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手話技能検定試験の合格率や日程・申込方法・手話検定との違いについて

更新日:2019-07-09

手話技能検定試験の合格率や日程・申込方法・手話検定との違いについて

手話技能検定試験は、どの程度手話の学習が進んでいるのかを認定している民間資格です。いわば、英語の英検、漢字の漢検のような存在というわけです。

手話通訳士とは別で、あくまで、手話の技能を検定するためのものです。本記事ではそんな手話技能検定試験の日程・合格率や申し込み方法、よく耳にする「手話検定」との違いなどなど総合的にまとめました。

手話技能検定試験ってどんな資格?

手話技能検定

さまざまな情報を手の動きによって伝達し、聴覚障害をもつ方々とのコミュニケーションを円滑にはかるバリアフリー社会において重要な技能を認定している資格です。

手話初心者から上級者まで対応の各級が存在しており、手話を学びたい方が気軽挑戦できる検定になっています。

手話技能検定の資格は「NPO手話技能検定協会」が運営管理を行っています。

NPO手話技能検定協会とは

内閣府認証を受けている特定非営利活動法人(NPO法人)で、民間資格の手話技能検定試験を実施している団体。

NPO手話技能検定協会

手話技能検定に必要な知識・受験資格

7級は、指文字(五十音)の基本形が読み取れればOKです。

5~6級は、あいさつや日常によく使われる単語、自己紹介、趣味についての応答ができることが必要です。4級はお店や窓口での会話、3級は接客に必要な会話がわかっていることが必要です

準2~2級は、手話での会話ができること、準1~1級は、相手に合わせ、表現や読み取りができることが必要となります。

受験資格は、次の通りです。

受験資格
7級~準2級 なし
2級 準2級合格済
準1級 2級合格済
1級 準1級合格済

7級から準2級までは特に条件は定められておらず誰でも受験することができます。それより上のレベルでは前の級に合格していることを要求されています

手話検定との違いとは?

手話検定と一言で言ったり、履歴書に『手話検定』と書いたりしてしまうと何の資格を指しているのか違いが分からなくなることがあります

実は手話技能検定と同じ分野の他の資格として、

  • 手話通訳士
  • 全国手話検定試験

という資格も存在しています。手話通訳士は、公的資格となっており手話を用いた資格の中でも上位レベルとなる資格です。

そして『手話検定とどう違うの?』という質問の原因にもなっているであろう全国手話検定。これは検定内容も主催・管理している団体も違う別物の資格です。

現在、手話検定と一言で表すとこちらのことを指していると思う人も半分、手話技能検定を略しているのだなと感じる人も半分程度居るようなので、注意が必要です。

どちらかと言えば全国手話検定のほうがマイナー資格となっており、手話資格を取って履歴書に書くのなら手話技能検定試験の3級辺りからがおすすめでしょう。

手話技能検定試験合格の為の勉強法

手話技能検定

英語などの語学勉強とは違い、単語を黙々と覚えるなどの勉強法では手話技能検定試験は合格できません

単語とサイン(動作)を一緒に覚えなくてはいけないのです。手話はコミュニケーションツールということを前提に勉強を始めましょう。

相手があっての手話です。相手の癖、動作の速さ、手の大きさや指の細さによってでさえも手話の読み取りが別物になることもあります。

なるべく多くの手話に触れる

近くの手話サークルやボランティアにできるだけ参加して多くの手話に触れることが大切です。

独学でも合格は狙えます。自分のペースで手話を勉強することができるので、まずは過去問に出てくる単語から覚えていきましょう。名刺、同市、形容詞…など難しいことは考えずに1つ1つ、どんどん覚えていきます。

このときに手話辞典を使用しましょう。イラスト入りで細かい動作指示が入ったものがおすすめです。

文章のクセや指文字に慣れる

単語の次は文章に慣れましょう。手話の文法は日本語と違う場合があります。主語+動詞+目的語など、少し英語表現に似てくる場合もあります。

また、疑問文や否定文、肯定文とパターンは様々です。しかし、勉強するにつれ規則性が見えてきます。その感覚を掴めれば単語だけでも文章の読み取りや作成はぐっとやりやすくなります

手話に慣れてきても、指文字や数字を読み取るのは苦手な方が多いです。また、自分で指文字を表すことができても読み取るとなると難しいものです。そんな場合は指文字専用のDVDを繰り返し観る勉強法がおすすめです。

最後は長文読解です。長文は単語、数字文字、指文字だけでなく状況判断や記憶力も問題になってきます。長文問題はできるだけ多くのメモを取り、質問に答えることがポイントとなります。手話を読み取りながらメモを書くことも最後の難関となるでしょう。

