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航海士になるには?気になる学校、資格、年収を解説します!

更新日:2021-05-08

航海士になるには?気になる学校、資格、年収を解説します!

航海士という職業は、海が好きな人や船が好きな人なら憧れる職業の1つです。

近年は、男性だけでなく女性の航海士も増え、景気に左右されない職業として高待遇であることも人気の理由です。

今回は、航海士になるにはどんな学校に通わなければいけないのか、資格は必要なのか、航海士の仕事内容や年収などご紹介します!

航海士とは

航海士になるための学校

航海士とは、安全に船が航海できるよう管理を行う仕事です。

天候や塩の流れなどを調べて安全に通過できる航路の確保をはじめ、荷物や乗客の積み下ろしの指示、船の防災設備や操縦室の航海機器の保守管理など多岐に渡ります。

近年コスト削減の流れを受けて、外国航路の船舶は人件費の安い東南アジア人の航海士が中心となり、日本人航海士は国内航路が中心になってきています。

航海士になるには

航海士になるには、海技士(航海士)の国家資格を取得する必要があります。

海技士の資格には、1級~6級の階級に分かれていて、運航する区域や船の大きさなどによって変わってきます。

将来、外航船員(国際航海を行う船員)になるには3級を取得し、内航船員(国内航海を行う船員)になるには4級を取得することが一般的に言えます。

海技士国家試験の受験資格として、18歳以上であることと、それぞれ一定の乗船服歴(学校での実習経歴、一般船の運航などに従事した経歴)が必要になります。

航海士に向いている人

航海士に向いている人として、船や海好きはもちろんのこと事故なく船を管理するためには、責任感のある人は向いているでしょう。

航海士の仕事は、長時間労働が強いられる過酷さもあるので、航海士になるには肉体的・精神的な強靭さが求められます。

また、将来的に船長を目指すとなると他の人がどのような考えをしているのか理解できて、人をまとめるための器の大きさが大切になります。

海の生物が好きな人は、イルカの群れとへ併走して泳いだり、くじらの潮吹きの音を間近できけたり普段できない体験をすることもできます。

航海士の学校

航海士になるには、乗船履歴を積んで受験資格を得るために特定の学校に進学する必要があります。

航海士になるには学校がいくつかあるので、どの学校へ通えばいいのか分からない人もいるかもしれません。

少しでも早く海技士免許を取得したい人は、中学校卒業後に海上技術学校へ進学すると3年半ほどで国家資格の受験資格を得ることができます。

ただし、海事系大学へ進学すると4年間かかりますが、「大卒」の学歴を得ることができます。

大手の商船会社での就職を目指す場合は、大卒である方が有利になる可能性が高いようです。

商戦高等専門学校、海上技術学校(本科)

中学卒業後に進学できるのが、全国に5校ある商船高等学校専門学校と、海上技術短期大学校(専修科)になります。

商船高等専門学校の修行期間は5年6か月となっており、4年6か月の座学と航海訓練場の練習船による1年間の乗船実習を行います。

海上技術学校(本科)の修行期間は3年です。

その3年の中に3か月間の乗船実習があり、卒業後にさらに6か月間の乗船実習学科を修了すれば、4級海技士国家試験の受験資格を得ることができます。

海事系大学、海上技術短期大学校(専修科)

高校卒業後に進学できるのが、海事系大学と海上技術短期大学校(専修科)です。

海事系大学は、全国で東京海洋大学、神戸大学、東海大学の3校しかありません

一般的な大学と同じように修行期間は4年となっており、4年の中で合計6か月間の乗船実習を行います。

卒業後、さらに6か月間の乗船実習科を修了することで、3級海技士国家試験の受験資格を得ることができます。

海上技術短期大学校(専修科)の修行期間は2年です。

1年3か月の座学と9か月の乗船実習で構成されており、卒業後は、4級海技士国家試験の受験資格を得ることができます。

航海士の学費

先ほどご紹介した学校によって学費も異なってくるため、自分の将来を考えたうえで比較するといいでしょう。

航海士になるための学校の学費を参考にしてみてください。

商戦高等専門学校、海上技術学校(本科)

国立学校になるので、一般の私立校の学費と比べれば比較的安いです。

参考費用として、おおよそ140万~160万が相場になります。(入学金、授業料、教科書含め)

