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臨床心理士の就職先とは?就職率や向いている人の特徴をご紹介!

更新日:2022-11-01

臨床心理士の就職先とは?就職率や向いている人の特徴をご紹介!

臨床心理士とは、精神的な悩みを抱えている人の「心」に寄り添う職業です。
投薬などではなく、臨床心理学に基づく知識を駆使して相談者のサポートを行います。

臨床心理士になるには大学院の卒業後、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けることが必要です。

資格取得までに期間のかかる臨床心理士ですが「資格取得後の就職先はどのような所があるのか」「就職率は良いのか」など就職に関しても気になるところです。

そこで今回は臨床心理士の就職先や就職率、仕事内容や向いている人の特徴など詳しく解説していきます。

臨床心理士の就職先一覧

チェックマーク

近年の日本はストレス社会と呼ばれ、社会人や学生に問わず「こころに問題を抱えている方」が増えており、メンタルヘルスケアの重要性が注目されてきています。

そのため、臨床心理士の就職先は多岐に渡り、就職した後の働き方は様々です。

こちらでは臨床心理士の就職先を大きく6つの分野に分け、ぞれぞれの分野の働き方について詳しく解説していきます。

臨床心理士の主な就職先の6分野

  1. 医療施設
  2. 福祉施設
  3. 労働・産業分野
  4. 教育機関
  5. 警察や刑務所
  6. 一般企業

臨床心理士の就職先①医療施設

臨床心理士の一番メジャーな就職先は病院や診療所などの医療施設で、精神科や心療内科で勤めることがほとんどです。

それ以外にも、外科や内科など医師の指示があれば怪我や病気をした患者のメンタルケアを実施し、担当医師に患者のメンタル状況の報告等も行っています。

病院では分析結果を多職種に共有することで、チーム医療へ繋げているため、医師では治すことのできないメンタル面のケアを専門とする臨床心理士の需要は高いです。

臨床心理士の就職先②福祉施設

児童相談所や老人福祉施設でも臨床心理士は必要とされています。

児童相談所での臨床心理士の仕事は、心に傷を負った子どもやその家族、また子育てに不安を感じている家族へのメンタルケアも行います。

また、老人福祉施設では認知症を患っている利用者やご家族などの介護者へのメンタルケアが主な仕事です。

近年の高齢化の進行に伴い認知症高齢者は増え続けており、臨床心理士の老人福祉施設への介入はとても重要な存在となっています。

臨床心理士の就職先③労働・産業分野

労働・産業分野でも多くの臨床心理士が活躍しており、主に企業内の生活相談室やハローワーク、障害者職業センターなどに勤めています。

職場でのメンタルヘルス対策を推進する企業に対し生活相談室を設け、従業員へのカウンセリングを実施してメンタルケアをしたり、回復後のアフターフォローも行います。

ハローワークや障害者職業センターなどの就労支援施設では、相談者が希望する職業への適正問題に対する心理的な支援が主な業務です。

このようにさまざまな職種・年代の人と関わることが多いのが労働・産業分野の特徴です。

臨床心理士の就職先④教育機関

教育機関の分野では、小中高等学校や自治体が設置する教育センターなどで「スクールカウンセラー」として生徒や教員だけではなく、保護者のカウンセリングも行うなどして臨床心理士が活躍しています。

いじめや友人関係、家庭の問題や不登校まで相談内容は多岐にわたり、重大な悩みに対して「心理職」という立場で介入します。

勤務形態は非常勤のことが多く、複数の学校を掛け持ちしている臨床心理士の方が多いです。

スクールカウンセラーの働き方や役割については下記記事にて詳しくまとめておりますので、以下の記事もあわせてご覧ください。
スクールカウンセラーの仕事内容や役割を確認する!

臨床心理士の就職先⑤警察や刑務所

臨床心理士は少年院や刑務所などでも活躍しています。

臨床心理士が受刑者や保護処分となった少年少女の心理状態を評価することで、裁判の結果を左右したり少年少女の更生に大きな影響を与えます

また、刑務所では受刑者に対するメンタルケアも行っており、出所後の再犯防止のために受刑者の心の健康回復を支援しています。

一般の職員では対応が難しい心の問題と向き合うには、こころの専門家である臨床心理士が必要です。

少年院や少年鑑別所などで矯正心理専門職に就く場合は、国家公務員として働くことが多く、刑務所では非常勤国家公務員として働くことが多いようです。

臨床心理士の就職先⑥一般企業

近年、過剰労働やハラスメントなどの様々な問題で、精神的な問題を抱えたまま働いている社会人は少なくありません。

そのため、最近では従業員の精神的な問題に対処するために、臨床心理士を雇う企業や組織が増えています

雇用形態としては企業に直接採用されたり、派遣業者から企業に派遣されて勤務する臨床心理士が多いです。

メンタルヘルスへの関心が高まっている今、一般企業での臨床心理士の活躍が期待されています。

臨床心理士の就職率は良いのか?

