マンション管理士はマンションの維持・管理に関わる職業で、高難易度の国家資格の一つです。
しかし、難易度が高い割にはマンション管理士の資格では食えない、必要ないと言われることがあります。
この記事ではマンション管理士の将来性などを踏まえ、本当に食えない・必要ないのかについて解説します。
マンション管理士の資格を取得して就職や独立を考えている方は、是非最後までご覧ください。
マンション管理士は食えない・必要ない職業？
マンション管理士は食えない職業であるという意見がありますが、実際はどうなのでしょうか。
まずはマンション管理士が食えるのか、必要ないのかについて解説します。
資格の所持だけでは食えない
結論から言うと、マンション管理士は資格を所持しているだけでは「食えない」可能性があります。
他の士業と比べて、マンション管理士の場合は資格を持っていることがすぐに仕事に結びつかないためです。
しかし、マンション管理士の将来性は高く、取得しておいて損をすることはありません。
近年はマンション管理士の重要性が注目され始めているため、今後需要が増すことが期待できます。
マンション管理士が必要ないと言われる現状
マンション管理士は国家資格ですが、有資格者にしかできない独占業務が存在しません。
そのため、企業は必ずしもマンション管理士を雇う必要がなく、求人が少ないのが現状です。
マンション管理士として必要とされるには資格を所持するだけではなく、しっかりと実務経験を積むことが重要となります。
マンション管理士の重要性は業界内で認識されているので、資格＋経験・スキルで必要とされる人材を目指していきましょう。
マンション管理士が食えない・必要ないと言われる理由
マンション管理士は決して必要ない仕事ではありません。
しかしながら現状ではその必要性が十分認められていないため、豊富な資格と経験がなければマンション管理士として働く事は難しいとされています。
ここからは、マンション管理士として「食えない」と言われる理由について、もう少し詳しくご紹介します。
食えないと言われる理由①年収が低い
マンション管理士の年収は約400万円と言われています。
不動産業界の平均年収は約500万円〜600万円ですので、業界平均よりも給与水準が低い傾向にあります。
年収400万円だと食えないとまでは言えませんが、家族を養っていくと考えると金銭的にあまり余裕がないかもしれません。
食えないと言われる理由②知名度が低い
マンション管理士は宅建士と比べると比較的知名度が低い資格です。
マンション管理士の資格取得は難易度が高く、取得された方は高い専門性を有していると言えますが、知名度の低さからアピールが難しい場合があります。
資格を持っていることの優位性を活用しにくいため、仕事がなく食えないといったことが考えられます。
食えないと言われる理由③求める会社が少ない
マンション管理士は前述の通り、独占業務を持たない資格です。
そのため、企業側は必ずしもマンション管理士を雇う必要がなく、求人もあまり多くありません。
求人が見つかっても給与面などの条件があまり良くない場合もあるので、食えないと言われています。
食えないと言われる理由④実務経験がないと役に立たない
マンション管理士は、資格を所有しているだけでは就職・転職することが難しい資格です。
資格に加えて実務経験やスキルを身につけなければ、条件の良い企業に入ることが厳しくなります。
不動産業界で一定の実務経験を積んだ後に資格を取得し、キャリアアップを目指すと良いでしょう。
食えないと言われる理由⑤ダブルライセンスの人が多い
マンション管理士として活躍されている方には、宅建士や管理業務主任者といった他の不動産系の国家資格を取得されている方が多いです。
そのため、マンション管理士の資格だけ取得している方は、企業の選考で不利になり仕事が見つかりにくい傾向にあります。
マンション管理士としての就職先
ここまでご紹介した通り、マンション管理士の資格だけで食べていくことはなかなか難しいと言えます。
そもそも、マンション管理士の資格を所持している場合、どのような働き口があるのでしょうか。
ここからはマンション管理士としての働き方について解説します。
マンション管理士としての就職先①不動産会社
不動産会社への就職は、マンション管理士として最も一般的です。
例えば住民同士のトラブルが起こった場合、すばやく問題を解決に導き、マンション運営をスムーズに行うことができるでしょう。
マンション管理士としての仕事だけでなく、その他不動産関係の仕事を行いながら勤務する事になることが多いです。
マンション管理士としての就職先②マンション管理会社
