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保健師の年収平均は?最終学歴や就職先での年収差、男女での違いについて

更新日:2021-07-17

保健師の年収平均は?最終学歴や就職先での年収差、男女での違いについて

人々の健康の維持管理に尽力してくれる保健師は、この社会に欠かせない職業の一つです。
誰しも、勤め先や住んでいる自治体の役所、通っている学校などで一度はお世話になったことがあるのではないでしょうか。

この記事では、そんな保健師の平均年収をはじめ、男女での年収差や男性保健師のニーズ、公務員や民間企業など就職先の違いや、高卒・大卒といった最終学歴の違いによる待遇の差について調査しました。

保健師を目指す人はぜひ参考にしてみてください。

保健師の平均年収

まずは、厚生労働省が発表した令和2年賃金構造基本統計調査のデータをもとに、保健師の平均年収と男女別・年齢別の年収額を見ていきましょう。

男女別

月給 賞与 年収
保健師全体 約32.4万円 約86.7万円 約476万円
男性 約31.2万円 約83.3万円 約457万円
女性 約32.6万円 約87.2万円 約478万円

出典:令和2年賃金構造基本統計調査

保健師全体、および男女別平均年収は上の表のとおりです。
年収額は、「きまって支給する現金給与額」(月給)×12+「年間賞与その他特別給与額」(賞与)にて算出しています。

保健師全体の平均年収は約476万円です。
男女別に見ると、男性保健師の平均年収は約457万円、女性保健師の平均年収は約478万円と、女性の方が若干高くなっています。
とは言え月給で見るとその差は1.5万円弱で、性別により差が大きく開いているわけではないようです。

保健師は、かつて「保健婦」と呼ばれ女性専用の職業だった過去も手伝ってか、圧倒的に女性が多い職業です。
厚労省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)」によりますと、保健師の数は男性1,352人に対し女性51,603人と、女性が全体の97%以上を占めています

しかし、年々男性保健師の人数は増加を続けています。
また、男性保健師のニーズも決して少なくはありません。
保健師が仕事の上で関わる相手は、老若男女さまざまです。健康のことは同性の方が相談しやすいという人も多いでしょう。

また、ここ数年育児に関わる男性も増えており、母子保健業務において、育児を主体的に担う男性を支援できる男性保健師の重要性が増してきています。
女性の数に圧倒されやすくはありますが、男性保健師の更なる増加にも期待が集まっています。

年齢別

年齢 月給 賞与 年収
20~24歳 約29万円 約46.3万円 約395万円
25~29歳 約31.5万円 約96.2万円 約474万円
30~34歳 約33.4万円 約88.7万円 約489万円
35~39歳 約32万円 約102.6万円 約487万円
40~44歳 約32.3万円 約89.4万円 約478万円
45~49歳 約33.1万円 約87.4万円 約485万円
50~54歳 約37.3万円 約80.1万円 約528万円
55~59歳 約35.4万円 約123.1万円 約548万円
60~64歳 約30万円 約59.8万円 約420万円
65~69歳 約18.3万円 約220万円
70歳~ 約23万円 約4万円 約280万円

出典:令和2年賃金構造基本統計調査

保健師の平均年収を年齢別にまとめたものが上の表になります。
年収額は同様に「きまって支給する現金給与額」(月給)×12+「年間賞与その他特別給与額」(賞与)にて算出しています。

収入のピークを迎えるのは50代後半で、その頃には平均年収は約548万円に達します。
なお国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、同じく50代後半の平均年収(男女計)は約518万円であり、保健師の年収水準がおよそ国民の水準と同程度であることが分かります。

就職先ごとの年収の違い

続いて、保健師の就職先とそれぞれの年収について調査しました。

保健師の就職先は、大きく「公務員」と「民間」の2つに分かれます。
以下、保健師の就職先について詳しく見ていきましょう。

保健師の主な就職先

保健師は、就職先により主に下記の3つに分類されます。

  • 行政保健師
  • 学校保健師
  • 産業保健師

行政保健師

公務員として働く保健師のことで、そのほとんどが地方公務員です。

保健師の大多数が行政保健師として働いており、役所や保健所、福祉施設等で、地域住民の医療や健康、福祉に関する業務に携わっています。

学校保健師

学校保健師は、私立の小中学校、大学、専門学校等に勤務する保健師です。

養護教諭、いわゆる「保健室の先生」とは異なります。
主な仕事は学校の生徒や教職員の健康管理や健康推進・啓発などです。

産業保健師

民間の企業等に雇用されて働く保健師です。

その企業の産業医や人事・労務担当部署と協力して従業員の健康管理に寄与します。
特に昨今はメンタルヘルス対策に重きを置いている企業が多く、体だけでなく心の健康の面でも保健師の活躍が期待されています。

就職先別年収一覧

続いて、就職先ごとのおおよその年収を下表にまとめました。

推定年収 時給
行政保健師 約585万円
学校保健師 450~550万円 1,600円~1,900円程度
産業保健師 500~600万円 1,800円~2,000円程度

出典:&CAREER

行政保健師(地方公務員)の平均年収は約585万円です。
公務員ですので年功序列の風潮が強く、勤続年数が長くなるほど昇給が期待できます。
また給与面以外でも、雇用が安定しているうえに福利厚生が手厚いというメリットがあり、定年まで安心して働き続けることができるという点が魅力的です。

