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ネイルの資格の中に国家資格はある?種類や取得費用について

更新日:2022-08-17

ネイルの資格の中に国家資格はある?種類や取得費用について

美容系職業の代表格である美容師になるためには、国家資格である美容師免許を取得しなくてはなりません。では、同じく美容系の職業であるネイリストにも、このような国家資格が求められるのでしょうか?

また、ネイル系の資格には様々なものが存在していますが、一体どの資格を取得すればいいのでしょうか?

この記事では、これからネイリストを目指す方、ネイリストとしてのスキルアップやキャリアアップを目指す方に向け、ネイル関連の資格の種類やその内容、取得にかかる費用など、ネイリストにまつわる資格について広く解説します


ネイル資格取得におすすめのスクール

ネイリスト資格は国家資格?

行政書士_独占業務

近年ネイル系の資格の種類が増えてきていますが、そのいずれもが民間資格であり、現在国家資格に該当するものはひとつもありません

例えば美容師やアイリストは国家資格である美容師免許がなくてはなれない職業ですが、ネイリストは国家資格や特別な免許などがなくとも目指せるのです

完全無資格・無免許の人でもネイリストになることは可能であり、その参入のしやすさが、ネイリストという職業の人気を一段と盛り上げています。

ネイル資格が国家資格になる可能性はある?

今後ネイリストが国家資格になるか否かについて、未だはっきりとしたことは分かっていません。しかし、可能性としては十分に考えられます

その理由のひとつは、海外の動向です。海外では、ネイリストを国家資格に設定している国が少なくありません。中でもアメリカ・オーストラリア・韓国のネイリスト資格は日本でもよく知られています。

2つめの理由は、グリーンネイルなどの健康被害の発生です。被害相談の増加を受け、厚生労働省は2010年に「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」を定めました。今後、未熟な施術による健康被害を減らすために、制度が厳格化されることも考えられます。

理由の3つめは、ネイル系資格の中でも有名なネイリスト技能検定を実施する日本ネイリスト検定試験センターが、2012年に内閣総理大臣の認定を受けて公益財団法人になったことです

ネイリストに関する資格の専門性や公益性、社会的な価値の高まりが認められた結果であり、このような経緯を考えると、今後ネイリストの資格がさらに重要視される可能性もゼロではありません。

とはいえ、ネイリストの国家資格化について指摘され始めてから、もう10年ほど経過しています。仮に国家資格化が実現するとしても、すぐに大きな変化が生じる可能性は低いとみていいでしょう

国家資格化したら今の資格はどうなる?

では、仮に将来ネイリストが国家資格化した場合、既存のネイル系資格はどのような扱いになるのでしょうか。

先ほど、日本ネイリスト検定試験センターが一般財団法人から公益財団法人に変わったことをご紹介しました。この際、一般財団法人時代に取得した資格(ネイリスト技能検定)は、公益財団法人になった後も有効とする措置が取られています

つまり資格のスライドが行われたわけですが、このように、新たに公的な資格が設けられたり、制度が厳格化されたりする場合、既存の制度とのすり合わせが議論に上ります。

この経緯を鑑みるに、今後ネイリストが国家資格化した場合、既存のネイル系資格がスライドされたり、既存資格保持者には国家試験の科目の一部を免除する措置がとられたりする可能性が、十分考えられるのです。

現在、ネイリストは無資格でも目指せる職業です。また、今後ネイリストが国家資格化する目途は一切立っていません。
しかし、将来の可能性を考えるなら、ネイルの資格は可能な限り取得しておいた方が安心です

国家資格化した場合のメリット・デメリット

仮にネイリストが国家資格化した場合、どのようなメリット・デメリットが想定されるでしょうか?