マンション管理会社は、住民が快適に暮らすためにマンションを管理・運営する会社です。
マンションの住民によって構成されるマンションの管理組合と連携して、設備の点検や清掃・会計などを担います。
マンション管理士の主な業務はマンション管理のコンサルティングですので、十分に知識を活かせる働き先と言えます。
マンション管理士としての就職先③独立開業
マンション管理士は、独立して自分の事務所を開設することができます。
マンション管理士の資格を取得し、マンション管理士としての登録を済ませれば誰でも開業できるので、独立へのハードルは比較的低いです。
マンション管理士として活動して高収入を目指したい方は、不動産会社やマンション管理会社で一定の実務経験を積んだ後に独立開業を視野に入れましょう。
独立した場合は営業なども自分で行う必要があるので、開業する際は強い意志と努力が必要です。
マンション管理士の将来性とは？
マンション管理士は食えない・必要ないと言われることがありますが、将来性で考えてみるとどうなのでしょうか。
都心部ではマンションが増えていることもあり、実はマンション管理士の重要性は少しずつ認知されてきています。
ここからはマンション管理士の将来性について解説します。
マンション管理士の将来性①コンサルティングはAIに代替されにくい
マンション管理士の仕事は、マンションの維持・管理に関するコンサルティング業務がメインです。
コンサルティングは相談者から悩みを聞き出して一緒に考え、問題を解決していく業務です。
対人同士の問題解決にはコミュニケーションが必要とされるため、AIに代替されにくく将来的になくなる可能性が低いと予想されます。
マンション管理士の将来性②マンション業界は成長を続けている
少子高齢化の影響で地方では一軒家の空き家が増え、都市部への人口流入が起こっています。
都市部ではマンションが増え、将来的にマンション業界の成長は続いていくと予想されます。
そのため、マンション管理士の需要は将来的に上昇すると期待できます。
マンション管理士の将来性③倒産するリスクが低い
前述の通りマンション業界は成長が続いているので、倒産するリスクが他の業界と比較すると少ないです。
そのため、マンション管理士は将来的に仕事を失う恐れが低く、将来性のある職業と言えます。
マンション管理士の将来性④今後知名度の向上が見込まれる
マンション業界の成長に伴い、マンション管理士の重要性は今後ますます上昇すると思われます。
近年はマンション管理士の重要性に注目が集まる機会が増えており、資格の知名度も上昇すると予想されます。
人が増えればその分問題点も多くなるため、将来にわたってマンション管理士の需要は高まり続けるでしょう。
食える・必要のあるマンション管理士になるには
マンション管理士は食えない・必要ないと言われていますが、将来性が高い職業ということが分かりました。
ここからは今後、食える・必要とされるマンション管理士になるにはどうすれば良いかについて解説します。
食えるマンション管理士になる方法①他の資格も取得する
マンション管理士として活躍するには、マンション管理士の資格だけではなく宅建士や管理業務主任者といった他の資格も取得すると良いでしょう。
不動産に関する総合的な知識を保有していれば、業務の幅が広がり収入アップが期待できます。
食えるマンション管理士になる方法②コンサルティング力をつける
マンション管理士は相談業務が中心となるため、コンサルティング力が重要です。
コンサルティング力には問題解決能力はもちろんのこと、コミュニケーション能力も必要となります。
「また依頼したい」と思われるような人材になることが、マンション管理士としての成功に繋がります。
食えるマンション管理士になる方法③実務経験を積む
マンション管理士として収入を上げるには、実務経験を積み上げていくことが最も効果的な方法です。
自身のスキルを高めてキャリアアップしていくことで、マンション管理士として必要とされるようになります。
マンション管理士は食えない・必要ない資格？まとめ
マンション管理士は年収が低くて実務経験がないと役に立たないため、資格を所持しているだけでは「食えない」です。
しかし、マンション業界は成長を続けており倒産するリスクが少ないので、十分に将来性があります。
独占業務がないため求人が少ない傾向にあるものの、取得しておいて損することはないでしょう。
マンション管理士として食えるようになるには、宅建士など他の資格も取得したり、コンサルティング力を身につけたりすることをおすすめします。
この記事を参考に、マンション管理士としてのキャリアを考えてみてはいかがでしょうか？
