生き物を扱うことが仕事である”ブリーダー”は、動物を繁殖させたり改良することを専門的に行っている人のことを指します。
かわいい動物と触れ合える魅力的な職業ではありますが、交配や繁殖、飼育などに関するしっかりとした知識を必要とし、民間の資格もあります。
では、犬や猫を扱うためにはどのような資格が必要で、年収はいくらほど得られるのかをご紹介します!
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ブリーダーとは?
”ブリーダー”という職業は、専門的に動物の繁殖や改良に携わる人のことを言います。
自分の好きな生き物に触れ合えるという魅力溢れる仕事ですが、それによって得られる収入が目当てというよりは、動物の成長を何よりも楽しみにし、大切な命を扱っているのだという責任感が持てる人に向いている職業だと言えます。
それでは、ブリーダーになるためにはどうすれば良いのでしょうか?
ブリーダーの資格そのものはない
ブリーダーになるために、必要な資格などは特にありません。
学歴や年齢も関係ないため、動物が好きだという熱い思いさえあれば誰でも目指すことができます。
ですが、ブリーダーの仕事は全く知識がなければ携わることができません。動物の交配について学び、出産や繁殖の正しい知識はなくてはならないものです。
そこで、ブリーダーに関連する資格を取得する人います。どのような資格があるのでしょうか。
ブリーダーに関連する民間資格
ブリーダーとして働くためには、いくつかの民間資格を取得することがおすすめされています。
これらの資格は取得必須ではありませんが、資格があることで動物の生態に関することやしつけ方、病気に罹った時にどのような手当をすれば良いのかなどを知ることができます。
資格には『ペット繁殖指導員』『JCSA認定ドッグブリーダー』『愛玩動物飼養管理士』『動物看護士』などがあり、自分が勉強しておきたいと思う資格の取得を目指しましょう。
難しい試験ではない
特に『ペット繁殖指導員』の資格はブリーダーの間ではメジャーであり、指定のカリキュラムをしっかりと行うことで資格が取得できます。
受験資格も問われないため、通学する以外にも通信講座で学んで取得できる資格もあります。
ちゃんと勉強してから試験に臨めば、決して難しい試験ではないと言われています。
ブリーダーの仕事をするうえでは何かと役立つことも多いと思われるので、何らかの資格は持っていた方が良いでしょう。
どこで学べるの?
上記で紹介した資格は、もちろん独学でも合格することが可能です。
独学が不安な場合は、民間の通信教育が利用できるほか、動物に関する専門学校に入学して一からいろいろなことを学ぶという手もあります。
あまりお金をかけられない場合は、通信教育を利用すると比較的安い出費で済みます。
ブリーダーの年収
ブリーダーの年収は、どのような生き物を扱っているかによっても違いが出てきます。
さらに企業に就職している人と、独立して開業している人でも変わってくるので正確な数字は出づらいのが正直なところと言えます。
ほんの一例ですが、今回は「犬」と「猫」を扱っているブリーダーについてご紹介します。
犬のブリーダーの年収
犬を扱っているブリーダーの場合、企業に就職している人で年収はおよそ220〜500万円ほどとされています。
独立して開業している場合はもっと不安定であり、売り上げの全てが手元に残るわけではありません。
例えば、犬は狂犬病の予防接種を受けなくてはならず、1年に1度はワクチンも接種します。
他にもエサや様々なケア用品、メスが出産することになればその費用もブリーダーが負担します。
もっと現実的な話になると、妊娠した犬の全てが無事に生まれてくるわけではありません。
死産や流産、奇形など悲しい結果になることもあるため、決まった収入は期待できないのが現状です。
ですが、繁殖だけではなく、ペットホテルやトリミングのサロンも併設することで、収入につながることもあります。
独立を希望する人は、どのような形態を取るかもしっかりと考えておきましょう。
猫のブリーダーの年収
続いては猫のブリーダーの年収ですが、こちらはおよそ180~370万円と、犬のブリーダーよりも低い数字となっています。
猫の市場は犬と比較すると小さく、それでも犬と同じくらいワクチン代や健康診断の費用がかかります。
現在は犬よりも猫の人気が高まっている風潮ではあるものの、ブリーダーが稼いでいるかどうかは別問題のようです。
ブリーダーに向いている人は?
動物が好きであれば、誰でもブリーダーに向いていると思うかもしれませんが、決してそうではありません。
もちろん、動物が苦手ならば絶対に手を出さない方が良い仕事ではありますが、本当の意味で動物に愛情を注げる人に適性の職業です。
人にも動物にも誠実
ブリーダーは、動物にも人に対しても誠実な人が良いです。
かわいい動物を繁殖させれば、飼いたいという人が次々購入して収入につながります。
しかし、動物をお金儲けの道具のように考え、具合が悪くても放っておくような人はブリーダーになるべきではないです。
動物は話すことができないので、ブリーダーが様子のおかしいところはないか、健康状態はどうかを常にチェックしてあげなくてはなりません。
さらに、ブリーダーは動物だけではなく、ペットショップなどの販売業者や飼い主となってくれる人とのコミュニケーションも大切になってきます。
販売した後も親身に相談に乗るなど、誠実な人がブリーダーに向いています。
動物に深い愛情を注げる人
動物を扱うということは、思いどおりにいかないことの方が多いでしょう。
そしてトップブリーダーとして活躍する一部の人を除き、うまく儲けを出せないことも多々あります。
悲しいことにブリーダーの中には悪質な業者も少なからず存在し、繁殖させるためなら劣悪な環境やストレス過多の状況に動物を置いても平気な人もいます。
自分の思いどおりにならずとも、動物のせいにしたりせず、平等に深い愛情をかけてあげられるブリーダーになりましょう。
ブリーダーについてのまとめ
生き物を育てたり繁殖させることに興味のある人に、ブリーダーという仕事はぴったりだと言えます。
獣医などと違って難しい資格は必要ありませんが、動物のことをよりよく知っておくための民間資格はいくつか存在します。
これらを取得しておくことで、動物に関する正しい知識を得られます。
ブリーダーになるには、動物がかわいいだけでは務まりません。生き物を扱っている以上、死などの辛い経験も必ず味わうことになります。
動物の幸せを考え、最後まで責任を持てる人のみが目指せる仕事です。