想定されるメリットと、そこから考えられるデメリットについて考えてみます。

国家資格かした場合のメリット

ネイリストが国家資格化するメリットとしては、ネイリスト業界全体の技術・質の向上が挙げられます。

国が定める厳格な基準を満たした者のみがネイリストとして認められ、技術・知識が未熟な者は排除されることとなります。
施術を受ける側、お客さんとしては安心感が高まりますね。

国からその技術や知識の専門性を認められることで、ネイリストという職業の社会的地位や信用が向上することも考えられます。

国家資格かした場合のデメリット

一方、排除される側からすれば、国家資格化はデメリットです。ネイリストが国家資格になることで、これまでネイリストとして働けていた人が仕事を失う可能性もあります

改めて国家資格を取得するにしても、美容師免許のように取得まで数年かかるのであれば、生活が立ち行かなくなるかもしれません。

また、ネイリストという職業の社会的地位が向上することで、今よりさらにネイリストの人気が増すことも考えられます。ライバルが増えれば、その分小規模なホームサロンなどは経営が難しくなるでしょう

ネイル資格を所持するメリット

現状絶対に必要というわけではないネイル関連の資格ですが、その実、ネイルスクールなどではネイル資格の取得が強く推奨されています。理由は、ネイル資格を所持することで、以下のメリットが享受できるからです。

  • ネイリストとしての技術を対外的に証明できる
  • 顧客の信用を得やすい
  • ネイルサロンなどへ就職しやすい
  • 資格勉強の中でネイリストに必要な技能が抜け漏れなく習得できる

特別な資格が要求されないネイリストという職業は、参入障壁が低いのが特徴です。ネイリストを目指す人にとっては利点ですが、客の立場では、技術が未熟であってもネイリストを名乗れてしまうという意味で、参入のしやすさがデメリットになりかねません。

料金を払って自分の身体の一部を預けるのですから、技術と経験が豊富なネイリストに施術をお願いしたいと考えるのは、当然の心理です。

ネイル系の資格を所持していれば、自分が一定水準以上の技術を持ったネイリストであることを、対外的に証明できます。技術面において顧客からの信用を得るには、資格を取るのが手早く確実な方法です。

また、資格はネイルサロンへの就職にも役立ちます。求人への応募条件に、特定のネイル系資格保持者を指定しているサロンも少なくありません。

なお資格を取るためには、プロのネイリストに求められる技術や知識を満遍なく学習する必要があります。そのため、特にこれからネイルの勉強を始める人は、最初から資格試験対策を視野に入れた学習を行うことで、効率よく必要な技能を習得できるでしょう。

ネイル資格の種類【技能検定系】

ネイルモデル バイト代

ここからは、ネイリストを目指す人なら押さえておきたいネイル関連の技能検定を4つ、ご紹介します。

  • JNECネイリスト技能検定
  • JNAジェルネイル技能検定
  • INAネイルスペシャリスト技能検定
  • INAジェルネイル技能検定

JNECネイリスト技能検定

先ほどご紹介した日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が、ネイルの正しい技術・知識の向上を目的に実施している検定試験です。

内閣総理大臣の認定を受けた公益財団法人が認証する、ネイル系の中でも最も権威のある資格ですので、まずはこのJNECネイリスト技能検定を取得することが広く推奨されています。

JNECネイリスト技能検定3級

難易度(1~5) 1
試験内容 ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識。
試験時間 事前審査:10分
実技試験:70分
筆記試験:30分
実施時期 年4回(1月・4月・7月・10月)
受験費用 税込6,800円
合格基準 実技試験:38点以上(50点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)
合格率 84.4%

出典:日本ネイリスト検定試験センター 技能検定試験 概要

JNECネイリスト技能検定2級

難易度(1~5) 3
受験資格 JNECネイリスト技能検定3級取得者
試験内容 サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識。
試験時間 事前審査:10分
実技試験:90分(前半35分・後半55分)
筆記試験:35分
実施時期 年4回(1月・4月・7月・10月)
受験費用 税込9,800円
合格基準 実技試験:38点以上(50点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)
合格率 41.78%

出典:日本ネイリスト検定試験センター 技能検定試験 概要

JNECネイリスト技能検定1級

難易度(1~5) 5
受験資格 JNECネイリスト技能検定2級取得者
試験内容 トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識。
試験時間 事前審査:10分
実技試験:160分
筆記試験:40分
実施時期 年2回(4月・10月)
受験費用 税込12,500円
合格基準 実技試験:38点以上(50点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)
合格率 38.25%

出典:日本ネイリスト検定試験センター 技能検定試験 概要

JNAジェルネイル技能検定

ネイルの中でも、特にジェルネイルに関する技能・知識を測るための検定試験で、日本ネイリスト協会(JNA)が実施しています。ジェルネイルはネイリストにとって必須のスキルですので、こちらも併せて取得したいところです。

