掲載依頼・お問い合わせ/リンク集          

[PR]

医学部の学費はいくら?国立・私立の医学部の受験料や学費まとめ

更新日:2018-12-08

医学部の学費はいくら?国立・私立の医学部の受験料や学費まとめ

高給取りのイメージがある医者ですが、そんな医者もなるのはタダというわけではありません。実は、医者になるには莫大なお金がかかります。医学部の受験費用に、入学金や授業料、そして、勉強のために必要な費用など、その費用の種類も様々です。では実際にどれくらいの金額がかかるのか確認してみましょう。

医学部受験の費用

文房具

医学部に入るためには、難関の医学部受験を突破しなければなりません。

医学部受験の費用は大きく分けて二つです。一つは受験費用、もう一つは受験対策費用です。

受験料ってどれくらい?

だいたい1校当たり6万円程度(私立の場合)と言われています。
これは他学部の受験料が3万円前後であることを考えると、通常の大学受験生の倍の費用が掛かる事になります。

また、センター利用入試だと4万円程度でいくらか安くなりますが、こちらの方式でも他学部が1万5千円前後なのを考えるとかなり高くつきます。

ただし、国立大学を受ける場合は、センター試験1万8千円に加えて、各日程当たり、全学部共通で1万7千円とだいぶ安くなります。

多くの受験生の場合、いくつかの医学部を併願する事になります。
医学部受験生の場合、5校以上を併願するのはよくあることで、その上、特に私立医学部だと2浪以上も多く、4浪も決して珍しいとは言えません。

これらの費用に加えて、遠方地の受験の場合は遠征費用が掛かりますので、受験費用だけで百万円単位のおカネが動くことになります。

予備校代ってどれくらい?

受験対策費用ですが、これは主に通塾の学費がメインとなります。

したがって、自宅浪人(宅浪)などの独学受験者の場合は、参考書代や模試代だけなので他の受験生に比べて非常に安く済ませることが出来ますが、多くの医学部合格者は残念ながら(?)このパターンには当てはまりません。

優秀な生徒の場合は通塾でも特待生として学費が全額無料となることもありますが、ほとんどの生徒(の保護者)が高額な学費を予備校代を支払う事になります。

一般的な大学受験予備校だと、1年あたり50万円から150万円の学費がかかるといわれています。
それに対して、医学部専門予備校の場合だと50万円から500万円と非常に高いものになってきます。

そのうえ、夏期や冬期には、予備校によっては1週間程度の勉強合宿が行われます。これの費用は100万円弱だといわれています。

目眩がしてきましたね…。

家庭教師の費用は?

受験生によっては、通塾の代わりに家庭教師に教わるという選択肢を選ぶこともあります。

家庭教師の費用としては、大学生の家庭教師の場合、一時間当たり2000円~4000円ですが、医学部受験レベルまで教えられる大学生はそうそういません。

したがって、そのレベルまで教えられる医大生やプロの家庭教師を雇うこととなります。この場合、安くても一時間当たり3000円、基本的には5000円を上回ってくるのが妥当でしょう。

仮に週3時間教えてもらうとすると、5000円/時間×3時間/週×52週/年=78万円前後かかります。

医学部の入学金・授業料

医学部の入学金や授業料は国公立大学・私立大学・防衛医科大学校の大きく3パターンに分かれます。

国立大学・公立大学の学費

国立大学・公立大学の授業料は1年あたり53万5800円で固定となっています。入学金は国立の場合28万2000円で、公立の場合は大学や出身地によって費用が異なります。

例えば、福島県立医科大学は福島県住民だと国立と同じく28万2000円ですが、他県だと84万6000円と3倍の学費となっています。

したがって、一般的な国立大学の場合だと、6年間で340万円ほどかかります。これに、同窓会費用や施設費用などが掛かってきます。

私立大学の学費

それに対して、私立大学の入学金や授業料は大学によって大きく異なります。6年間通しての入学金・授業料の合計は安いところで2000万円弱、最も高い川崎医科大学だと4500万円以上かかってきます。国立医学部と比べると、だいたい10倍程度の学費の違いがありますね。

