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舞台の美術スタッフさんの仕事内容とは?美術制作の仕事は大変?

更新日:2023-08-07

舞台の美術スタッフさんの仕事内容とは?美術制作の仕事は大変?

「舞台の美術スタッフ」とは、演劇やダンス・コンサートなどのステージを具体化・実現するお仕事です。

「制作業はキツイ…休めない…」などネガティブな声を聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。
また、舞台・美術スタッフにしかできない魅力的なこととは一体何なのでしょうか。

実際に、舞台・美術スタッフの仕事内容・なり方・活動の流れについて見ていきましょう。

「舞台スタッフ」「美術スタッフ」といっても、種類は様々!!

美術スタッフの仕事内容

舞台スタッフ・美術スタッフと聞くと、「本番前の準備」が主な仕事のように思いますよね。

ところが!!本番中、舞台を動かしているのは演者ではないのです。「舞台スタッフ」「美術スタッフ」は、言うなれば「裏方の主役」。そう、彼らはステージ成功のために袖幕を奔走しているのです。

美術監督・舞台監督

舞台上のすべての制作物・装置の監督です。主に、装置の安全性の確認・場面の転換がスムーズに行えているかの確認をします。小規模のステージになると、全体の進行を指揮する「舞台演出家」と兼任になる場合があります。

舞台演出家

美術監督・舞台監督とよく間違えられがちです。美術監督・舞台監督が技術的な面を担っているのに対し、舞台演出家は「演者の指導」「舞台上の表現方法を考える」など、映画監督のようなポジションを担っています。
団体やアーティスト自身が演出を担当することもあります。

装飾

美術監督・演出家と相談しながら、ステージに適した衣装の制作や、現場の装飾を行います。小道具と同じように扱われることもあります。
時代考証(制作物がその時代の生活様式に適しているかどうかを検証する)を行うことも多く、歴史への理解・知識が求められます。

小道具

演者が使用する椅子・カップ・食べもの(消えもの)の準備や、小道具の制作・プリセット(あらかじめ袖幕に準備しておくこと)を行います。
現場スタッフとして小道具を制作することもあれば、外注やレンタルを行うこともあります。

大道具

大がかりなセットの制作・設置、バミリの準備、ダンス公演ならリノリュームの敷設、さらに紙吹雪や金チラを降らせるのも大道具のお仕事になります。
現場スタッフとして制作・または工場での外注になります。

照明技師・音響スタッフ

照明技師は、ステージに適した照明案の作成や、本番前の演者との「照明合わせ」、本番中の照明演出を行います。音響スタッフは、演者のマイクテスト・本番中の音響演出だけでなく、場面に適した音の録音も行います。
どちらも制作会社に入社して業務を担当するのが一般的ですが、フリーランスで活躍している方も多くいます。

舞台スタッフ・美術スタッフはどうやってなるの?必要なのは「専門知識」と「創造性」「人脈」

美術スタッフに必要な資格

「舞台スタッフ」「美術スタッフ」になるためには、特別な資格はいりません!!

ただし、その仕事内容ゆえに「専門知識」「創造性」「人脈」が大きくキャリアを左右することになります。一体どのようにして、その力を身につけるのでしょうか。

高校卒業後、専門学校・美大進学が一般的。学ぶことを止めないで!

一般的には高校を卒業して、デザインや造形技術が学べる学科のある専門学校・美術大学に進学し「専門性」を身につけます。

「美術」という幅広い分野を相手にする仕事なので、自分の専門分野以外にも「ファッション」「建築」「CG」と幅広く学び、流行には常に敏感である必要があります。後々、学んだことが思わぬところ「創造性」につながるかもしれません。常に学び続ける姿勢が大切です。

在学中、アルバイトやインターンに積極的に参加し、そのまま正社員になるという人も多いようです。つまり、仕事をつなげていく上での「人脈」作りがとても大切なのです!!「まだ勉強中だから」と思わずに、現場に入れるチャンスをどんどん作ってください。

普通の大学から「舞台スタッフ」「美術スタッフ」はムリ?

専門学校・美大進学が一般的と書きましたが、これを読んでいる方の中には、「専門学校じゃなくて普通の大学に入っておけ!」と親に言われた、又は大学に入ってから舞台美術に興味を持った、という方もいるのではないでしょうか。

端的に言うと「簡単ではないが、可能」です。

「早稲田大学舞台美術研究会」に代表されるように、大学の中には、インカレ(別の大学の人も入れる!)で、優れた劇団や舞台美術サークルを持っている大学が存在します。「専門性」はもちろん、外部の団体から依頼を受けて活動しているところも多く、まさに「人脈」づくりに最適と言えます。

また、「大道具」の仕事では設計図がある程度作成できることが求められます。「建築学科」に進学して専門性を高める、というのも一つの手ですね。

いずれにしても、専門学生・美大生同様、在学中にたくさんの現場アルバイト・インターンには積極的に参加してください!小劇場や、地方であれば「市民劇」と呼ばれるアマチュアの催し物がある場合があります。未経験でも、まずはそのようなところから経験を積んでいきましょう!

実際のところ「舞台スタッフ」「美術スタッフ」って食べていけるの…?

実は、「舞台スタッフ」「美術スタッフ」の年収・忙しさは雇用形態・会社・業務内容によって様々!自分の条件に合った就職先を選びましょう。

雇用形態は会社勤務・劇団所属・アルバイト、フリーランスも!

「舞台スタッフ」「美術スタッフ」全体の平均年収は250~600万円前後。アルバイトは自給1000円程度となります。ただし美術監督ともなると年収1000万円いただけることも…!

制作会社勤務の場合、徹夜状態でほぼ毎日働くところ、週に何度か休みがもらえるところなど、忙しさは会社によって様々。

劇団所属の場合、ロングランの地方公演となると、数か月間帰宅することは困難になります。自分に合わせて仕事量を決められるため、技術を身につけた人たちはフリーに転身する人もいます。特に、結婚・出産などによって環境が変化しやすい女性の舞台・美術スタッフはフリーで働く人が多いようです。

「舞台スタッフ」「美術スタッフ」の活動に密着!

舞台公演の場合、舞台スタッフ・美術スタッフのお仕事は、制作から配布された台本を読み込むことから始まります。その後スタッフ全員で打ち合わせを行い(美打ち)、イメージの確認をします。それをもとに各スタッフがそれぞれの作業に取り掛かります。

本番前日又は二日前に会場に入り(小屋入り)し、機材搬入後、各スタッフがそれぞれの仕込みを行います。本番は、9時ごろに現場入りし、装置のチェック、11時ごろには俳優の舞台稽古が始まります。お昼休憩をとった後、昼公演の開始です。夜公演を終え、翌日の準備をした後、帰宅するのは23時ごろになります。

まとめ

これまで見てきたように、舞台・美術スタッフに求められるのは「専門知識」「創造性」「人脈」「体力」です。これだけ見ると「必要なことは多いしキツそう」という印象ですが、それだけ機械には真似できない安定した職業だということが分かります。

それに、誰かの輝く瞬間を創れるって素敵なお仕事だと思いませんか?
筆者もダンス公演に出演したことがありますが、紗幕に映る映像の微調整から、天井に何個も仮面を吊るす・ホリゾント幕に何十個もの電飾をつけるといった大規模でワガママなお願いまで、全て舞台・美術スタッフさんが実現してくださいました。自分がキラキラするのもいいけど、誰かのキラキラをお手伝いできるのも素敵だなと思った覚えがあります。

是非、この記事を参考に、そんな素敵なお仕事「舞台スタッフ」「美術スタッフ」を目指してみてください。

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