JNAジェルネイル技能検定初級

難易度(1~5) 1
試験内容 ネイルケアのベーシックマスターとジェルネイルを施術するために必要な基礎的知識と技術
試験時間 事前審査:15分
実技試験:95分(第1課題35分・第2課題60分)
筆記試験:30分
実施時期 年2回(6月・12月)JNA認定校における自校開催制度あり
受験費用 税込9,900円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)
合格率 約70%

出典:日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」資格の王道

JNAジェルネイル技能検定中級

難易度(1~5) 3
受験資格 JNAジェルネイル技能検定初級取得者
試験内容 ネイルケアとジェルネイルを施術するためにプロとしてサロンワークに必要な専門知識と技術
試験時間 事前審査:10分
実技試験:115分(第1課題30分・第2課題85分)
筆記試験:30分
実施時期 年2回(6月・12月)JNA認定校における自校開催制度あり
受験費用 税込13,200円
合格基準 実技試験:70点以上(100点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)
合格率 約60%

出典:日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」資格の王道

JNAジェルネイル技能検定上級

難易度(1~5) 4
受験資格 JNAジェルネイル技能検定中級取得者
試験内容 ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術
試験時間 事前審査:10分
実技試験:85分
実施時期 年2回(6月・12月)JNA認定校における自校開催制度あり
受験費用 税込16,500円
合格基準 実技試験:70点以上(100点満点中)
合格率 約45%

出典:日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」資格の王道

INAネイルスペシャリスト技能検定

NPO法人インターナショナルネイルアソシエーションが実施する、ネイル全般の技術・知識を測る検定試験です。プロだけでなく、学生・初心者向けの級も用意されています。

JNECのネイリスト技能検定と異なり、飛び級が可能です。また、プロフェッショナル向けの級は3段階に分かれており、試験の点数によってどの級が取得できるかが変わります。単純な合否で判定されるわけではない点も、JNECとは異なるのです。

特にプロフェッショナル向けの級の難易度は高めに設定されていますので、より一層のレベルアップを目指す方にお勧めしたい試験です。

INAネイリスト技能検定A級

難易度(1~5) 1(学生・初学者向け)
試験内容 ネイルケア、カラーリング(マット赤)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:55分(ネイルケア30分・カラーリング25分)
学科試験:30分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込10,000円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)
学科試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「ネイルスペシャリスト 技能検定試験」

INAネイリスト技能検定SA級

難易度(1~5) 2(学生・初学者向け)
試験内容 ネイルケア、チップオーバーレイ、カラーリング(パールホワイト)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:75分
学科試験:30分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込12,000円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)
学科試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「ネイルスペシャリスト 技能検定試験」

INAネイリスト技能検定PA/AA/AAA級

難易度(1~5) 3~5(プロフェッショナル向け)
試験内容 ネイルケアネイルチップ、スカルプチュア(クリア・フレンチ)、カラーリング(マット赤・ホワイトパール)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:75分
学科試験:30分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込12,000円
合格基準 実技試験:PA級60点、AA級70点、AAA級80点以上(100点満点中)
学科試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「ネイルスペシャリスト 技能検定試験」

INAジェルネイル技能検定

同じくインターナショナルネイルアソシエーションが実施する、ジェルネイルに特化した技能検定です。こちらは飛び級制度はなく、3級から順番にステップアップする必要があります。

なお、INAのジェルネイル技能検定は3級にのみ筆記試験が課せられます。

INAジェルネイル技能検定3級

難易度(1~5) 1
試験内容 ネイルケア、プレパレーション、コーティング(クリア)、カラーコーティング(マット赤)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:60分
筆記試験:30分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込10,000円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)
筆記試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「INAジェルネイル技能検定試験」

INAジェルネイル技能検定2級

難易度(1~5) 3
受験資格 INAジェルネイル技能検定3級取得者
試験内容 ネイルケア、プレパレーション、チップオーバーレイ、カラーコーティング(パールホワイト)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:75分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込10,000円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「INAジェルネイル技能検定試験」

INAジェルネイル技能検定1級

難易度(1~5) 4
受験資格 INAジェルネイル技能検定2級取得者
試験内容 ネイルケア、プレパレーション、スカルプチュア、カラーコーティング(フレンチ)
試験時間 事前審査:10分
実技試験:90分
実施時期 年4回(2月・6月・10月・12月)
受験費用 税込10,000円
合格基準 実技試験:80点以上(100点満点中)