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前述した通り社会的に臨床心理士の需要は高く、受験制限がある取得困難な資格ということもあり、就職率は低くありません

しかし、臨床心理士は即戦力として期待されることが多いため、就職までに実践的な知識や経験を積んでおく必要があります。

病院やクリニックでは、アルバイトやパートなどの非常勤職員としての求人が多いため、資格を取得したばかりの方は病院やクリニックで経験を積む方が多いです。

臨床心理士としての実績を作ることができれば、公務員やスクールカウンセラーなど希望の職場で働ける可能性が広がります。

ある程度経験を積めば、企業や施設に属さず自分で独立開業する選択肢もあります。
臨床心理士の独立開業について詳しく確認したい方は、以下の記事をご覧ください!
臨床心理士の独立開業の手順と準備を確認する!

臨床心理士の仕事内容

嬉しい女性

臨床心理士は、心に問題を抱える人に寄り添い、カウンセリングを通して問題を解決していく仕事です。

臨床心理士の主な仕事内容を4つに分けてそれぞれ解説していきます。

臨床心理士を目指している方は、是非参考にしてみて下さい。

臨床心理士の主な仕事内容4つ

  1. 臨床心理査定
  2. 臨床心理面接
  3. 臨床心理的地域援助
  4. 調査と研究

1.臨床心理査定

臨床心理士は相談に来た人の心の健康をサポートをするために、まずは相談者の悩みの全体像を把握し、問題解決のために道筋を立てていきます。

臨床心理査定とは、その第一段階である「その人がどんな人なのか」「何に困っているのか」「どういう風にサポートしてあげられるのか」など、相談者の全体像を把握することを指します。

臨床心理査定では心理テストやアンケート、行動分析を実施し、相談者の特徴や問題点の所在を明らかにしていきます。

2.臨床心理面接

臨床心理面接は、カウンセリングや心理療法のことを指し、一般的に認知されているカウンセラーとしてメインの業務です。

カウンセリングでは、相談者のこころの不安や違和感をゆっくり時間をかけて言葉にしてもらい、「どうすれば解決するか?」を一緒に発見し、実行できるような支援を行っています。

また、相談者との会話の中で無意識に行っている思考・行動パターンに気づき、それがこころの不調によるものであれば良いパターンに変えていくことも臨床心理士の仕事です。

心理療法には「精神分析」「認知療法」「行動療法」と様々な技法があり、相談者の悩みに応じて療法を使い分けています。

3.臨床心理的地域援助

臨床心理的地域援助とは、個人を対象にするのではなく、家庭・学校・職場などの環境に属する人々(コミュニティ)に介入し、心の健康や疾病予防を図る活動のことを指します。

例を挙げると、児童虐待の相談件数が増加している地域の住人に介入し、虐待が起こる原因や背景を考え、必要であれば他の専門家と連携を取りながら問題解決に向けて行動していきます。

臨床心理的地域援助は、コミュニティ全体の情報整理や環境調整を行い、生活環境を発展させることを目的としています。

4.調査と研究

こころの支援を行っていく上で、知識や技術を高めるための臨床心理的調査や研究活動も臨床心理士の仕事です。

実際のカウンセリングの事例に倣った仮説検証を行ったり、データ収集をして統計的な分析をするなどしています。

この研究の材料は「臨床心理査定」「臨床心理面接」「臨床心理的地域活動」の内容が主軸となっており、研究を進めることで相談者により質の高いサポートができるようになります。

臨床心理士のやりがい

やりがいを感じる男性

臨床心理士の一番のやりがいは「他人の力になれること」です。

精神が辛い状態だと、仕事や勉強、人付き合いなどが辛く感じて孤立してしまう方が多いです。

孤立してしまった方にカウンセリングを実施することで、相談者が元気になっていく姿が見れますので、そこにやりがいを感じる臨床心理士は多いでしょう。

また、相談者に感謝される場面も多いので、臨床心理士としてのモチベーション維持に繋がり、より仕事にやりがいを感じられると思います。

臨床心理士の将来性については下記記事にて詳しくまとめておりますので、以下の記事もあわせてご覧ください。
臨床心理士の仕事内容や今後の将来性を確認する!

