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検察官の転職状況とは?検察官から弁護士になる人が多いって本当?

更新日:2024-02-22

検察官の転職状況とは?検察官から弁護士になる人が多いって本当?

検察官は法務省に所属する権力の強い存在ですが、弁護士は個人事務所や企業に所属し、被告人の弁護を行う検察官よりも身近な存在です。

この2つの職業は同じようで相反していますが、検察官から弁護士へと転職するメリットや理由とは一体何なのでしょうか?

今回は司法の世界で活躍する検察官から弁護士への「ヤメ検」についてご紹介していきます。


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ヤメ検について

 

検察官から弁護士へと転職する人は非常に多く、同じ司法試験に合格し司法修習で同じ事を学んできた職業としての違いとは何でしょう。

そこには様々な背景があり、検察官の仕事の性質上やむを得ない事なのかもしれません。

ヤメ検になる検察官が考えている事とは?そしてヤメ検となる人数の多さにはどんな理由があるのでしょうか。

司法試験に合格してなれる職業

司法試験の合格が必要な職業は主に「法曹三者」とも呼ばれる弁護士・裁判官・検察官の3つです。

また、司法試験に合格した後に、1年間の修習を受講する必要があります。

司法試験は難関国家資格試験の1つでもあるので、アガルートやユーキャンなどの通信講座を受講することをおすすめします。

ヤメ検とは?

司法試験に合格し、司法修習を修了した検察官は退官すればすぐに弁護士になる事ができます。

検察官が弁護士に転職を行った人の事をヤメ検と呼びます。

ヤメ検は検察官が行う業務を把握しているので、検察官がどこに注目しているかという点に敏感で、検察官の目線から「被疑者が長期間の身柄拘束をされない為にはどうするか」という問題に対してヤメ検は優れています。

ヤメ検のタイミングは定年前に退官し、弁護士となる人が多い傾向にあります。

組織から個人へ

検察官から弁護士になるには司法試験に合格していれば転職は可能ですが、検察官と裁判官は官僚組織となり、弁護士になれますが、事務所や企業に所属する弁護士からは検察官や裁判官になる事は難しくなります。

組織として活動していた検察官は上からの命令は絶対であり、検察官の業務は判例に従い、慣習など決まり事の多い中での業務に対して自由度が低く、その環境に対して不自由だと感じる人も少なくありません。

また、年齢的にも検察官の出世は容易ではなく、定年も満63歳となるので、弁護士への独立や検察官としてのキャリアを活かして、退官後に独立や個人事務所でのんびりと業務を行いたいと考える人が多いのです。

検察官の転職事情とは?

 

検察官は非常に転職者が多い職業で、その過酷さ故の事なのでしょうか?

比較的検察官は一般の国家公務員の中でも給与の高さはトップクラスとなっていますが、弁護士になるとそれも大きく変化します。

組織独特の仕組みや法律が定められている検察官ですが、そこには検察官としての厳しさばかりではなく、様々な事情があります。

「検察官から弁護士へ」転職者の理由に多い声をご紹介していきます。

検察官の離職率

検察官は定年まで勤務しない人が多い傾向にあり、弁護士には定年という概念が存在しません。

検察官の離職率は公務員全体の中でも高く、検事として任官後の15年以内、およそ40歳までに約30%が離職していて、50歳までには半数以上が離職し、離職者の多くが弁護士として活躍しています。

検察官は出世の競争が厳しく、給与面でのピークも40歳~50歳となり、弁護士を目指す人が多くなるのです。

50歳以降まで勤務を続けていると階級の格差が明確になり、その年齢では検事正となりますが、検事正は50人しかなる事ができず、検事正になれなかった人は見キリを付けて転職をするという現状となっています。

弁護士への転職理由とは?