手話技能検定試験の申込方法・試験料・難易度・日程などの試験概要

手話技能検定

手話技能検定試験への申込方法は、6級~準2級と、準1級はネット申し込みと郵送での申し込みの2方法あります。

ネット申し込みを利用する場合は、公式サイトから申し込みをすることができます

手話検定準1級申し込み
手話検定準2級~6級申し込み

なお、1級と2級は郵便での申し込みとなります。

検定料
7級 1750円
6級 3600円
5級 4650円
4級 5150円
3級 5650円
準2級 6150円
2級 7650円
準1級 9000円
1級 10500円

検定料は全て税込みです。

手話技能検定試験科目等の内容

試験内容は級によって異なります。

時間 試験内容
7級 30分 記述式筆記試験
紙面の読み取り
6級 50分 四肢択一式筆記試験
映像の読み取り
5級 70分 四肢択一式筆記試験
4級
3級 80分 四肢択一式筆記試験
映像の読み取り
準2級 100分 四肢択一・
長文書き取りの筆記試験
映像の読み取り
2級 課題文表現・
質疑応答の実技試験
面接試験
準1級 90分 長文書き取りの筆記試験
映像の読み取り
1級 ディスカッション(討論)
課題文表現の実技試験

手話技能検定試験の合格率

第44回
合格率
1級
【実技】
準1級 0.0%
2級
【実技】
準2級 37.3%
3級 74.2%
4級 83.0%
5級 93.7%
6級 98.6%
第45回
合格率
1級
【実技】
準1級 0.0%
2級
【実技】
44.4%
準2級 18.9%
3級 56.8%
4級 87.2%
5級 95.5%
6級 97.8%
第46回
合格率
1級
【実技】
準1級 0.0%
2級
【実技】
準2級 48.9%
3級 77.4%
4級 84.6%
5級 98.4%
6級 89.2%
第47回
合格率
1級
【実技】
準1級 0.0%
2級
【実技】
61.0%
準2級 11.9%
3級 74.7%
4級 83.2%
5級 94.8%
6級 96.1%

資格取得の難易度としては、2~7級までは易しく、比較的簡単に取れる資格となりますが、過去3年間での試験において準1級合格率は0%です。

実際に受験した人によれば、誰も知らない見たこともないような手話が出題内容となっており、必要なのかどうか怪しいレベルとの意見も出ているようです。

受験者数も10人程度と少ないため、誰も合格できずに全滅するのも珍しくない事です。

手話技能検定試験の日程

筆記試験と実技試験があり、筆記は年に2回、3月と9月に行われます。

実技に関しては1級が7月、2級が11月に行われます。

2019年の試験日日程は、

日程 実施試験
3月17日 筆記試験
7月21日 1級実技試験
9月22日 筆記試験
11月17日 2級実技試験

となっています。

合格発表については、

  • 3~6級:試験日の約1か月後
  • 準2級~1級:試験日の約2か月後

に発送されます。

手話技能検定試験合格後の就職先や将来性はある?

手話技能検定

手話が活躍できる場として、介護福祉施設などが挙げられます。

ただ、それほど企業認知度の高い資格ではありませんので、この資格を取得したからといって即、手話のプロとして仕事ができるとは考えにくいです。

また、手話通訳士とは別の資格であるため、手話技能検定に合格したからといって手話通訳士になれるわけではありません。

手話を仕事にしたいと考えるのであれば手話通訳士の試験を受けることも考えると良いでしょう。

手話技能検定の現状

時代ともに障害者の社会参加が進む中、正しい知識を持つ手話が使える方の需要は増えています

養護施設や福祉施設、病院だけでなく、銀行、百貨店、警察、議会など日常生活のあらゆる場面で、耳の不自由な方が他の人と同じようにサービスを受けるためには、手話が使える方の存在が必要不可欠です。

しかし、手話を使って仕事をする方が手話一本で生計を立てられるのは難しいと言えます。

福祉の仕事は、社会的責任も大きく、担う役割も非常に大きなものであり、その需要がなくなることはありません。

しかしその一方で職業としてはまだまだ雇用人数が少なく、待遇面でも厳しい業界であるのが現状です。

手話技能検定の将来性

手話は言語です。

耳の不自由な方にとって唯一扱うことのできる言語なのです。手話の需要がまったくなくなるということはまず無いと考えてよいでしょう。

独立や開業の視点からは、この資格1本では独立できるようなものではありません。公的資格となっている手話通訳士の資格を取得すると、フリーでも十分に需要のあるレベルの仕事がこなせることの証明ともなり、独立も視野に入れることができるでしょう。

手話技能検定試験の合格率や日程・申込方法・手話検定との違いまとめ

手話技能検定試験についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

手話検定との違いとは?という疑問もこれでハッキリとしましたね!履歴書に書く場合はそれぞれ、『全国手話検定』『手話技能検定』と必ず正式名称で書きましょう

手話技能検定試験はどの程度手話を使いこなせるかの実力を測定するものですので、本格的に手話通訳士などの道を目指す場合は公的資格として認められている手話通訳士試験にも挑戦してみてはいかがでしょうか?