なお、国家公務員として働く場合、平均年収はおよそ560万円程度です。

学校保健師の場合、私立小中学校勤務を想定すると、年収はおよそ450~550万円程度と言われています。
公務員と比較すると年収は低めに抑えられており、求人数もあまり多くありません。
一方、一般的に残業が少なく休暇が取りやすい傾向にあるようで、自分の時間を大切にしながら働けるという点がメリットとして挙げられます。

産業保健師の給料は就職先の規模などにより大きく異なります。
行政保健師を大幅に上回る年収を得られる企業もあれば、下回る企業も当然存在します。
規模の大きい企業であれば、高収入も期待できる点が魅力的です。

このように、
・安定して国民の水準並みかそれ以上の年収を得られるのが行政保健師
・年収額は多少劣るものの働き方のメリットが大きいのが学校保健師
・就職先によっては高収入も夢ではないのが産業保健師

と区別することができます。

最終学歴による年収の違い

ここまで、年齢や性別、就職先ごとの年収の違いについてご紹介してきました。
ところで、最終学歴は保健師としての収入に影響を及ぼすのでしょうか。

結論から言うと、保健師で最終学歴が収入額に大きな影響を与えることはあまり考えられません
もちろん就職先の方針により異なりますが、学歴主義というよりは実力主義が多い印象です。
以下、詳しく解説していきます。

保健師の最終学歴

前提として、保健師になるためのルートは大きく2通りに分かれます。
一つは、看護師資格を取得後に保健師の養成課程を経て保健師資格を取るルート、もう一つは看護師国家試験と保健師国家試験をダブル受験するルートです。

前者の場合、3年制の専門や短大、5年制の看護高等学校などで看護を学び、看護師国家試験合格後に1年間の保健師養成課程を経て、ようやく保健師国家試験を受験することができるようになります。

後者は大学の看護系の学部にて保健師養成のための学科を専攻した人、或いは保健師・看護師統合カリキュラムを採用する4年制の専門学校を卒業した人が該当し、看護師試験と保健師試験を同時に受験することができます。

このように、保健師と一言で言ってもその最終学歴は高卒、専門卒、短大卒、大卒と様々です。

行政保健師(地方公務員)の場合

公務員試験では試験・採用区分により最終学歴を含む受験資格を設けている自治体が多く、採用後はその区分により待遇が異なります。

しかし、中には年齢のみで区分し学歴不問とする自治体や、保健師等の資格職は同一区分として扱い学歴では区別しない自治体も多く存在します。

具体例として令和3年度の東京都の行政保健師の募集要項を見ていきます。
保健師の採用区分は一律「Ⅰ類B」であり、最終学歴で区別されていません。
初任給も一律で、かつ募集要項にはこのような記載があります。

(4) 昇任制度
東京都の昇任制度は、学歴等によらない能力・業績主義に基づく選考(主任級職選考、 管理職選考等)により昇任する仕組みになっています(ただし、日本国籍を有しない 職員は、管理職選考を受験できません。)。

引用:令和3年度 東京都職員Ⅰ類B 採用試験案内

一般的に、同じ区分で採用された場合、昇格に必要な最低在職年数も同じです。
(参考:東京都人事委員会
つまり、東京都では、最終学歴を理由に初任給や昇給スピードに差が出ることはありません。

地域によっては最終学歴が影響する可能性も

一方、大阪府の令和3年度行政保健師募集要項を見ると、最終学歴により初任給に差が出る旨が明記されています。
養成所卒業等、つまり高卒や3年制の専門・短大卒の場合、令和3年4月採用の初任給例が約20.2万円なのに対し、大卒の場合は約20.9万円となっています。
とは言えその差は7,000円程度で、その他の条件や手当により埋まりかねない額です。

産業保健師の場合

産業保健師の場合、最終学歴を気にするか否かは各々の企業の判断となります。
しかし近年、学歴を重要視する企業は少なくなっていると言われています。

実際に就職サイトなどに掲載されている求人情報を見ると、応募要件にて最終学歴に言及している求人はほとんど見当たらず、能力や経験を重要視する傾向が見られます。

そもそも、保健師になるには皆一様に国家試験を突破しなくてはならず、合格者は保健師としての知識や能力を有していることを国により証明されているのです。
試験に合格した時点でスタートラインは一緒なのですから、最終学歴よりも個人の経験や能力が評価に影響しやすくなります。

以上を踏まえると、保健師として働くにあたり、最終学歴は初任給やその後の収入額にさほどの影響をもたらさないと言っていいでしょう。

保健師の平均年収や男女・年齢別収入まとめ

以上、保健師の平均年収や性別、就職先、最終学歴による収入の違いについてご紹介しました。

保健師の平均年収は約476万円で、男性は約457万円女性は約478万円です。

保健師の就職先で最も高収入を狙える可能性があるのが産業保健師です。
行政保健師は国民水準以上の年収と安定が得られ、学校保健師は他と比べると低収入ながらも働き方に余裕がある傾向が見られます。

最終学歴で収入に大きな差が出ることは考えにくく、自治体や企業によっては保健師の採用にあたり学歴区分を撤廃しているところも少なくありません。

保健師を目指す際には、ぜひこの記事も参考に就職先を検討してみてください。

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