海事系大学、海上技術短期大学校(専修科)

他の国立大学と学費がほとんど変わらないです。

参考費用として、おおよそ240万~270万が相場になります。(入学金、授業料、教科書、乗船実習含め)

航海士の資格

航海士になるための学校

航海士の資格は、海技士国家試験に合格することで取得することができます。

海技士国家資格試験は、6段階に設けられていて、数字が小さいほど資格取得の難易度が高くなります。

3級あるいは4級を受験するためには、商船大学あるいは海上技術短期大学などの卒業資格と同時に一定の乗船実習を終えていることが必須になります。

1級あるいは2級を受験するには、階級によって乗船履歴が必要になります。

乗船履歴とは、一般企業で言う勤務履歴と同じようなもので、乗船した船の総トン数や乗船年数によって乗船履歴が評価されます。

航海士の国家試験

航海士の国家試験は、年に4回行われています。

試験内容は、筆記試験・口述試験(質疑応答、面接)・身体調査(視力、聴力、疾患の有無)の3本柱で構成されています。

6級から1級へと上がるにつれて難易度も上がり、英語で口述試験を行うなど英語力を試す科目が出てきます。

それぞれ海技士国家試験の種類は、航海・通信・機関・電子通信の4種類と資格が下記のように分かれています。

海技士(航海)

1級~6級級 海技士(航海)試験

船橋当直3級 海技士(航海)試験

6級試験は筆記試験と口述試験の片方のみの受験で良いとされています。

船橋当直3級試験は、内燃機関の他、主機関が外部燃焼によるエネルギーの発生装置による駆動装置の期間運転を伴う科目が出題されます。

海技士(機関)

1級~6級 海技士(機関)試験

機関当直3級 海技士(機関)試験

内燃機関2級~6級 海技士(機関)試験

こちらも6級試験は筆記試験と口述試験の片方のみの受験で良いとされています。

内燃機関試験は、出力装置・プロペラ・機関に関する科目をはじめとした電気工学や熱力学の科目が出題されます。

海技士(通信)

1級~3級 海技士(通信)試験

海技士(通信)学科試験については、記述試験のみ行われます。

海技士(電子通信)

1級~4級 海技士(電子通信)試験

海技士(電子通信)学科試験については、記述試験のみ行われます。

航海士の難易度

海技士の難易度は、試験科目によって異なりますが、基本的には級が上がるにつれて難易度も上がり合格率も落ちていきます。

受験生が難易度に悩まされるのが3級試験あたりからと言われています。

筆記試験対策として、過去問を3年間分取り組むことで、合格率は3~4割程度になります。

最難関の難易度となる1級については、6年間分の過去問をマスターし、口述試験の対策を行いましょう。

航海士の年収

航海士の年収は、階級によって大きく異なり、基本給に加えてさまざまな手当が支給される形です。

それでも一般企業に比べて、非常に高く設定されていて初任給が30万円を超えるようです。

航海士の平均年収は、おおよそ600万~800万円が相場になります。

船長クラスになるほど責任が大きくなり階級も高くなるため、年収1000万も超えてくるようです。

また、船員保険と呼ばれる独自の制度や年金制度についても他の仕事と違った独自の手厚い補償があります。

航海士の現状と将来性

航海士の現状ですが、各企業のコスト削減によって外国人登用が多く日本人航海士が毎年減少傾向にあります。

ただ、島国である日本にとって、船は重要な存在であり運航に欠かせない航海士の需要は今後も変わることがないと言えます。

また、日本人航海士は真面目で勤勉な性格柄もあり、世界的にも評価が高いです。

他の職業に比べて高い給与水準や充実した年金制度などもあるため、安定しています。

航海士になるには?学校、資格、仕事内容、年収|まとめ

いかがでしたでしょうか。

航海士になるにはどんな資格が必要なのかを中心に、航海士の仕事の内容や年収についても解説させていただきました。

航海士になるには、普段とは違う船での生活でも効率よく受験勉強して根気よく続けた人が海技士試験に合格することができます。

商船学校、海上技術学校、海事系大学へ進学し同志となる同級生と航海士を目指してみてはいかがでしょうか。