業務について

検察官の業務は主に刑事事件の一連を担います。

それゆえの厳しさや責任感、また人手不足の現状もあり、なかなか個々の業務が改善されにくい状態となっています。

多くの残業や休日出勤など、組織の一員としての自覚を持ち働いている検察官として、やはりその「厳しさ」は誰もが継続できるものではありません。

  • 捜査に対しての不自由さ
  • 組織としての裁量に不満があった
  • 上下関係の厳しさ
  • 残業や休日出勤など個人の時間確保の難しさ
  • 出世が見込めない

生活面で

検察官という職業は特殊なものとなっていて、生活面にも大きく影響してきます。

検察官という素性を隠しながらの生活や、時間に追われる業務など、深夜の呼び出しや休日出勤、休暇取得の難しさなど様々なものがあります。

  • 転勤生活が年齢的に辛い
  • 定年退官後に自分のペースで働きたかった
  • 検事としての経験をし、いずれ弁護士になる予定だった
  • 落ち着いた生活が送りたい
  • 体力的に検察官の業務は厳しい

勤務形態の変化

検察官は主に刑事事件を扱うので、ヤメ検の中には民事事件を扱わない弁護士も多く、検察官としての経験がある弁護士は多くの刑事事件を扱ってきた専門家として信頼性が高く、検察官経験者は弁護士として強みになります。

検察官は組織の一員としての業務を遂行する為、その規則なども厳しくなっていますが、弁護士になる事で事務所への所属などになり、時間に融通が利きやすくなり、業務においても自身の考え方の工夫など比較的柔軟な労働環境と変化していきます。

ただし、検察官は身分保障があり、法務省に所属している事で給料面でも安定的で減額する事はありませんが、弁護士として活動する場合には弁護士の給料格差は雲泥の差があり、独立や個人事務所から企業所属まで所属先によっても大きく変化してくるのです。

検察官から弁護士へ

 

検察官から弁護士へなった人は弁護士としての業務に関してどう感じているのでしょうか?

給与面では検察官としての安定的なものから実力次第で変化する給与になってしまいますが、元検察官の弁護士として、法律事務所などで活躍する際のメリット利点をご紹介します。

検察官と弁護士の違いについて

両者に一致しているのは、法律の専門家として社会正義を実現する事で、法を守り法の中で活動するという事となります。

しかし、両者の労働環境や業務・立ち位置は大きく異なってきます。

それぞれの特徴を比較して見てみましょう。

検察官について

  • 業務:被疑者を裁判にかける為の権限を有し、事件を捜査し、犯人を起訴するか不起訴にするかの判断を行う。
  • 役割:国家権力という印象が強く、権力を行使し証拠品の押収や聞き込み調査、警察への指揮を取る。
  • 平均年収推移:272万円~1,453万円
  • 勤務先:主に法務省(検察庁)

弁護士について

  • 業務:依頼を受けて法律に沿った事務処理の専門家で、民事訴訟と刑事訴訟を扱い、被告人の弁護を行う。
  • 役割:基本的人権の尊重をし、経済活動においてのパートナーとして民事裁判の和解交渉などを行う。
  • 平均年収推移:200万円~1,285万円
  • 勤務先:個人事務所・大手事務所・企業など

元検事である利点とは?

元検察官である弁護士は、事件の捜査やそれに必要な手続きなど全体を把握していて、経験を活かして検察側の動きや警察の行動をある程度予測する事も可能です。

検事経験のおかげで事件の裏側である見えない部分の捜査の方針などを予測も可能となり、弁護士として有利に作用します。

また検察官・弁護士と両方の立場から物事を判断できる為、事件の構造を想像できる事がヤメ検の特徴となります。

検察官の経験を活かして、お互いの考え方の相違を自ら発見し、それをどう処理していくのかという事を冷静に判断できるのは弁護士としてはとても有益な存在です。

検察官から弁護士のメリット

検察官から弁護士になるメリットは何があるのか?

同じ法律の専門家として通ずる両者ですが、以下のメリットをご覧ください。

  • 検察官としての考えが解る
  • 検察官で培った知識の視点
  • 時間や生活に余裕ができた
  • 転勤の労力が無くなった
  • 元検察官なので信頼度が高い

検察官の弁護士への転職事情!ヤメ検になる理由とは?まとめ

検察官が弁護士へと転職する理由やその背景、ヤメ検についてご紹介しました。

どちらも同じ法律家として活動しているのに労働環境や業務内容は大きく変化していく事がわかりました。

しかし、検察官も一人の人間として、検察官の業務は誰もが認める過酷な労働環境にあり、その規則も厳しく責任も重大です。

検察官は人手不足の現状もありますが、弁護士も増加傾向にあり、個人事務所などの競争も厳しくなってきています。

検察官志望者がもっと増加すれば労働環境も大幅に改善されますが、そこにはなかなか難しい現状があります。

少しでも、国や国民の為に両者が働きやすい環境となる事を願うばかりです。