ただし、自治医科大学の場合は私立大学ですが、指定病院で9年間(6年で卒業した場合)働くと、入学金・授業料などの学費は掛かりません。

また、同じく私立大学の産業医科大学も卒後9年間(6年間で卒業した場合)、産業医などとして働くことにより、学費は1000万円ほどになります。

防衛医大の学費

最後に防衛医科大学校(防衛省が設立している大学に相当する教育を行う機関)についてですが、こちらの大学校の医学生はみんな防衛省職員として扱われるので、授業料などの学費が掛からないばかりか、手当が支払われます。その額は月に11万3300円です。

他の医学生が貴重な勉強時間を削ってアルバイト代を稼いでいることを考えると、授業料が無料な上に手当が貰えるのは医学生としては非常にありがたいことでしょう。
ただし、学則などは他大よりはるかに厳しいというおまけつきですが…。

こちらも、産業医科大学や自治医科大学同様に、卒後は9年間ほど、指定病院などで勤務しなければなりません。

医学を勉強する費用

悩む医学生

医師になるには、医師国家試験(国試)に受からなければなりません。

それには、猛烈な勉強量が必要なのですが、勉強するのもタダじゃありません…。

高くて分厚い専門書

医学生は、国試や各授業の単位を取得するために数々の医学を取り扱った専門書を読みこなさなければなりません。

例えば、多くの医大生は2年生あたりに解剖について勉強します。そして、解剖を勉強するためには、○○解剖学という解剖学に関する専門書に加えて、○○解剖学アトラスという解剖に関する図説が必要になってきます。
解剖学の専門書は薄い本でも600ページはあり、分厚いものだと1000ページにも及びます。一冊当たりの書籍代も10000円と安い買い物とは言えません。アトラスも1冊当たり1万円ほどしますから、教科書代だけでも出費はとても大きいです。

勿論、医学部の授業は解剖学だけではありません。生理学や生化学といった基礎医学科目に加えて、消化器や小児科などの臨床医学も学んでいきます。

すべての科目に教科書が必要というわけではないものの、医学という専門性の高い勉強をしている以上、専門書の費用も他学部を軽く凌いでいきます。

地味にかかる再試受験料

医学部の勉強は一筋縄ではいきません。各科目の試験も難しく、一回目の試験に落ちてしまい、再試験にかかることだってあります。

全ての大学ではないものの、この再試験を受けるためには、別途再試験受験料を払わなければならない医学部も少なくありません。その受験料は1科目当たり3000円~5000円程度。通常の試験に落ちてしまうと、絶対にケチることの出来ない費用ですから医大生の懐を確実に痛めてきます…。

CBT対策や国試対策

医大生が医師となるためには避けては通れないCBT試験医師国家試験(国試)
とても幅広い範囲から出題されるので、多くの医大生がしっかりと対策します。

たとえば、CBTだと『CBTこあかり』や『クエスチョンバンクCBT』など、国試なら『クエスチョンバンク』などの問題集を解くことになります。いずれも分冊になっており、一冊当たりの費用も教科書代並(5000円~10000円)に高いので、痛い出費です。

参考書代だけで済むならまだ安い方で、国試対策では、多くはありませんが対策予備校に通う人もいます。その場合は1年あたり100万円から250万円ほどの費用が掛かってきます。

まとめ

医者になるには、受験費用に始まり、授業料などの学費や普段の勉強の費用と様々な出費がかかるため、高い学力だけでなくて十分な経済力も必要なのです。

実際、医大生の家庭の経済力は他の学部に比べると高い傾向にあるように感じます。なにより、世襲ともいうべきか、医者や歯医者の息子や娘が医学部に通うケースが非常に多いです。しかしながら、一般家庭出身の医大生がいるのも事実ですし、そのような学生はこのような多大な出費に苦悩しながらも、自分の夢のために毎日歩を進めているのです。