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不動産鑑定士の年収は高い?現実の中央値や、独立・勤務の収入の違い

更新日:2022-08-05

不動産鑑定士の年収は高い?現実の中央値や、独立・勤務の収入の違い

弁護士や公認会計士と並ぶ三大国家資格の1つに挙げられている不動産鑑定士。

その試験の難易度は高く登録人数も少ないため、希少価値の高い資格と言われています。

国や地方自治体からの仕事も受けるため、高収入で安定したイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな不動産鑑定士の働き方や平均年収とその中央値についてご紹介するとともに、独立開業した場合の現実についても調査しまとめました。

これから不動産鑑定士を目指す方、独立開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

不動産鑑定士の仕事と働き方

不動産鑑定士はその名の通り不動産の鑑定評価を主とする職業です。

独占業務である不動産鑑定評価を始め、その鑑定結果に基づき顧客へアドバイスを行うコンサルタント業務も不動産鑑定士の職域です。

不動産鑑定評価業務は大きく「公的評価業務」と「民間評価業務」の2つに分けることができます。

公的評価業務は国や地方自治体から依頼を受ける業務で、民間評価業務は民間企業や個人からの依頼で行う業務です。

そんな不動産鑑定士の働き方は、企業内鑑定士としての働き方と独立開業の2通りに大別されます。

企業内の鑑定士として勤務

不動産鑑定士の勤務先と言うとまず鑑定事務所が思い浮かびますが、それだけではありません。

不動産や土木建設関連企業、金融機関、コンサルティング会社など不動産鑑定士を必要とする企業は多数存在します。

用地取得・処分の際の鑑定評価、担保物件の鑑定評価、土地の活用方法への相談に応じるコンサルタント業務など企業内でその専門知識を活用して幅広く活躍することが可能です。

