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土地家屋調査士は測量できない?測量士との違いや兼業できるか調査

更新日:2022-09-26

「土地家屋調査士」と「測量士」は、一見すると似ている業務や試験内容が多く混同される傾向にあります。

そこで本記事では「土地家屋調査士の仕事内容や測量士の独占業務を踏まえて、土地家屋調査士は測量できないのかどうか」についてご紹介します。

また、両方の資格を取得するメリットや、資格を取得する方法の違いについても解説します。

土地家屋調査士の資格を取得しようか迷っている方や、測量士と兼業するメリットはあるのか知りたい方は、ぜひ最後までお読み下さい。


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土地家屋調査士は測量できない?

土地家屋調査士_仕事内容_測量2

土地家屋調査士は全く測量業務を行うことは出来ないのでしょうか。それとも、一部の測量業務に限り携わることが出来るのでしょうか。

こちらの項目では「土地家屋調査士と測量士の測量業務における違い」についてご紹介します。

それぞれ土地家屋調査士法と測量法を参考にしながら、具体的に解説していきます。

「登記に関わる測量」のみ土地家屋調査士が可能

結論からお伝えしますと、「土地家屋調査士は登記に必要とされる測量のみ」携わることが可能です。

実際、土地家屋調査士法の第3条にて「調査士は、不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する測量を行うことを業とする」と明記されています。

後述する仕事内容でもご紹介しますが、土地家屋調査士は測量がメインの仕事ではなく、登記に関する仕事をメインで行います。

そのため、土地家屋調査士は測量に関する業務全般が出来ないのではなく、地図作成のための測量や土地分筆登記など、登記を前提とした測量のみ土地家屋調査士の業務として認められています。

測量は測量士・測量士補の独占業務

測量士及び測量士補は、全ての測量の基礎となる「基本測量」と国又は地方公共団体が実施する「公共測量」に携わることが可能です。

具体例には、建設現場や道路、路線などのインフラ整備のための測量業務の他に、大規模な公共事業用の測量などが挙げられます。

また、測量法第48条にて「技術者として基本測量又は公共測量に従事する者は、測量士又は測量士補でなければならない」というように、測量は測量士と測量士補の独占業務として認められています。

土地家屋調査士は個人が所有する土地や家屋の測量である「一筆地測量」を担い、測量士は公共事業を含む測量全般「公共および民間測量」という違いがあります。

土地家屋調査士と測量士の仕事内容の違い

土地家屋調査士_仕事内容_測量1

土地家屋調査士は「法務省管轄」であるのに対して、測量士は「国土交通省管轄」というように、所管省庁が違うため測量を含め仕事内容も異なります。

こちらの項目では「土地家屋調査士と測量士におけるそれぞれの仕事内容と違い」についてご紹介します。

測量に関する仕事内容以外にもどのような違いがあるのかチェックしてみましょう。

土地家屋調査士の主な仕事内容は?

まずは土地家屋調査士の主な仕事内容は、以下の5つに大きく分けられます。

仕事概要 具体的な仕事内容
表題登記に必要な不動産の調査及び測量 不動産の表示に関する登記に必要な土地及び建物の面積等の現地情報と記録上の際や共通点を調査や測量にて把握する
表題登記申請の手続における代理 測量結果を用いて正確な数値を算出し、新築した建物の表題登記や増改築した建物の変更登記などの書類作成及び申請手続の代行
表題登記の審査請求手続の代理 表題登記申請が却下された場合に、不服を申し立てる審査請求を土地所有者の代理として申請
筆界特定の代理 土地が登記された際に隣地との境界線(筆界)が不明確な場合に、筆界を判断するために土地所有者の代理として申請
ADR 土地の筆界特定などに関する紛争に関して、裁判に持ち込む前に話し合いを通じて解決を目指す「ADR」の代理
ただし、「ADR認定土地家屋調査士」に限り弁護士との共同受任を条件に、土地の筆界に関するADRの代理人となることが可能

上記の表より、土地家屋調査士の仕事は測量よりも、土地・建物に関する登記がメインであると言えます。

測量士の主な仕事内容は?

