介護福祉士は、その名の通り、介護の専門的な知識と技術を持つ資格です。
これから介護福祉士の資格を取得しようとしている方や、介護現場でのスキルアップを目指して受験を検討している方も多いでしょう。
しかし、介護福祉士の受験資格にはどのような要件があるのか、試験内容はどのようなものか、また受験者の平均年齢がどのくらいなのか気になる方もいることでしょう。
そこで今回は、介護福祉士の受験資格から試験内容、受験者の平均年齢まで、これから初めて介護福祉士の受験を検討する方向けに、徹底的に解説していきます。
介護福祉士の受験資格を得る4つの方法
介護福祉士の受験資格を得るためには、いくつかのルートがあります。
それぞれのルートに応じて、特定の要件を満たすことが必要です。
以下に、主な受験資格の要件を説明します。
- 福祉系高等学校卒業ルート
- 指定養成施設卒業ルート
- 実務経験ルート
- 経済連携協定ルート
これらの要件を満たすことで、介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。
具体的な要件について、以下で詳しく説明します。
介護福祉士の受験資格①福祉系高等学校卒業ルート
所定の福祉系高校に進学し、指定の単位数を修了を得ることで、介護福祉士の受験資格を得られます。
ただし卒業後に福祉系野高校になった場合は適用されず、2009年以降入学し卒業した生徒に限り、受験資格が付与されます。
高校卒業と同時に国家資格の受験資格が獲得できるので、なにもわからない状態から養護施設で働かなくてもいいのがメリットです。
また2009年以降に福祉系の高校に進学した場合、実技試験免除、筆記試験のみで受験が可能です。
2008年以前に福祉系野高校に在学していた場合は、実技試験の合格あるいは所定の研修を受ける必要がありますので、注意が必要です。
介護福祉士の受験資格②指定養成施設卒業ルート
厚労省が指定している介護福祉士養成施設を卒業することで、介護福祉士の受験資格が得られます。
高卒以上であれば2年間の在籍、その他福祉関連の養成施設に在籍した経験がある方は1年間の在籍でOKです。
双方ともに実技試験は免除になります。
介護福祉士の養成施設は実技習得をメインにしているので、通信制での受講はできません。
働きながら通いたい場合は、夜間開校されている養成施設を選ぶと良いでしょう。
ただし、既に指定養成施設を卒業している場合、卒業年度に応じて介護福祉士の資格取得条件が異なるので、注意が必要です。
- 2016年卒業の場合:養成施設卒業で介護福祉士資格取得
- 2017年~2026年卒業の場合:登録申請で5年間介護福祉士の有資格者として認定
- 2026年以降卒業:養成施設卒業でも介護福祉士国家試験を受験する必要がある
2017年~2026年の間に養成施設を卒業する場合、実技試験免除の状態で国家試験に合格するか、卒業後荷5年以上介護実務に従事する必要があります。
介護福祉士の受験資格③実務経験ルート
介護福祉士の受験資格を獲得するには、専門の養成講座に通わなくても一定の実務経験を積めばOKなこともあります。
3年以上の実務経験・介護福祉士実務者研修修了を満たすことで、国家試験にチャレンジ可能です。
養成講座や高等学校修了と同様に、実務試験をパスできるので、一般的にはこの方法で国家資格にチャレンジすることが多いです。
働きながら取得できるので、経験と共に知識をつけながら資格取得で給与アップも狙えます。
介護福祉士の受験資格④経済連携協定ルート
EPAに基づいてインド寝舌・フィリピン人・ベトナム人を対象とした所定の施設での研修制度です。
研修責任者が監督し、働きながら資格を取得できるため、海外からの日本での就業を目指している方におすすめの方法です。
しかし日本人は対象外、また上記3か国の国籍の人でなければ利用できない制度ですので、注意が必要です。
介護福祉士の資格取得は実務経験ルートが最も多い
介護福祉士の資格取得の条件には全部で4つのルートがありますが、受験者および合格者の8割が実務経験ルートからの挑戦です。
3年以上の実務経験、つまり1094日以上の従事期間と業務の従事日数が540日以上が詳細な用件です。
働いている施設からの証明書類が必要になりますので、事前に働いている事業所や従事している業務自体が試験の受験資格を満たしているかを確認しましょう。
介護福祉士の試験出題内容は?
