医者と聞いたら普段私たちがお世話になっている人間を診察してくれる医者か、動物を専門的に診察する獣医を思い浮かべますが、今回は樹木の医者とも呼ばれる樹木医に的を当てて解説していきたいと思います。
樹木医は平均年齢40歳以上の男性が多く、樹木を通して人々に喜びを与えられる職業で、樹木医の資格は民間資格です。
民間資格の中では取得難易度が高い資格になっています。
目次
樹木医になるには?

樹木医とは樹木の生理・生態を理解し、調査、設計監理、維持管理業務に精通し、診断及び治療を通して落枝、倒木などによる人的、物損被害の抑制や後継樹の保護育成ならびに樹木の保護・育成に関する知識の普及及び指導を行う専門家のことを指し、現在2881名の樹木医が樹木医として登録されています。
樹木の医者ともよばれており樹木医になるには、合格率は20%と民間資格の中では非常に難易度の高い資格を取得しなくてはいけません。
樹木医になる為には樹木の医学はもちろん菌類や動物、土壌のことも学ぶ必要があり、幅広い知識と技術が問われる職種なので、環境園芸や自然環境といった専門科がある学校で学び、関連資格を取得する事が樹木医としての可能性を広げます。
大学や専門学校で即戦力になる為の知識と技術を養えるよう、無料資料請求から各学校の特徴を知って進学したい学校を選びましょう。
樹木医になるにはどんな資格が必要?
樹木医になるには「樹木医試験」に合格しなければいけません。
樹木医試験は「一般財団法人 日本緑化センター」が運営管理を行っています。
一般財団法人日本緑化センターとは、緑化に関する、専門技術者の養成認定、技術講座・研究会の開催、情報の収集・提供、思想の普及・啓発、調査研究、技術開発などを行っています。
樹木試験の受験資格
樹木医試験は学歴での制限はありませんが、業務経歴での受験資格が設けられています。
・樹木医補の認定がされていない人は業務経歴が7年以上必要
・樹木医補認定を受けている人は認定後の業務経歴が1年以上必要
業務経歴は、主に樹木の保護ならびに管理、診断及び治療などに関する業務を行っていた経歴のことを指します。
樹木医補認定制度とは?
樹木医補認定制度とは、樹木学や病虫学などの基礎知識や技術を「樹木医補資格養成機関(大学等)」で修了している学生を対象にした制度です。
主に樹木医が行う樹木の保護、管理、育成といった活動を補佐するのが樹木医補となりますが、樹木医補と言えど樹木に関した幅広い知識と技術が求められます。
将来、樹木医になりたい人は樹木医補資格養成機関に在学し、樹木医補の認定を受け樹木医試験を受験する道がおすすめです。
樹木医補資格養成機関(大学・専門学校)一覧は以下をご覧ください。
北海道・東北地方
都道府県 | 機関名 |
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中部地方
都道府県 | 機関名 |
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関東地方
都道府県 | 機関名 |
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近畿地方
都道府県 | 機関名 |
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中国・四国地方
都道府県 | 機関名 |
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九州地方
都道府県 | 機関名 |
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以上の大学及び専門学校が樹木医補資格養成機関となります。
樹木医になるために必要な知識
樹木医ですから、当然ながら樹木に関する基本知識、専門的までの知識が必要となってきます。
樹木の分類、樹木の生理、樹木・樹林の生態、樹木の構造と機能、樹木保護に関する制度、土壌の診断、病害の診断と防除、虫害の診断と防除、腐朽病害の診断と対策、大気汚染害の診断と対策、気象害の診断と対策、後継樹木の育成と遺伝子保存、幹の外科技術と機器による診断、樹木の移植法、土壌改良と発根促進、総合診断といった知識が必要です。
樹木医資格取得の為の勉強法
まず樹木医補の認定を受けていない場合、前提として樹木の調査・研究、診断・治療、保護・育成・管理、公園緑地の計画・設計・設計監理等に関する業務経歴が7年以上あることが必須です。
そのうえで、販売されている樹木医に関するテキストや試験の問題集を購入し独学する、または実施されているセミナーや通信講座もあるので、それを利用するのもよいでしょう。
樹木医の試験内容・難易度・合格発表について

