政治家という言葉を聞いて想像するのはやはり国会議員でしょう。
選挙報道も大々的に行われ、芸能人のような華々しさもあります。
しかし、注目されないながらも政治家としての仕事をこなす職業があります。
それが市会議員、もしくは市議会議員と呼ばれる職業です。
今回は、市会議員になるにはどうすればよいのか?市議会議員の任期や年収はどのくらいなのか解説していきます。
市会議員の仕事内容
市会議員は市民の要望や自分の意見を市議会を通じて市政に反映させる事が主な仕事です。
その為に市民の意見を聞いたり、他議員や議会とコミュニケーションをとったりします。
市議会の会期中と会期外で仕事内容が少し違いがあります。
市議会会期中の仕事
市議会は通常3月・6月・9月・12月の年4回開催される定例議会と、議会が必要と判断された場合に召集される臨時会の2種類があります。
市会議員はこの定例議会と臨時会に出席し、他の市会議員や市長から提出された議案の審議や議決を行います。
もちろん自分自身が議題や提案があれば提出して審議を行い、疑問点や問題点があれば議論を行ないます。
行政がスムーズかつ公正に運営されているかどうかを監視する事も重要な仕事です。
議会が行われる期間「会期」は議会初日に決定します。
定例議会と臨時会を合わせた市議会の平均日数は90日程度と言われています。
市議会会期外の仕事
議会が閉会している間には様々なメディアやSNSを駆使して市議会の情報を市民に向けて発信します。
また、次の議会開会に備えて市民の生活や市政の情況について調査する等の準備を行います。
市民の生の要望を聞く為に集会やタウンミーティングを行ったり、町内会や地元の商店街の意見を聞きに行ったりもします。
他の市町村の政策や市政を参考にする為に現地に赴き、説明を受けたりする事もあります。
市議会で中身の濃い議論を行う為にも、むしろ市議会会期外の時間の使い方は重要と言えます。
市会議員になるには資格が必要?
市会議員になるには特に試験で取得するような資格は必要としません。
市会議員になるには必要な条件が2つあります。
・満25歳以上の日本国民
・3カ月以上、立候補する市内に住んでいること
市会議員になるにはこの2つの条件を満たしている必要があります。
逆に言えば、市会議員になるにはこの2つの条件を満たしていればその外の条件はありません。
学歴ももちろん不問です。
しかし、市会議員つまり政治家になる為には大きなハードルがあります。
それが「選挙」です。
市会議員になるには2つの条件を満たしておけば大丈夫ですが、実際に市会議員になるには選挙戦を勝ち抜かなければなりません。
市議会選挙と任期について
市会議員になるには市議会議員選挙に出馬して当選しなければなりません。
市議会議員選挙にするにはするには前述した2つの条件の他に必要なものがあります。
出馬の際には供託金30万円(政令市市議は50万円)が必要になります。供託金とは、一時的に預けるお金のことで一定の得票数に達すれば選挙後に戻されますが、達しなければ没収されます。
この没収ラインは各市議会議員選挙によって様々ですが、ある市町村では「有効投票数÷定数×0.1」となっているそうです。
市会議員の任期は4年で、その際の市議会議員選挙に当選しなければ、当然市会議員を継続出来ませんので無職になります。
ですので、継続して当選出来る様な努力を常にする事が市会議員になるには重要です。
市議会議員選挙に勝ち抜く方法
市会議員になるには、一般的にはある程度の地盤固め、つまり「票集め」をする必要があります。
ある程度の得票が望めなければ出馬しても当選する事は難しく、下手したら供託金を没収されるリスクがあります。
ですので、ある程度の得票数を確保しておかなければ出馬してもお金をドブに捨てるようなものになるでしょう。
そうならない為にも地元の自治会やPTAを通じて地域住民とコミュニケーションを密にとっておくと良いでしょう。
地道に活動し地域住民の信頼を勝ち取る事が出来れば当選の可能性も見えてきます。
市会議員になるにはこういった地道な積み重ねに時間が掛かるので、当然市会議員は中高年層が主になります。
議全体に占める60代以上の市議の割合は、政令指定都市で29.8%、一般市議では42.6%程度です。
それに対し30代以下の若手市議は政令指定都市で16.2%、一般市議で8.7%とごくごく少数に留まっています。
しかし、地元住民の信頼を得なければならない市会議員の職に若くして就く人物が存在しているという事も事実です。
彼らはどうやって信頼を勝ち取ったのでしょうか?
若手が市会議員になる方法
若手市会議員になるには、一番よくあるケースとしては地元青年会の推薦だったり地域の名家の出身だったりする事が多いです。
つまり、やはり若いなりにも地域社会と密に付き合っている人物でなければ市会議員になるのは難しいという事です。
その外のケースで言えば、国会議員の政治塾に参加していたり、学生が議員の仕事を体験出来る議員インターンや国会議員の秘書職を経験していたりすると「政治の専門家・経験者」として市政に一石を投じたいと考える有権者の支持を受ける事があります。
そういった恩恵を受けれない若手立候補者も沢山います。
そういった人は、持てる限りの人脈を駆使して票数を集めたり街頭演説や講演を積極的に行い努力している姿を有権者にアピールする他ありません。
本来こういった頑張り方が政治家として必要な素養とは思いますが、現状少数派である事実は拭えません。
市会議員の年収
市会議員と言えど、政治家には変わりありません。
ですので、高収入だと思われる市会議員ですが実際に年収や月収はどのくらいなのでしょうか?
ずばり、市会議員の平均月収は約42万円です。
若くして市会議員になれば確かに高収入と言えると思います。
しかし、国会議員もそうですが市会議員の給料は私たちの税金によってまかなわれています。
ですので、各市町村の税収によって市会議員の月収や年収は大きく変わります。
大体4万人程度の市町村ならばボーナスを含めた年収は約850万円、政令指定都市等の大きな都市になれば年収1000万円を超えるようです。
一般的なサラリーマンの年収が450万円程度ですので、市会議員は高収入と言えるでしょう。
市会議員になるにはまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は市会議員になるにはどうすればよいのか?選挙戦に勝ち抜く方法や任期、年収について解説しました。
確かに市会議員は高収入で魅力的な職業ですが、若くしてその職に就くには様々な障害があります。
しかし、年月を積み重ねればクリア出来る障害ですので今回の記事を参考に地道に活動していきましょう。
そうすれば、じきに市会議員選挙出馬のタイミングも自然と巡ってきます。
その時に向けて今から準備を始めましょう。