臨床心理士の就職に向いている人の特徴

臨床心理士の就職に向いている人の特徴

臨床心理士の就職先や仕事内容について解説しましたが、臨床心理士の仕事が自分に向いているのか、イメージしづらいですよね。

自分に向いている仕事ではないと感じてしまうと、その仕事が苦痛になったり、やりがいを感じられなくなるかもしれません。

そこで、臨床心理士に向いている人の特徴を大きく4つにまとめましたので、参考程度にご自身と照らし合わせてみて下さい。

臨床心理士に向いている人

  1. コミュニケーション能力が高い
  2. 他人の価値観を受け入れられる
  3. 精神的に強い
  4. 正しい倫理観・道徳観を持っている

1.コミュニケーション能力が高い

臨床心理士はカウンセリングをするため、相手の話しやすい環境をつくったり、話を引き出さないといけないため、高いコミュニケーション能力が必要となります。

相談者に信頼されないとなかなか本音が引き出せず、こちら側が壁をつくってしまうと信頼関係が築けないため、人見知りの人には難しい職業です。

コミュニケーション能力が高く、人のために何かやってあげたいと考えられる人には向いている職業といえるでしょう。

2.他人の価値観を受け入れられる

臨床心理士は、相談者の価値観を尊重した上で「こころのサポート」をする職業です。

相談者の価値観はそれぞれ異なるため、受け入れた上で問題解決の道筋を立てていきます。

臨床心理士として自分の価値観や倫理観を押しつけてしまうと、相談者との信頼関係は破綻してしまうので注意が必要です。

他人の価値観を素直に受け入れられる人に向いている職業です。

3.精神的に強い

相談者は怒りや悲しみ、憎しみなど様々な感情を抱いており、臨床心理士に対して攻撃的な態度で八つ当たりをするケースもあります。

臨床心理士は相手の立場に立って考えることが必要ですが、感情移入をしすぎると相談者の問題に逆に捕らわれてしまうことがあります。

相談者との距離感をしっかり保ち、感情のコントロールがしっかりできる方や、精神的に耐性のあるこころが強い人に向いている職業といえるでしょう。

4.正しい倫理観・道徳観を持っている

臨床心理士は相談者と直接的に人間関係を作り、問題解決の支援を行うので、臨床心理士自身の人間的資質や倫理観・道徳観が大きく問われます

臨床心理士は自ら行う臨床業務が、関わる人々に大きな影響を与えるものであるという社会的責任を自覚しておく必要があります。

自分自身の心身の健康を保つことも臨床心理士の務めですので、正しい倫理観・道徳観を持って日々を過ごしている方が向いているといえるでしょう。

臨床心理士の就職後の平均給与・平均年収は?

臨床心理士の就職後の平均給与・平均年収は?

就職しようとしている職業の給与は誰しも気になりますよね。

臨床心理士の給与は働き方によって大きく変動し、特に正社員と非常勤では収入に大きな差があります。

以下では、臨床心理士の平均給与と平均年収について解説していきます。

臨床心理士の平均給与

転職サイトの情報によると臨床心理士の給与は地域によってばらつきがありますが、基本給の平均は約26万円/月となっています。

正規雇用であれば住宅手当や資格手当などがつき、福利厚生が充実しているところが多いようです。

非正規雇用の場合は勤務内容や場所によって大きく異なり、平均時給が1,300円前後ですが、刑務所や少年院の相談員、児童相談所の相談員など、行政の相談員は3,000~5,500円と高時給になります。

臨床心理士は資格取得直後は経験を積むことが必要なため、まずは非常勤で働く方が多いのが現状です。

臨床心理士の平均年収

転職サイトの情報によると、臨床心理士の平均年収は約370万円となっています。

勤務地や雇用形態、勤務年数によって異なるため、平均年収の幅が大きいのが現状です。

医療機関では賞与が3カ月前後の病院も多く、平均年収は300~350万円となっています。

教育機関の場合は、自治体によって待遇が異なりますが、平均年収は450万円前後と、医療機関よりやや高めとなっています。

臨床心理士の就職先と就職率|まとめ

臨床心理士の就職先と就職率|まとめ

  • 主な就職先は「医療施設」「福祉施設」「労働・産業分野」「学校」「警察や刑務所」「一般企業」
  • 臨床心理士の就職率は低くはない
  • 臨床心理士の求人は経験者が優遇されやすい
  • 病院やクリニックは資格取得直後でも実績が積みやすい
  • 臨床心理士の平均月給・平均年収は働く場所によって差がある

臨床心理士の就職先は大きく分けて上記の6分野あり、それぞれ働き方や給与が異なります

臨床心理士の専門性の高さから就職率は決して低くはありませんが、公務員やスクールカウンセラーなど実績がないと勤めることが難しい分野もあります

医療やクリニックの分野はアルバイトやパートでの求人募集が多いため、資格を取得したばかりの方は実績作りとして働いてみるのもいいかもしれません。

これから臨床心理士資格の取得を検討されている方は、以下の記事に臨床心理士試験について詳しくまとめておりますので、こちらもあわせてご覧ください。

⇒臨床心理士試験の難易度と合格率を確認する!
⇒臨床心理士試験は独学で取得できる?受験資格について確認する!

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