介護福祉士の試験は、幅広い知識が問われる傾向にあります。
以下では筆記試験と実技試験、それぞれを詳細に解説していきます。
介護福祉士の筆記試験の出題内容
介護福祉士の筆記試験の出題内容は、以下5つの領域から出題されます。
- 人間と社会:人間の尊厳と自立・人間関係とコミュニケーション・社会の理解
- 介護:介護の基本・コミュニケーション技術・生活支援技術・介護家庭
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
筆記試験では60点以上を取る必要があります。
過去問をしっかりと解いて、正答率を上げられるようにしましょう。
介護福祉士の実技試験の出題内容
介護福祉士の実技試験では、介護技術とコミュニケーション技術の2つが課題として課せられます。
各課題で70点以上の得点を取得する必要がありますので、事前の対策が必要になります。
ただし基本的に介護福祉士の受験資格を獲得できるルートは、実務経験が免除になることが多いので、事前に対策しなければならない人は少ないでしょう。
介護福祉士の合格率は約7割
直近で公表されている介護福祉士の合格率は約7割で推移しています。
| 開催年度 | 合格率 |
|---|---|
| 令和4年度 | 82.8% |
| 令和3年度 | 84.3% |
| 令和2年度 | 72.3% |
| 令和元年度 | 71.0% |
| 平成30年度 | 69.9% |
介護福祉士の試験を受験する人の多くは既に実務経験、あるいは専門学校での知識をつけている人が多い傾向にあります。
そのため試験自体の合格率も非常に高い割合です。
過去問と経験を活かしてチャレンジできるので、相対的に合格率も高くなる傾向にあります。
介護福祉士とのダブルライセンスにおすすめの資格
介護福祉士の資格を持つことで、他の関連資格と組み合わせることでキャリアの幅を広げることができます。
以下に、ダブルライセンスにおすすめの資格を紹介します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を併せ持つことで、介護サービスの計画立案や調整業務に携わることができ、利用者への包括的な支援が可能になります。
ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用者に対して最適なサービスを提供するためのプランを作成し、サービス提供者と連携を図ります。
この資格を取得することで、介護現場での経験を活かしながら、さらに幅広い役割を担うことができます。
社会福祉士
社会福祉士の資格を取得することで、福祉全般に関する知識とスキルを持ち、高齢者や障害者の福祉サービスを提供する際に役立つでしょう。
社会福祉士は、福祉施設や病院、自治体などで、福祉サービスの提供や相談業務を行います。
介護福祉士としての経験を基に、より広範な福祉分野での活躍が期待されます。
以下に、社会福祉士の主な業務内容を示します。
| 業務内容 | 具体例 |
|---|---|
| 相談業務 | 利用者や家族からの相談対応 |
| 福祉計画の策定 | 利用者の状況に応じた支援計画の作成 |
| 調整業務 | 他の福祉サービス機関との連携調整 |
精神保健福祉士
精神保健福祉士の資格を持つことで、精神障害者の福祉サービス提供を専門とし、メンタルヘルスケアが必要な利用者に対しても、適切な支援を行うことができます。
精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰を支援するためのリハビリテーションや生活支援を行い、福祉施設や病院、地域支援センターで活躍します。
以下に、精神保健福祉士の主な業務内容を示します。
| 業務内容 | 具体例 |
|---|---|
| 相談業務 | 精神障害者やその家族からの相談対応 |
| リハビリテーション支援 | 社会復帰を目指した支援計画の作成 |
| 生活支援 | 日常生活の支援と社会適応のサポート |
これらのダブルライセンスを取得することで、介護福祉士としての専門性が高まり、多様なニーズに対応できるようになります。
キャリアの幅を広げるためにも、ぜひ挑戦してみてください。
介護福祉士の受験資格を満たしているか確認しよう
介護福祉士の受験資格を満たすためには、いくつかのルートがあります。
福祉系高等学校を卒業後に1年以上の実務経験を積む方法、指定された養成施設を卒業する方法、または介護の現場で3年以上の実務経験を積む方法です。
これらの要件をクリアすることで、介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。
実務経験は、同一施設や同資格でなくても通算できるため、複数の職場での経験も有効です。
具体的な要件と自分の状況を照らし合わせて、資格を満たしているか確認しましょう。
これから介護福祉士の受験を目指す方は、しっかりと計画を立て、準備を進めることが大切です。