次に測量士の主な仕事内容は、以下の2つに大きく分けられます。

仕事概要 具体的な仕事内容
外業 建築・土木工事の現場において、計画・設計の基になる土地の位置情報や距離、面積などの地形データの測量を測量計画に基づき行う
内業 測量計画の立案・CAD製図・測量データの分析・報告書の作成など、事務所内でのデスクワーク業務

上記の表より、測量士の仕事は公共事業における測量の仕事がメインであると言えます。

それぞれの仕事に干渉することはできない

前述した仕事内容より、測量士は登記に関する業務を行えないため、登記目的の測量は出来ません。

一方で、土地家屋調査士は不動産登記の専門家であるため、登記目的以外の測量は出来ません。

測量士は工事における測量を独占業務とし、土地家屋調査士は登記における測量を独占業務とするため、それぞれの仕事に干渉できない仕組みが確立されています。

ただし、土地家屋調査士における限定的な測量業務の範囲を悲観的に捉えるのではなく、後述するように測量士とのダブルライセンスで活かす方向性で考えると良いでしょう。

仕事内容の違い最大の特徴は「依頼者が異なる」

両者における仕事内容の最も大きな違いは「依頼者が異なる」ということです。

具体例には、土地家屋調査士は個人からの依頼がメインとなる一方で、測量士の依頼の多くは公共団体という違いがあります。

依頼者の違いからも分かるように、土地家屋調査士は民間業務を行う専門家で、測量士は公共業務を行う専門家という棲み分けが明確にされています。

土地家屋調査士と測量士の資格の違いとは?

仕事内容における違いに続き、こちらの項目では「土地家屋調査士と測量士の資格における違い」について以下の2つの観点からご紹介します。

  • 難易度
  • 取得方法

土地家屋調査士の資格を取得する際の効率的な方法についても解説するので、チェックして下さい。

難易度の違い

1つ目の違いとして「難易度」が挙げられます。

難易度を比較するために、それぞれの合格率について以下の表にてチェックしてみましょう。

土地家屋調査士 測量士
9.6% 18.0%

参考:令和3年度土地家屋調査士試験の最終結果令和3年測量士・測量士補試験実施結果

令和3年度に限ると2倍近く合格率の差がついており、測量士試験の方が難易度が低いことが分かります。

なお、土地家屋調査士の合格率は例年8%〜10%台と横ばい傾向にありますが、測量士は10%台前後と大きく波があります。

年度で合格率に差がある理由として、土地家屋調査士は合格者の枠に従って合格点が決まる「相対評価」であるのに対して、測量士は合格点に従って合格者が決まる「絶対評価」であることが挙げられます。

従って、土地家屋調査士は例年通りの対策でも合格が期待できますが、測量士は受験する年度によって難易度が大きく異なるため注意が必要です。

取得方法の違い

2つ目の違いとして「資格を取得する方法」が挙げられます。

土地家屋調査士と測量士の資格を取得する方法及び免除される条件について、以下の表にて簡単にまとめましたのでご確認下さい。

土地家屋調査士
・測量士、測量士補、1級建築士若しくは、2級建築士となる資格を有する方は午前試験を免除可
・午前の部の試験について筆記試験に合格した者と同等以上の知識及び技能を有する者として法務大臣が認定した方は午前試験を免除可
測量士
・大学で測量に関する科目を修めて卒業、かつ測量に関する1年以上の実務経験
・短大もしくは高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業、かつ測量に関する3年以上の実務経験
・測量に関する専門の養成施設で1年以上、かつ測量に関する2年以上の実務経験

参考:土地家屋調査士受験案内書測量士法第50条

測量士の資格を取得する方法は、測量士試験を受験する他に指定学校を卒業し実務を経験することでも可能です。

一方で、土地家屋調査士資格の取得は試験に合格する他に認められていませんが、一部の国家資格を保有する方は試験を免除出来ます。

これから、土地家屋調査士の資格免除について詳しく解説していきます。

測量士資格保持者は土地家屋調査士試験が一部免除される

測量士・測量士補・1級建築士・2級建築士の資格保持者であれば、土地家屋調査士試験の午前に行われる測量の試験が免除されます。

そのため、土地家屋調査士の資格取得を目指す方が、測量士補の資格を取得するか、若しくは測量士の専門学校に通い無試験で測量士の資格を取得するケースも少なくありません。

土地家屋調査士資格を最短ルートで取得したい方には、測量士・測量士補の資格を取得する方法がお勧めです。

土地家屋調査士と測量士は兼業できる?

