれません。

しかし、臨床心理士の仕事はカウンセリングした内容をもとに分類し、それに沿って心理療法をあてがっていけばよいという簡単なものではありません

こころの問題は1つではなく、複数の問題が複雑に絡み合ってしまっているケースが多いため、丁寧な対応が求められます。

人のこころは繊細であり単純なものではなく、AIではまだまだ判断が難しいため、臨床心理士の仕事はAIが取って代わることは難しく将来性も見込める仕事といえます。

③マンパワーが必要な仕事

日本ではこころの問題を抱える人は増え続けており、さらにAIがとって代わることができないメンタルケアの領域では、まさにマンパワーが必要といえます。

人でなければならない仕事であり、なおかつ臨床心理士という資格を持つ必要があることから、有資格者に対する需要が減少することは考えにくいでしょう

つまり、臨床心理士という「人」に対する需要という点を考えると今後も増加傾向にある将来性が高い仕事と考えられます。

臨床心理士が活躍できる場所

腕立て伏せをするお父さん

こころの問題を抱えている人がいる場所は、臨床心理士が活躍できる場所になります。

代表的な活躍の場としては、以下の6分野があり、中には今後さらに臨床心理士の活躍が期待される将来性が高い分野が含まれています。

こちらでは臨床心理士が活躍できる分野をそれぞれ詳しく解説していきますので、具体的にこれらの場でどのように活躍しているのかを確認していきましょう。

臨床心理士が活躍できる分野6つ

  1. 医療
  2. 保健
  3. 教育
  4. 福祉
  5. 産業
  6. 司法・矯正

1.医療

医療分野では、精神科や心療内科など精神的な疾患の治療に訪れている患者さんに対し、医師と共に臨床心理士がカウンセリングを実施し心理療法を提案しています。

その際に、医師への情報提供として患者さんの心理傾向を伝えることも臨床心理士の仕事のひとつで、必要があれば患者さんの家族への精神的なサポートも実施します。

このように医療分野は、患者さんへのメンタルケアが必要とされる場面が多いため、臨床心理士の活躍が期待できる分野といえるでしょう。

2.保健

保険分野では、自治体が設置する保健センターや保健所などで、地域住民から相談を受け、悩みを解決できるように精神的なサポートを実施しています。

引きこもりや依存症、いじめ問題、ワンオペ育児、乳幼児の育児など、地域住民からの相談内容は多岐にわたりますので、心理カウンセリングのエキスパートである臨床心理士が大いに活躍しています。

保健分野で働く臨床心理士の多くは自治体に所属し働くことになるので、公務員として勤務する人が多いのが特徴的です。

3.教育

これまで教育分野では児童や生徒、教員や学校関係者のこころのケアは、教諭や養護教諭などの教職員が担ってきました。

ですが、教員の業務負担の増加やこころの問題の複雑化を背景として、スクールカウンセラーが教員に代わりこころのケアにあたる事が増えています。

教育分野ではいじめや不登校、成長と共に芽生えるこころの悩みなど、さまざまな不安や悩みを持つ児童生徒をはじめ、保護者や教員など多くの人の精神的フォローを担います。

また、令和4年の文部科学省初等中等教育局が提出した概算要求には、27,500の小中学校へスクールカウンセラーを配置する提案がなされるなど、今後もスクールカウンセラーの需要は増加し、活躍する場として高い将来性が期待できると考えられます。

スクールカウンセラーについて詳しく知りたい方は、以下の記事も是非あわせてご覧ください!
スクールカウンセラーの仕事内容や相談内容は?

4.福祉

福祉分野では社会的に弱い立場にある人に対しての精神的フォローに当たるのが主な仕事で、例えば虐待やDV当事者に対する心理的な支援、高齢者や障がい者とその家族に対するサポートなどが挙げられます。

そのため、福祉分野で活躍するには臨床心理士としての知識以外にも、子供や高齢者、障がい者、女性問題などの福祉に関する理解が必要となってきます。

近年では高齢者の増加に伴い、こころの問題を抱える高齢者や家族も増加していることから、臨床心理士の需要が高まると考えられますので、福祉分野は臨床心理士の将来性が期待できる分野の1つです。

地方自治体が設置する施設に勤務する場合には公務員として、民間事業者が設置する施設においては労働者として勤務するのが一般的です。

5.産業

厚生労働省が企業に向けメンタルヘルス対策を実施するよう働きかけるなど、産業分野における臨床心理士の活躍の場は増えています

従業員のカウンセリングを始め、求職者や復職者に対する精神的フォローアップや勤務部署に対して働きかける臨床心理学的地域援助も実施します。

メンタルの不調により仕事に携われなくなる従業員も増加傾向にあるため、産業分野におけるこころの問題の早期発見、早期解決は重要です。

メンタルケアに努める企業も増えることから、産業は需要の増加が見込まれる将来性が高い分野でしょう。

企業内に設置された相談室や健康管理センターなどに勤務する以外にも、ハローワークや障がい者職業センターなどに勤務する臨床心理士もいます。

6.司法・矯正

司法・矯正分野では、家庭裁判所調査官や法務教官、法務技官に任用されて、非行少年少女の教育ケアや被害者とその家族のメンタルケア、場合によっては加害者側のご家族へのメンタルケアなどを実施しています。

裁判においては被告人の精神鑑定に携わることもあり、刑事裁判後収監された受刑者に対するカウンセリングなども行っています。

司法・矯正分野は他の分野と比べると、臨床心理士が活躍する領域としてはマイナーですが、犯罪者の再犯防止未成年者の将来を左右する大事なカウンセリングになるので、責任感のある臨床心理士が更生へと導いていくことが望まれています。

臨床心理士になるためには?