出典:インターナショナルネイルアソシエーション「INAジェルネイル技能検定試験」

資格を取る順番について

上でご紹介した4つの資格のうち、JNAジェルネイル技能検定には実技試験の一部を免除する制度が設けられています。その条件は、JNECネイリスト技能検定の同等級以上の取得です

つまり、JNECネイリスト技能検定の3級以上を有している人は、JNAジェルネイル技能検定初級の第1課題を、JNECネイリスト検定2級以上の保持者はJNAジェルネイル技能検定中級の第1課題を、それぞれ免除してもらえるのです。

ネイリスト技能検定がネイリストとしての技術・知識全般を問うものなのに対し、ジェルネイル技能検定はその中でもジェルネイルを追求した検定です。どちらにも共通する基礎の部分は、ネイリスト技能検定の内容でカバーできるためでしょう。

そのため、JNECネイリスト技能検定とJNAジェルネイル技能検定の両資格の取得を目指す方は、下記の順番で受験することで、より効率的に資格が取得できます

  1. JNECネイリスト技能検定3級取得
  2. JNAジェルネイル技能検定初級取得
  3. JNECネイリスト技能検定2級取得
  4. JNAジェルネイル技能検定中級取得

なおJNECネイリスト技能検定1級とJNAジェルネイル技能検定上級の間には、試験免除制度はありません。

ネイル資格の種類【スキルアップにおすすめ】

ネイルモデル なるには

続いては、ネイリストとして更なるスキルアップを目指す方、より一層活躍するためにプラスアルファの資格がほしい方にお勧めの、スキルアップ系資格を2つご紹介します。

  • ネイルサロン衛生管理士
  • JNAフットケア理論検定試験

ネイルサロン衛生管理士

お客様が安心してネイルサービスを受けられるよう、ネイルサロンの衛生管理の向上を目的に、日本ネイリスト協会(JNA)により設けられた資格です。

JNA認定校で開催される講習会に参加し、その後確認テストに合格することで、ネイルサロン衛生管理士の資格を獲得できます

難易度(1~5) 1
受験資格 18歳以上の者
試験内容 JNAが制定した「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を普及し、ネイルサロンの現場で正しく活用する
試験時間 理論講習:180分
確認テスト:20分
実施時期 JNA認定校による
受験費用 税込10,560円
合格基準 筆記試験:80点以上(100点満点中)

出典:日本ネイリスト協会「ネイルサロンの衛生管理」

JNAフットケア理論検定試験

フットケアに関する技術・知識を測るための検定試験です。近年のフットケアに対するニーズを受け、2019年に日本ネイリスト協会(JNA)により新設されました。

JNAの認定講師資格試験を受験するには、このフットケア理論検定試験に合格している必要があるため、ネイリストとしてのキャリアアップを目指す人には欠かせない試験です。

こちらも、まずセミナーを受講した後に筆記試験が行われます。

難易度(1~5) 2
受験資格 下記のいずれかを取得している人
ネイリスト技能検定試験(JNEC):3級以上
JNAジェルネイル技能検定試験:初級以上
JNA国際ネイリスト技能検定試験:3級以上
試験内容 ネイリストが、プロとしてサロンワークでフットケアを施術するために必要な理論
試験時間 セミナー:120分
筆記試験:30分
実施時期 JNA認定校による
受験費用 税込8,800円
合格基準 筆記試験:80点以上(100点満点中)

出典:日本ネイリスト協会「フットケア理論検定試験」

ネイル資格の種類 まとめ

ネイリストは国家資格ではなく、ネイル関連の資格は全て民間資格です。唯一、JNECネイリスト技能検定のみ、内閣総理大臣の認定を受けた公益財団法人が認証する資格として権威を持っています。

今後ネイリストが国家資格になる可能性については、長く話題に上っています。今すぐに国家資格化するとは考えにくいですが、将来のことを考えると、無資格でいるよりは資格を取得した方が安全です

また、資格取得には様々なメリットがあります。ネイリストとしてより一層活躍するためにも、技能検定系とスキルアップ系の資格取得を目指してみるといいかもしれません。