掲載依頼・お問い合わせ/リンク集          

[PR]

臨床工学技士の資格の難易度と合格率は?年収と手当も検証

更新日:2021-05-08

臨床工学技士の資格の難易度と合格率は?年収と手当も検証

生命維持管理装置をはじめとする医療機器の点検や操作を、医師の指示を受けて行うのが”臨床工学技士”という職業です。
比較的新しい資格ではあるものの、患者さんの命に関わる重大な役割を果たす仕事です。

この臨床工学技士の資格を取得するには、難易度と合格率はどの程度でしょうか?年収や受け取れる手当についてもご紹介します。

臨床工学技士とは?

臨床工学技士とは

”臨床工学技士”という職業は、医師の指示により患者さんの生命維持のための医療機器を点検したり、操作を行うといった仕事をしています。
主に『人工透析装置』の操作を行うことが多いですが、勤めている場所によっては集中治療室や手術の場で作業をすることもあるようです。

現在、臨床工学技士として働いている人の数はまだまだ多いわけではありませんが、医療現場で最新の機械が次々と開発されている昨今、エンジニアとして機材をしっかりと扱える人材が求められています。

では、臨床工学技士として働くにはどうすればよいのでしょうか?

臨床工学技士の資格を取得する

臨床工学技士として働くためには、国家資格に合格する必要があります。

それには臨床工学技士養成課程を、学校で3年以上は学ぶことが条件です。
まずは、学校の詳細を見ていきましょう。

国家資格を取ろう

臨床工学技士の資格は、高校を卒業してから臨床工学技士の養成課程を3年以上は学ばなければなりません。
学ぶところは4年制の大学、3年の短期大学、3年の専門学校などどこでも良いですが、指定科目を修了し、そこから受験資格を得られます。

ちなみに看護師や臨床検査技師、診療放射線技師に関する学校を卒業しているという人は、1年間の専門科への通学で受験資格を得ることができます。
それらの理由から、臨床工学技士の中には看護師の資格も併せて持っているという人が多く存在します。

大学と専門学校卒の違い

ここで、大学を卒業している人と、専門学校を卒業している人の違いについてご紹介します。

大学は4年間通わなければなりませんが、長い時間をかけて勉強している分、知識の幅がかなり広がります。
国家資格を取得して教育者となる人もいれば、そのまま大学院に進んで研究職の道を選ぶ人もいます。

専門学校の場合、国家資格を取得できれば大学に通うよりも1年早い段階で医療の現場に携わることができます。
しかし、普通の専門学校に入る場合は書類審査だけで良いことが多いですが、臨床工学技士の専門学校に入学する場合は併せて筆記試験もあるので注意しましょう。

国家資格の難易度は?

臨床工学技士の難易度

臨床工学技士の資格を取得すると、有効期限がないので生涯、活かして働くことができます。

多くの人は、「国家資格」と聞いただけで身構えてしまうかもしれません。

しかし、臨床工学技士の資格の難易度はそれほど高くないようです。

合格率は高い

試験はとくに受かることが難しいわけでもなく、合格率も8割前後と高い数字を出しています。

2018年度においては合格者が大幅に減ったと指摘されているものの、それでも7割の人が合格しています。

在籍中に合格することが良い

ただ、「難易度が低いから」「合格率が高いから」といって気を抜くことはできず、できれば学校に在籍している間に合格することが良いとされています。
新卒で試験に合格できることが一番良いですが、万が一落ちてしまうと、卒業してからの年数が経つごとに合格率が減る傾向があります。

これはどんな試験にも当てはまることですが、新卒での合格を目指すからこそ、就職後もすぐさま戦力となることができますね。

臨床工学技士に向いている人とは?

では、どのような人が臨床工学技士となるのに向いているのでしょうか?

医療の現場においては、チームワークが大切だとされています。
臨床工学技士も同様で、他のスタッフとコミュニケーションを取りながら作業をすることで、患者さんの情報などが円滑に伝わるでしょう。

「人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあることはもちろん、こんな人に適性があります。

機械に興味がある

臨床工学技士の仕事で特徴的なのが「機械に興味があること」です。
臨床工学技士は医療機器の操作を行うことが業務ですが、自分でマニュアルを確認しながら修理したり、稼働させなければなりません。

他の医師や看護師も全く機械の操作ができないわけではないと思われますが、やはり専門的なことを学んできた臨床工学技士に期待がかかるため、機械の説明などを求められる場面が多いかもしれません。

次々と新しい機能が備わる医療機器について勉強することも大切であるため、勤勉で機械好きな人に向いている職業と言えます。
患者さんの命を守る医療機器であるならば、新たな情報や深い知識を得ることは怠れませんね。

臨床工学技士の年収は?

さて、比較的新しい資格だとされている臨床工学技士ですが、実際に働いている人はどのくらいの収入を得ているのでしょうか?

現在も臨床工学技士の収入のモデルケースはまだ少ないですが、相場は次のとおりです。

平均的な年収の額は?

相場では17万円〜20万円ほどが初任給だとされています。
どの仕事でもそうですが、臨床工学技士の仕事も経験を積み重ねることによって給料があがっていきます。
年収は1年目でおよそ300万円前後です。臨床工学技士全体で平均すると、450万円から600万円くらいになるようです。

手当も支給される場合とは?

そして、勤務する施設によっては臨床工学技士に次のような手当が支給されることがあります。

まず、臨床工学技士の資格を持っている人への「資格手当」に始まり、通勤手当や住宅手当、扶養者手当に育児手当などが出ます。

また、仕事が長引いて残業になれば「残業手当」が付くこともあります。
医療機器が必要な患者さんは病状が重い場合が多く、容態が急変するなどし、残業になることが多々あるためです。その分、残業手当も多い方だとされています。

臨床工学技士の勤め先は病院だけとは限らないようです。
中には医療機器のメーカーに勤めたり、臓器移植コーディネーターになるなど、資格の活かし方が様々です。そのため、給与や年収の額に差が出てきます。

また、国公立病院に勤務する臨床工学技士は公務員となるため、俸給表に沿った額が支払われます。

臨床工学技士についてのまとめ

臨床工学技士の資格は、まだ比較的新しいものであることから、働いている人の数もまだ少なく認知度も低い傾向にあります。

まだ、医療系の仕事でありながらエンジニアとして難しい機器の操作を素早く正確に行う必要があるため、「機械に興味がある人に向いている」と言うのも新たな医療の形だといえるでしょう。

国家資格の中でも、難易度がそれほど高くないとされているので、医療と機械に興味を持っている方はぜひ資格を取得して、医療の現場で働いてみるのはいかがでしょうか。