独立開業

もう一方の働き方として独立開業が挙げられます。

鑑定評価業務は全国各地で発生するうえ、不動産鑑定士には国や自治体から依頼される公的評価業務があるため一般的に独立しやすい職業だと言われています。

さらにコンサルティング業務も手掛けたり他士業と連携したりすることで、幅広い業務を受注することが可能になります。

不動産鑑定士の平均年収

続いて、不動産鑑定士の平均年収について調査しました。

試験の難易度と希少価値の高さから高収入のイメージがある不動産鑑定士の資格保有者ですが、その収入額は働き方によりさまざまです。

ここでは企業や事務所で雇用されていることを前提とし、厚労省の賃金構造基本統計調査結果を基にご紹介していきます。

平均年収

2018年における企業勤めの不動産鑑定士の平均給与は以下の通りです。

平均月収 平均賞与 平均年収(月収×12+賞与)
約38万円 約185万円 約641万円

出典:e-Stat 賃金構造基本統計調査

平均月収の12カ月分に平均賞与を足すと、平均年収はおよそ641万円になります。

なお2019年の不動産鑑定士の平均年収は男性の統計データのみとはなりますが、約754万円でした。

ただし母数となる不動産鑑定士の人数が非常に少ないためこのデータはあくまで参考程度であり、実態とは異なる可能性があります。

不動産鑑定士の年収中央値

不動産鑑定士の年収の中央値は、以下の通りです。

正社員 アルバイト・パート
年収 549万円 時給 1,012円

出典:求人ボックス 給料ナビ

こちらは求人サイトに掲載された求人の給与水準から算出された中央値です。

全体の給与幅は300万円台から1,000万円以上と幅広く、勤務先などにより待遇が大きく異なるようです。

男女別の平均年収

ここでは参考までに2018年の男女別平均年収も掲載します。

男性 女性
平均月収 約37万円 約44万円
平均賞与 約196万円 約137万円
平均年収(月収×12+賞与) 約640万円 約665万円

出典:e-Stat 賃金構造基本統計調査

そもそもこの統計の母数自体が少ないのですが、女性の不動産鑑定士はとりわけ数が少なく正確な数字が出せないのが現状です。

現在不動産鑑定士の男女比率は9:1と言われています。

実務修習期間の収入

筆記試験に合格してすぐ不動産鑑定士を名乗れるわけではありません。

筆記試験合格後1~2年の実務修習期間を経て、修了考査に合格・登録後に初めて不動産鑑定士として仕事ができるようになるのです。

実務修習期間中であっても、鑑定事務所や企業などに就職し働きながら修習を受けることは可能です。

この場合実務修習期間中でも収入は得られますが、あくまで見習いの無資格者として扱われます。

当然その給与はサラリーマンとして平均的な金額にとどまります。

また企業や事務所に就職せず、鑑定事務所に費用を支払って修習を受ける人もいます。

この場合は雇用されていないため、実務修習期間中は無収入となります。

独立したら高収入?独立開業の現実と年収

続いて、独立開業した場合の不動産鑑定士の年収について調査しました。

現在鑑定の報酬額は一律ではなくそれぞれの事務所が自由に設定しているため、不動産鑑定士の収入はその事務所によってまちまちです。

また不動産鑑定士の資格は三大国家資格の1つに数えられていますが、一方その知名度はあまり高くはありません。

業界自体も飽和傾向で、ベテラン鑑定士が「定年退職」をしないため顧客を手放さないこともあり、新規案件獲得は決して楽とは言えません。

その結果営業の巧拙や報酬額設定、受注件数によっては年収が一般的なサラリーマンの年収を大幅に下回る可能性も十分に考えられるというのが現状です。

インターネットの口コミを調べたところ「独立開業した場合の最低年収額は200万円程度」というコメントも散見されました。

一方公的評価業務や民間評価業務をはじめコンサルティング業務なども幅広く手がけたり、高単価の案件を多く受注できたりすれば年収1,000万円を大きく上回ることも決して不可能ではないようです。

ただし、かつて好景気の時代に言われていた「独立開業で年収3,000万円」などという事例は現在ではかなり珍しいと見ていいでしょう。

企業勤務と独立開業、年収アップを目指すには?

ここまで一般企業や鑑定事務所に就職した場合と独立開業した場合の年収についてご説明しました。

これらを元に、企業勤務と独立開業でそれぞれ年収アップを目指すために着目すべき点をご紹介します。

転職や独立を検討される際の参考にしてください。

企業勤務の場合は就職先が重要

不動産鑑定士が企業内鑑定士として雇用される場合、先述の通り活躍できる企業は多岐にわたります。

広い業界で需要があるため年収額も業界によって大きく異なります。

そんな中高収入が期待できるのが金融業界です。

大手の生命保険会社やメガバンク系信託銀行などの企業内鑑定士として勤める場合、年収1,000万円程度は夢ではありません。

特に外資系金融会社で投資や資産管理、M&Aなどに携わる不動産鑑定士は年収が高い傾向にあります。

企業内鑑定士として収入アップを目指すのであれば、金融系への転職を視野に入れることをおすすめします。

独立開業するならマーケティングが重要

独立開業する場合、安定した収入が期待できる公的評価業務は非常に魅力的です。

特に3年に1度ある固定資産税の評価替えの年には、不動産鑑定士全体としての年収が平均100万円はアップすると言われるほどです。

しかし先述の通り、独立している不動産鑑定士には定年退職という制度がありません。

ベテラン鑑定士が引退せずその地域の公的評価業務を受注し続けているというケースが少なくないのです。

新規参入者がキャリアも実績もある古参鑑定士からこのパイを奪うのは容易ではありません。

民間評価案件にしても同様で、既存マーケットには実績を積んだなじみの事業者が存在しています。

この事実を踏まえ、新規に独立開業して運営を安定させるためには「競合が少ない地域を選ぶ」「新しい需要を探し当てる」など、事前の入念なマーケティングが必須となりそうです。

弁護士や会計士などの他士業と提携するかダブルライセンスを取るかして、受注できる業務の幅を広げることも収入アップの近道です。

いずれにせよまずは一般企業や鑑定事務所に就職し、実務経験を積む傍ら人脈を広げ十分にパイプを増やした上で独立するというルートが王道です。

不動産鑑定士の年収と将来性まとめ

以上、不動産鑑定士の仕事内容や平均年収、独立開業する場合の現実、年収アップを目指す際気を付けるポイントについてご紹介しました。

企業勤めの不動産鑑定士の場合、その平均年収はおよそ641万円で、中央値は549万円です。

幅広い業界で活躍することが可能で、特に外資系金融会社では高収入が期待できるでしょう。

その一方希少価値が高いと言われる資格ではあるもののマーケットは飽和状態で、独立開業する場合は新規顧客獲得のための一工夫が必要です。

成功すれば企業勤め・独立開業いずれの場合でも年収1,000万円超えの可能性が十分にある職業と言えます。

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