土地家屋調査士_仕事内容_測量3

仕事内容や独占業務の範囲が正確に分けられている両資格職業ですが、兼業することは可能でむしろ兼業することによるメリットが多くあります。

そのため、測量士と土地家屋調査士の資格を取得後に兼業し測量のスペシャリストとして活躍されている方も少なくありません。

これから、ダブルライセンサーとなるメリットについてもご紹介するのでチェックしてみましょう。

土地家屋調査士と測量士ダブルライセンスのメリットは?

moocesメリット

兼業している方も多いことはお伝えしましたが、土地家屋調査士と測量士とのダブルライセンサーになるメリットは本当にあるのでしょうか。

こちらの項目では「土地家屋調査士と測量士とのダブルライセンスを目指すメリット」についてご紹介します。

  • 必要なスキルや設備が似通っている
  • 試験が一部免除されるため資格がとりやすくなる
  • 測量と登記どちらの独占業務も担えるようになる

これまでに解説してきた内容を踏まえて具体的に解説していきます。

必要なスキルや設備が似通っている

1つ目のメリットとして「必要なスキルや設備が似通っている」ことが挙げられます。

例えば、肉体労働に耐えられる体力や理数系の知識などの必要なスキルに加え、トータルステーション等の測量の際に用いる機器や技術など、多くが共通しています。

土地家屋調査士と測量士は、仕事内容や使用する道具、必須スキルなど似通った点が多数あるため、資格取得後にそれぞれの知識を活かし合えるメリットがあります。

試験が一部免除されるため資格がとりやすくなる

2つ目のメリットとして「試験が一部免除されるため資格がとりやすくなる」ことが挙げられます。

先ほども簡単に解説したように、測量士から土地家屋調査士を目指す場合には、測量に関する筆記試験が免除されます。

そのため、不動産登記法・土地家屋調査士法・民法に関する内容と面接対策のみで済むため、資格にかける対策時間を減らせる上に資格取得のハードルを下げることが出来るメリットがあります。

前述したように、土地家屋調査士の方が難易度は高い傾向にあるため、比較的難易度が低い測量士をまず取得し土地家屋調査士試験の負担を分散させると良いでしょう。

測量と登記どちらの独占業務も担えるようになる

3つ目のメリットとして「測量と登記どちらの独占業務も担えるようになる」ことが挙げられます。

土地家屋調査士の不動産登記と測量士の基本測量・公共測量といった、両方の独占業務を担うことが可能になるため、その分個人からも公共からも仕事の依頼が来るようになります。

土地家屋調査士は独立に向いている資格でもあるため、いずれ独立開業を目指すのであれば測量士の資格も取得することで、仕事の幅を広げると良いでしょう。

土地家屋調査士は測量できない?測量士との違いまとめ

今回、土地家屋調査士と測量士の仕事内容や資格の特徴、ダブルライセンスのメリットについて解説してきました。

土地家屋調査士は、不動産登記の専門家であるため、測量に関しても登記を目的とした測量に限り行うことが出来ます。

一方で、測量士は測量の専門家であるため、登記目的の測量以外の測量を担います。

どちらの資格もそれぞれ仕事内容はもちろん、試験の難易度や取得方法にも違いがありますので、どちらかの資格取得を目指しているというかたはしっかりと違いを理解しておく必要があるでしょう。

測量の担当業務が明確な分、ダブルライセンスを目指すことで測量のスペシャリストとしての活躍が期待されます。

今回ご紹介した両資格の取得方法の違いを参考に、効率的に土地家屋調査士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。

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