樹木医になるには民間資格である樹木医試験に合格しなければいけませんが、民間資格といえど難易度が高い試験です。
さらに上記で説明した通り、樹木医試験には業務経歴での受験資格が設けられているので、樹木医になろうと思っても簡単になる事が出来ない職業でもあります。
樹木医を目指すのであれば全国に30か所ある大学や専門学校で樹木医補に認定を受ける事が一番の近道ですので、無料資料請求から認定校を選ぶか関連資格の取得が出来る学校を選び就職後に樹木医を目指せるよう、自分の進む道を選べる資料を取り寄せてみましょう。
続いては樹木医試験の詳細を紹介していきます。
樹木医試験の試験料・年間試験回数
樹木医補の認定を受けていない人は受験手数料18,000円ですが、樹木医補の認定を受けている人は15,000円と受験手数料の優遇措置を受けることができ、一般受験者より3,000円なります。
また試験回数は毎年1回、7月下旬頃に研修受講者選抜試験が行われ、研修の第1期が10月上旬からの2週間、第2期が10月中旬からの2週間、面接は研修最終日に実施されます。
2019年の樹木医試験の詳細
実施審査 | 試験日時 |
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2019年5月1日(水)~6月14日(金) | |
2019年7月21日(日) | |
2019年9月30日(月)~10月12日(土) | |
2019年10月14日(月)~10月26日(土) |
樹木医試験は一次試験と二次試験に分かれています。一次試験は選抜試験になっているので、この選抜試験で100名~110名に絞られます。
二次試験では第1期、第2期のどちらかで研修を受講します。
研修期間は約2週間になっており研修では、講義や実習を行い、履修科目ごとに筆記テストが行われます。
また、樹木医としての適性を判断するため、研修終了時には面接が行われ、最終的に、筆記試験および面接の結果に基づき樹木医制度審査議会による審査を行い合格者が決定します。
樹木医試験の内容
一次試験の内容は筆記試験がメインとなります。午前100分間で択一式試験を行い、午後の90分で論述式試験を行います。
択一式試験では一般教養、樹木に関する専門分野、高卒程度の生物の知識などから幅広く出題されます。
論述式試験では3問出題されますが、樹木医としてバランスの取れた知識や技術、文章力を審査する内容になっています。
二次試験の内容
この研修では研修科目である16科目を学びますが、「最新 樹木医の手引き」というテキストを事前に学習していることを前提に行われるので研修開始までに予習が必要です。
また研修中に、これら16科目の筆記試験が行われます。100点満点中60点が合格基準となっており、60点以下が3科目あった場合不合格になります。
さらに16科目の筆記試験とは別に、樹種の識別に関する適性試験も1回行われます。
※二次試験で行われる研修には99,000円の費用と交通費、宿泊費、樹木医の手引きテキストを持っていない人は8500円+税が必要です。
樹木医資格の難易度・合格率
樹木の調査・研究、診断・治療、保護・育成・管理、公園緑地の計画・設計・設計監理等に関する業務経歴が7年以上の者というハードルがあるので受験資格の条件が厳しくなっている試験でもあります。
また試験に関しても、一次試験の合格人数も限られており、最終的な合格者はごくわずかで、非常に難易度が高いです。
また合格率は20%と民間資格の中では非常に難易度の高い資格となっています。
二次試験に進めるのは100名~110名と決まっているため、その選抜試験をクリアし、審査まで到達するのも一苦労です。
樹木医試験の合格発表
一次試験の合格発表は8月末に、日本緑化センター公式サイトにて掲載及び樹木医試験に受験した全ての人に合否通知が郵送されます。
最終的な合格発表は2019年11月下旬で、二次試験を受験した全員に郵送されます。
二次試験合格者には、樹木医認定証などが交付されます。
樹木医資格取得後の年収・給料・仕事内容について

樹木医試験について説明してきましたが、次は誰もが気になる樹木医のお金事情について紹介していきます。
貴重な天然記念物になるような樹木や桜の名所、古木の移植等に尽力を注ぎ有名になった樹木医もいますし、各地の造園業に携わりながら名も無い樹木の診断や生育に関わる方もいます。
どのような業態でも、自然を愛し樹木の保護・治療をするには樹木医の知識や技術が必要になり、大学や専門学校での課程を修了していなければ7年という実務経験が必要になってしまうので、早く樹木医の資格を取得したい方は専門学校や大学で知識と技能を養う事が大切です。
樹木医補を目指す方にも、就職後実務経験を養うという方も、無料資料請求から確固たる知識と技能の習得のための学校を選んでみてはいかがですか?
