一級建築士は学校や病院・劇場・商業施設など大規模な建物の設計を行うことができる、国家資格の取得が必要な職業です。
一級建築士は二級建築士と違い、設計出来る建物の条件に制限がないので企業からとても重宝される存在です。
一級建築士の資格取得はかなりレベルが高く合格率は約12%となっていて、就職先も大企業や中小企業、個人設計事務所などさまざまな環境があります。
そんな一級建築士の平均年収や初任給・役職ごとの年収はどのくらいになっているのでしょうか?
働き方とそれぞれの扱う仕事内容、職種別の年収もご紹介します。
一級建築士の平均年収
厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、一級建築士の平均年収は約700万円とされています。
会社や職種によっても差が出てきますが、国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると日本の平均年収は436万円なので、一級建築士の平均年収はかなり高額になっています。
また一級建築士の資格レベルは高く、医者や弁護士と同じレベルとされています。
また、男女で年収の差が200万円近くあり、男性より女性の方が平均年収が低くなっています。
一級建築士は男性の割合が非常に多く、少数の女性の一級建築士が大手企業に就職していたり独立して高所得を得ている割合が少ないことから、この差が生まれていると考えられます。
男女別の平均年収と全体の平均年収がこちらです。
男性 | 718万円 |
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女性 | 608万円 |
男女平均 | 703万円 |
一級建築士の年齢別年収
一級建築士の年齢別年収を表にしたものがこちらです。
20代前半は391万円で20代後半になるといっきに500万円台まで上昇し、40代後半で年収がピークとなります。
40代は仕事の経験も豊富でスキルアップしているため、レベルの高い仕事を成功させ月給も上がっていきます。
60代になると徐々に下落していきますが、独立し自営の場合定年退職がないので年齢に関係なく働けるところも自営の魅力の一つです。
一級建築士は個人のスキルやデザイン性が重視される職業なので、センスが良く人気がある一級建築士は年齢に関係なく若くから高収入を得ることができます。
一級建築士の初任給・役職ごとの年収
一級建築士の初任給や、役職ごとの年収を詳しく見ていきましょう。
一級建築士の初任給
一級建築士の初任給は約22万円と、一般の新卒と同額もしくは少し高くなっています。
会社の規模や職種によっても変わってきますが、大手ゼネコンでは初任給から27万円を支給する企業もあります。
一級建築士の役職ごとの年収
企業に就職し役職が付いた場合の年収はどのように変化していくのでしょうか。
役職ごとの平均年収を表にしたものがこちらです。
主任 | 498万円 |
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係長 | 619万円 |
課長 | 818万円 |
部長 | 905万円 |
主任・係長・課長・部長と分けて年収を見ると、役職が上がるごとに年収が急上昇しています。
一級建築士として企業に勤める場合は、若いうちにバリバリ働き経験を積み、その経験から40~50代で役職に就き高収入を得られるということになります。
一級建築士の福利厚生
一級建築士の福利厚生は、勤める企業により変化が大きいとされています。
大手の企業に勤めた場合、住宅手当や通勤手当・育児休暇・退職金などさまざまな福利厚生が整っています。
逆に小規模の企業に勤めた場合、労働人数が少ないため有給休暇を取りずらかったり住宅手当や通勤手当が出ないことも稀ではありません。
福利厚生を重視する場合、事前にきちんと確認しておくことが大切です。
一級建築士の働き方とそれぞれの年収
一級建築士には、大きく分けて5種類の就職先が存在します。
それぞれによって業務内容や年収も変わってくるので、その違いを解説します。
ゼネコン|平均年収
ゼネコンの中でも、スーパーゼネコン・大手ゼネコン・中堅ゼネコンなどいくつかの種類があります。
ゼネコンは大規模な建築物の設計業務から施工業務まで全てを行うので、知識や高いスキルを必要とされます。
商業施設やオフィスやマンションなど大規模な建設物を手がけることが多いため部署が細かく分かれており、建築士が活躍する設計部が人気です。
ゼネコン|一級建築士 | 約500万円~1000万円 |
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年収は企業の規模によってかなり開きがあります。
スーパーゼネコンでは年収1000万円を超えることも珍しくなく、役職に就くとさらに年収が上昇します。
ハウスメーカー|平均年収
ハウスメーカーは戸建ての注文住宅が多くなっていますが、大手ハウスメーカーではマンションやアパートを扱う企業もあります。
また、リフォームやリノベーションを行っている企業もあり、その場合お客様とのやり取りが多くコミュニケーション能力も必要になってきます。
ハウスメーカー|一級建築士 | 約700万円~500万円 |
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ハウスメーカーの年収は企業の規模によって、大手ハウスメーカーでは600万円~700万円、中堅ハウスメーカーでは500万円~600万円となっています。
設計事務所|平均年収
設計事務所は個人で経営している小さな事務所と全国規模の大きな事務所などがあり、事務所によってさまざまです。
個人設計位事務所では戸建て住宅を扱うことが多いですが、大きな設計事務所はマンションや大型商業施設を扱う事もあり、扱う仕事の内容は設計事務所によって変わってきます。
お客さんの希望に沿ったデザイン性の高い家を建てたい!商業施設など大きなプロジェクトに挑戦したい!など、自分が活躍したい内容に合わせて就職先を選ぶことをおすすめします。
設計事務所|一級建築士 | 約400万円~550万円 |
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設計事務所の平均年収は約400万円~550万円と、一般のサラリーマンの平均年収か少し高い金額になっています。
この額も、事務所の規模によって変動します。
デベロッパー|平均年収
地域の再開発事業や大規模な商業施設・大型マンションの開発などを行うデベロッパーは大規模な開発を中心に行い、その案件をゼネコンに発注しゼネコンが工事を請け負うこともあります。
また、ゼネコンや設計事務所で経験を積んだ一級建築士を待遇するゼネコンの企業も多くあります。
デベロッパー|一級建築士 | 約500万円~600万円 |
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デベロッパーの平均年収は約500万円~600万円となっており、ハウスメーカーと設計事務所の中間に位置しています。
デベロッパーも会社の規模によりますが、一般のサラリーマンの平均年収に比べると高い収入を得ています。
一級建築士の平均年収まとめ
・職種によって年収にばらつきがある
・大手企業の役職につけば年収1000万円以上稼ぐことができる
一級建築士の資格は合格率が低く取得難関な国家資格で、資格取得者は企業に必要とされる人材です。
そんな一級建築士の年収は日本の平均年収より高い傾向にあり、企業によっては1000万円近く稼ぐ一級建築士も珍しくありません。
大手企業や中堅企業、設計事務所など働く環境によって年収も変わってきますが、個人設計事務所や中小企業でスキルを磨き、スーパーゼネコンや大手ハウスメーカーで高収入を目指す方も増えています。