調べている男性

ここまで臨床心理士の将来性や需要についてご紹介してきましたが、そもそもどうすれば臨床心理士になれるのでしょうか?

臨床心理士として働くためには資格の取得が必須となり、また資格試験の受験に際しては必要となる条件をクリアしなければなりません。

これから臨床心理士を目指す場合は何から始めたらよいのか、臨床心理士として活躍するための流れについてもまとめましたので、将来性が見込める臨床心理士の仕事に就くためにも、まずは必須条件を確認していきましょう。

所定の資格試験への合格が必須条件

臨床心理士として働くためには、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格試験に合格しなければなりません。

試験は筆記による一次試験と口述面接による二次試験があり、年に1度、10月から12月に実施されています。

試験の合格率は60%を超えているため、合格難易度が高い試験ではありませんが、その分受験資格が設けられていますので、臨床心理士資格は誰でも簡単に取得できる資格ではありません。

臨床心理士試験の合格率や難易度について詳しく知りたい方は、以下の記事も是非あわせてご覧ください!
臨床心理士試験の合格率や難易度と受験資格の詳細

臨床心理士資格の受験資格基準は7種類

合格率が比較的高い資格試験ですが、受験をするには協会が定めている受験資格基準を満たさなければなりません

定められている受験資格基準は細かく分けて7種ありますが、指定大学院(1種・2種)をまとめると受験資格基準は以下の4つになります。

臨床心理士の受験資格基準

  1. 指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
  2. 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
  3. 諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
  4. 医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者など

出典元:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」

指定大学院の種類と修了までの期間

前述した指定大学院(1種・2種)の内容を細かく見ていくと、以下の4種類の大学院に分けられ、種類によって過程修了までにかかる期間が異なります。

大学院種別 第1種指定大学院修了者 第2種指定大学院修了者
新1種指定校 旧1種指定校 新2種指定校 旧2種指定校
心理臨床経験 不要 1年以上 1年以上 2年以上

4年制大学を卒業後、協会が定めている大学院に入学・修了する必要があり、新1種指定校以外であれば1年~2年以上の期間がかかるため、将来性が期待できる資格なぶん、受験資格を得るためのハードルはやや高いといえます。

臨床心理士の仕事の難易度について詳しく知りたい方は、以下の記事も是非あわせてご覧ください!
臨床心理士と公認心理師の違いは?難易度を解説!

合格後臨床心理士名簿に登録

試験合格後は臨床心理士として活躍するための資格認定証の交付と名簿への登録の手続きが必要になります。

認定証の交付手続料として50,000円を支払った後に、協会から資格認定証と共に顔写真が入ったIDカードが交付されます。

交付手続料は将来性が高い仕事に就くための準備資金として考えるとよいでしょう。

また義務ではありませんが多くの臨床心理士が職探しや自己研鑽のために臨床心理士会へ入会しています。

5年毎の更新

高い専門性と自己研鑽が必要であり、恒常的に自己点検や外部評価が必要なことから、臨床心理士の資格は5年ごとの更新が義務付けられています。

更新のためには協会が定める6種類の研修会や学会のうち、3種類以上に参加する必要があります。

それぞれの研修会や学会に出席するとポイントが獲得でき、次の更新までの5年間の内に15ポイント以上獲得しなければなりません。

生涯学習が必要な仕事

資格試験に合格し、資格を維持することも大切ですが、臨床心理士として活躍するためには生涯学習の精神が必要です。

臨床心理士は解決法を押しつけるのではなく、クライエントが自らの力で解決できるようにサポートする事が本来の役割となります。

時代ごとに価値観は変わり、クライエントが抱える問題も違うため、柔軟な考えで対応していくことが求められます。

こころの問題の専門家としての専門的な知識を押しつけるのではなく、常にクライエントと対等な立場に立ち、信頼を得ることで活躍できる臨床心理士になれます。

活躍できる臨床心理士になれば独立開業という選択もできますので、独立開業について詳しく

臨床心理士の将来性について|まとめ

臨床心理士の将来性について|まとめ

  • こころに問題を抱える人の増加により、需要は高まる
  • AIにとって代わる仕事ではない
  • マンパワーが必要な仕事
  • 今後も活躍の場は増えていく
  • 資格を取得するには受験基準を満たす必要がある

こころの問題に悩む人は今後も増えていくと予想されており、メンタルケアの専門家である臨床心理士の活躍の場は更に広がると将来性が期待できます。

人のこころの問題は複雑で、この先もまだAIでその解決を目指すことは難しいため、臨床心理士の仕事は人でなければ務まらないといえます

臨床心理士は「現状維持」に留まることなく、高い将来性に応えられるような生涯学習が求められ、広いこころでクライエント自らの力で解決に向かうよう導く忍耐強さも必要です。

臨床心理士それぞれの個性や人間性、経験や知識が問われ、より高度な問題を解決できる人材が必要とされています。