そして民間資格の中でも難易度が高い樹木医ですが、晴れて樹木医となった後の生活環境はどのようになるのでしょうか?
樹木医の年収・給料相場
樹木医の給料は、勤めている企業の雇用条件によって異なります。
造園業者に勤務している30歳男性の場合、年収はおよそ400万円程度です。樹木医の資格を取得すると会社から資格手当が支給されることもあります。
樹木医の給料は日給月給制が多く、これは雨の日は仕事ができないことが多いためです。
樹木医の仕事内容
上記でも説明しましたが、樹木医は樹木の生理・生態を理解し、調査、設計監理、維持管理業務に精通し、診断及び治療をとおして落枝、倒木などによる人的、物損被害の抑制や後継樹の保護育成ならびに樹木の保護・育成に関する知識の普及及び指導を行う職業です。
ですので樹木医の仕事内容は、樹木に関した仕事内容になります。
樹木医に向いている人
木々のドクターである樹木医は、当然ながら、樹木に対する愛がなくてはつとまらない仕事です。樹木が好きで、植物を育てることによろこびを感じられる人に向いています。
樹木の病気の原因には、昆虫や菌類が関係していることが多いので、それらグロテスクな生物が苦手という人には精神的にきついかもしれないです。
また、高い木に登ったりクレーンに乗ったりする機会もあるため、高所恐怖症の人には苦しい現場となるでしょう。
樹木医所持者の職業例
大学などの研究機関に所属し、樹木の生態等の研究に従事する、植物園や庭園に常駐する、造園業や林業に関わる団体、その分野を担当する公務員など。
樹木医と同じ分野の他の資格
庭園管理士、庭園技能士、造園施工管理技士
樹木医の現状と将来性について

樹木医を目指している人は、樹木医の現状と今後の将来性が気になってしまうと思います。
次は樹木医という職業の今と将来についた内容をお届けしていきますので、どうぞご覧ください。
樹木医の現状
樹木の重要性やその機能に対する期待が高まっている一方で、樹木医への依頼はまだまだ少ないのが現状です。
これには、樹木の所有者の経済的な理由が大きく関わっており、天然記念物に指定される巨樹・古木や桜や松などのシンボルツリーには、ある程度の予算がさけたとしても、街路樹や公園木の一本一本には時間やお金をさけないというのが現実だからです。
樹木の持つ特性を生かした街づくりを樹木医の立場から発信していくことも、今後は必要になってきます。
樹木医の将来性
取得に大きな労力や時間がかかる樹木医資格ですが、国家資格ではなく民間の資格です。
しかし、この樹木医という職業名は資格を取得した人しか名乗ることが許されないので、いわゆる名称独占資格です。
昨今の自然環境保護の高まりや観葉植物の普及により、メディアに取り上げられる機会も増え、社会的な認知度が急上昇しており、民間資格であるとはいえ、この資格を取得していることは大きなアピールポイントになります。
樹木医の独立について
樹木医専業で独立して仕事をするケースもありますが、需要が少なく十分な収入を確立することは難しいです。
また独立するにあたっても、相当の知識が求められています。造園会社や自治体担当者などの広範な人脈が必要となります。
樹木医になるには資格が必要?樹木医試験の詳細のまとめ
今回は、私たちより遥かに長く生きていて、大きな樹木になればなるほど歴史を感じる樹木のお医者さんと呼ばれている樹木医についての内容をまとめました。
木と言えど命ある限り人の手での管理や治療なしでは、大きくなることができないのが樹木で、その樹木の専門職である樹木医は、自然の管理者といっても過言ではない職業です。
環境問題への取り組みや緑化活動など、自然を大切に守っていくためにも無くてはならない樹木医になるには、7年という月日をかけ地道に活動するか、樹木医補の資格を取得し1年の実務経験を経て樹木医になるかの2つのルートでした。
樹木医補は専門学校や大学でも取得出来るので、そちらのルートで樹木医を目指す事をおすすめします。学校資料は無料請求から取り寄せられるので、一度目を通してみてください。
100年先、1000年先にも残るような日本の自然な風景を守り育てていけるのは樹木医です。樹木医を目指すあなたの参考に少しでも慣れていれば幸いです。
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