日本の夏を彩る花火は、海外からも注目されています。
そんな花火を作る職人になって多くの人を楽しませたい!と夢を抱いている人もいるでしょう。
また「なってみたい職人ランキング」でも、花火師は必ずランクインしてくる職業です。
しかしどうすれば花火師になれるのか?その実態は意外に知られていないものですよね。
この記事では、花火師になるために必要な資格と技術の学び方について紹介します。
花火師ってどんなことをしているの?

花火師の仕事は、作る→打ち上げる→片付けるという一連の作業が基本となっています。
ここでは職人の仕事ぶりが分かるように、それぞれの工程を一覧にして説明していきましょう!
花火職人の作る仕事
花火師として技術と知識を集約させる一番最初の工程です。
花火師を夢見る人にとっては最も憧れの工程かもしれません。
しかし一口に<作る>と言っても、花火玉(尺玉)ができるまでには、いくつかの細かい工程が必要なんです。
まずは花火の元となる火薬を混ぜ合わせていく「配合」→配合した火薬を粒状に仕上げる「造粒」→そして尺玉に詰めていく作業を経て→最後に尺玉の周りに紙を貼っていく「玉貼り」を行なって乾燥させ、やっと一つの尺玉が仕上がります。
ここまでの作業で、だいたいどのぐらいかかるか分かりますか?
なんと一つの尺玉が出来上がるまでの時間は約1ヶ月半程!
たったの数秒で打ち上がってしまう花火に対して、これだけの日数がかかる事に少し驚きですよね。
花火職人の打ち上げの準備の仕事
参加する花火大会に尺玉を運んだり、打ち上げに必要な機材をセッティングしたりするのも全て花火師の仕事です。
というのも最近の花火の打ち上げは、ほとんどが尺玉を専用の機械に設置して遠隔操作で行われているからです。
そのために必要な機材の配線や、当日の風向きや天気の状況を見ながら観客の安全をしっかり確保していくことも、花火師の重要な仕事ですね。
花火職人の打ち上げの仕事
いよいよ花火の打ち上げです。
花火師にとってもこれまでの努力の成果が試される、一番緊張する瞬間です。
なぜならどんなに経験を積んだ職人で技術や知識があったとしても、打ち上げるその瞬間までは、花火の出来を確かめることができないからです。
余談ですが大きな花火大会ほど、職人同士他の花火の出来栄えを観察して勉強しています。
自分の打ち上げだけに集中しないこともまた、職人の大切な仕事なのかもしれません。
花火職人の片付けの仕事
「来た時よりも美しく」は日本の職人の美学です。
花火師もまた設置した機材の撤収や搬出、さらに花火を打ち上げた後の落下物の点検を慎重に行います。
これは花火の残骸物が一般のゴミとは大きく違うからです。
万が一不発の煙火物が現場に残っていた場合、後から重大な事故につながってしまいます。
会場入りした時よりもさらに慎重に時間をかけて撤去作業を行うことは、花火師としての最低限の職業意識と言えますね。
なお、花火師として就職する会社によっては、製造作業だけを専門としている業者もあります。
なので就職先を決める時には、自分が花火職人としてやりたいことと、勤める企業の仕事内容が合っているかどうかの確認は、しっかりと行なってくださいね!
花火師だけで生活はできるの?

花火師の平均的な月収は、15~20万円が相場となっています。
新人として入社した場合も、初任給で15万円以上もらえるケースは多く、一般的なサラリーマンの平均給料とそこまで大差はありません。
また経験を積んで花火師としての技術が認められた職人の中には、年収が1000万円を超えている匠もいます。
とても夢がある仕事だと思いませんか?
さらに夏のイメージが強い花火ですが、一年通して花火を打ち上げる機会があることと、1つの尺玉が出来上がるまでの日数を考えると、休む暇なく安定した収入を得ることができるのが花火師の特徴です。
花火師になるために資格は必要なの?

花火師になるために、事前に取っておかなくてはいけない資格はありません。
ただし、入社してから取るように勧められる資格には以下の二つがあります。
火薬類取扱保安責任者
国家資格の一つで、煙火火薬や導火線などを保管する火薬庫の所有者が持っていないといけない資格です。
この資格は火薬類取締に関する法令や、薬学などの問題を解いて取得する知識が求められる資格ですが、持っていないからと言って花火作りに携われないわけではないので安心してください。
ただし、大学で火薬学の単位を修めた人は一部の試験が免除されるので、花火師を目指している人は学生のうちに取っておくというのも一つの手かもしれません。
煙火消費保安手帳
花火の打ち上げや現場の設営を行うために必要な資格で、社団法人日本煙火協会という団体が発行している許可証のようなものです。
この資格は協会が開催する講習に参加することで、特に知識試験はなく手帳の交付を受けることができます。
したがって花火に関わる会社に就職してから、上司からの指示で資格取得を促されるまで待っていてOKです。
花火師になる3つの方法を紹介

最初に残念なお知らせですが、花火師になるための間口はとても狭いと覚悟しておいた方がいいかもしれません。
なぜなら花火師の求人はとても少なく、一般的な就職情報誌には求人が載っていることはほとんどないからです。
というのも、老舗の花火会社ほど家族経営で受け継がれていくスタイルが取られていて、一般の就職希望者が入れる隙はありません。
でも、「花火師になるための技術や知識を身につけることは無理なのか・・・」と諦めてしまうのはちょっと待ってください!
ここで数少ない貴重な方法を三つ紹介します。
尺玉作りの前工程専門工場に就職
日本には火薬の配合や火玉の製造だけを専門に行なっている会社がいくつかあり、それらを探して就職する方法があります。
これらの会社で働きながら繋がりを持てた花火職人に熱意を見せて、正式に引き抜いてもらうことも夢ではないかもしれませんよ。
玩具メーカーに勤める
確実に花火の製造・開発に携われるかの保障はありませんが、一般の企業に就職する中では一番花火に近づける職種です。
例えば別の部署で働きながら花火についての知識や技術を学んでアピールすれば、担当の部署に移動させてもらえるかもしれません。
また玩具メーカーで培った花火の技術や知識を、転職の際に活かせることも視野に入れておきましょう。
飛び込みで弟子入り
門前払いを覚悟の上の、一か八かの直球勝負です。
それだけなりたくてもなれるような生半可な世界ではないということでもあります。
どんなに技術や知識があっても、危険物を取り扱うための資質や、根気のいる作業をコツコツとこなす忍耐力なども総合して判断される世界です。
ただしそれでも絶対になりたいんだ!という意欲がある人は、職人から直々に技術や知識を学べる機会を自身で切り開いていきましょう。
資格のいらない花火師の技術や知識を学ぶ方法まとめ
花火師になるための資格や、必要な知識と技術の習得方法について紹介してきました。
あるトップ花火師に「花火師の仕事とは、一瞬の美にすべてを懸ける」という名言があります。
まさしくこの言葉に花火師としての全てが集約されていると思います。
この記事を読んで、そうそう簡単に技術を学ぶ機会を得られないこともお分かりいただけたでしょう。
それでもこれからも花火は、絶対になくならない日本の素晴らしい伝統です。
ぜひ、興味を持って花火師の仕事について知っていただけたら嬉しいです!
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